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蝶と蜘蛛
艶やかなるその姿に誰もが見惚れよう
楽園に咲き添う黄色い花達に近づいては遠ざかる蝶のように
なぜ君はそんなにも美しいのだろう 虜となる者達の後は絶たない
なぜ君は僕の手には届かないのだろう
僕はこんなにも心から君を思っているのに
艶やかなるその姿は誰にも届かない
月夜の晩に巣を張り巡らして
喰らいつこうとしている蜘蛛がいたとしても
なぜ君はそんなにも遥か遠いのだろう 虜となる者達は皆
手を伸ばす なぜ君は僕の手には届かないのだろう
僕はこんなにも心から君を思っているのに
どんなに愛しさが募ろうといつも君と飛ぶ夢は幻
日の光の下では決して逢えない僕等は
交わることなど生涯ないのかもしれない
なぜ君はそんなにも美しいのだろう
僕の目にはもう君しか見えていない
なぜ君はそんなにも遥か遠いのだろう 愛しさが募る程
距離は広がって なぜ君は僕の手には届かないのだろう
僕はこんなにも心から君を思っているのに
そしていつまでも叶うことのない思いを胸に抱いて
君に永遠の愛を誓う




