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我、埋葬に能わず(Dig me no grave)
咎人を待つのは燃える烈火が燻らせる血の薫り
お帰りなさい 君の故郷へ
その身を沸き立つ窯へ投げて業火に焼かれておしまいよ
その身をどうかすべてを舐る焔に委ねておしまいよ
きっと楽になれるのなら迷いもないのだろう
けれどそうはいかないよ
背徳の獣 分別もなく貪った蜜の代償にまずは魂を戴こう
お帰りなさい 君の故郷へ
地の底で煮え滾る熱い窯の蓋が静かに開かれる
その身を受け止めるのは不気味に笑う紅蓮 贄を喰む口
もっと楽になれるのなら恐怖もないのだろう
けれどそうはいかないよ
悪徳の魔物 判別もせず犯した罪には罰を
終わることのない永遠の お還りなさい 君の始まりへ
過ちて改めざる是過ちという 前世も今世も来世もないけれど
呉々もその小さくて冷えきった肝によく銘じておくことだ
閻魔への供物 潜れる門はその一つだけ
それでも通る覚悟ができるのなら誓いの言葉を述べてごらんよ
苦しみの果てにその骨肉が灰と化す瞬間にこそ
君は真なる奇跡を知るだろう
お還りなさい 君の始まりへ お孵りなさい 不死鳥の如く




