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ふるいうた
あるところに若者が1人あった
考え事にふけるその若者はある時ふと思った
はるか昔をうたっていた人々はどんな心を託していたのだろうか
風がうたう“ふるいうた”に耳を傾けながら若者は思う
昔も今もうたは楽しむ心でうたうのだ
あるところに若者が1人あった
考え事にふけるその若者はある時ふと思った
はるか昔を生きていた人々はどんな心を抱えていたのだろうか
大地がうたう“ふるいうた”に耳を傾けながら若者は思う
昔も今も生きる苦しさは変わらないのだ
それでも生きることは苦しいことばかりではないことを
知っているからみんなうたうのだ
生きる苦しさを楽しむ心に変えまた明日を生き抜くのだ
海がうたう“ふるいうた”に耳を傾けながら若者は思う
昔も今もずっと変わらないものがここにある
『あたらしいうた』とシリーズの作品です。