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海神の蒼
ただ遠く訪れる者の涙を受け止め
ただ広く訪れる者の叫びを聞く 海神の蒼
その姿を視ることはできずともただ全身で感じよ
鴎に委ねしこの思ひ 届けるは磯の匂ひか
何処までも遠く何時までも深き海神の蒼
ただ深く訪れる者の孤独を和らげ
ただ静か 訪れる者の嵐を凪ぐ 海神の蒼
その存在が其処に在るだけでただ魂は安らぐ
夕日に委ねしこの思ひ 届けるは海に咲く華か
果てしなく広く限りなく静けき海神の蒼
ただ淡く訪れる者の真を写す 海神の蒼
吹き抜ける潮風に海神の微笑みを視る
寄せては引く波の音に海神の慰めを聴く
鴎に委ねしこの思ひ 届けるは磯の匂ひか
何処までも遠く何時までも深き海神の蒼
夕日に委ねしこの思ひ 届けるは海に咲く華か
果てしなく広く限りなく静けき海神の蒼