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魂の時空間
どんな時も飽きることなく繰り返す日々
この世の冬は去るのだろうか
埃まみれの誇り 寂れた路地の一角 そこに古びた時計屋
規則正しく針が刻む音を屋根を打つ悲しみが掻き消す
ひとり寒さに震えながら朝を待ち薄い毛布に包まり
暖炉で揺らめく命の火にそっと夢を焼べる
この夜の果て 閉ざした空が開かれた時
この世の春が来るのだろうか
それでもかつては解き放たれていた扉 それも今は昔の話
狂うことなく針は同じ場所を回り続け終わることはない
せめてこれ以上荒らされることのないようにと祈り魔除けを施した
そしていつしか誰も近寄らなくなった
どんな時も飽きることなく繰り返す日々
この世の冬は去るのだろうか
歪なぜんまいを失った歯車は鈍い鳴き声を挙げ
ゆっくりとその動きを止める 壁を叩き地面を濡らす雫は
やがて結晶へと姿を変え静かに降り積もり
一切の情け容赦なく温度を奪い幻を映す
決して風が吹くことのない永久と刹那の間で
それは確かに心を震えさせた
この夜の果て 閉ざした空が開かれた時
この世の春が来るのだろうか




