表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニートに恋愛ゲームはイジメです  作者: 猫の人
3章 クエスト攻略、逆攻略
98/231

新型投入:ミューゼルとお店④

 醤油と出汁で吸い物ぐらいはできる。

 松茸なんて見当たらないが、シイタケならこの街でも普通に栽培されている。

 よって、朝飯用に麩とシイタケ、わかめの吸い物を作ってみた。


 評価は半々。あっさりした味付けは、肉大好きの白楼族の中では年配の人ぐらいしか欲しがらず、若い娘さんには不評だった。彼女らは朝から肉を望む。

 数少ない種族:人間には好評だったので、これはもう種族的な好き嫌いが出たと割り切ろう。

 ちなみにフィリスには好評で、マリィやティアには以前に振舞った事があるけど、その時も今回も反応は普通だった。





 先日の一件で少しは迦月と距離を詰める事が出来た。6月の予定を聞き出したり、予定を立てて動きやすくなった。

 とはいえ、踏み込めない領域が存在する事、そこに踏み込めないと先に進めない事、踏み込む為のきっかけがないのが現状である。

 クエストの最難関は迦月で決まりだろう。


 レミットさんは予測しきれない。

 が、そこまで気にしなくても大丈夫という雰囲気はあった。なんとなくだけど。


 ミューゼルとはあと数回会って、手伝う内容の見極めをすれば終わると思う。

 感触としては、今日でほぼ終わる気がする。


 リアについては、覚悟完了というか、多少待たせるとは思うけど、ゴールは見えている。

 俺もいつまでも新品未使用とか考えたくないし。あのトラップにも似た謎の嘔吐さえクリアすれば、俺は“男”になれる。

 リハビリ協力も得られるようなので、前向きにいきたい。





 今日は朝からミューゼルのお手伝いの約束をしてある。

 家に招いてもらうがミューゼルの私室に入る訳ではない。ウォレスさんがいないが、いたらどんな反応をしただろう?



 彼女は10時から生地の仕込みを始め、昼前から焼き始める。生地はあまり寝かせるものでもないので、毎回当日に用意する。


 販売枚数は70枚。中途半端と思うかもしれないが、あの場所で売れる最大値より少し少なめにした結果だと言う。

 最初は20枚売れればいい方だったのが30枚、50枚と売り切れるようになり、その直後は調子に乗って100枚分用意していたが、どう頑張っても20枚分は売れ残っていたらしい。材料を無駄に出来ないから、少し足りない程度で抑えている。



 今回手伝うにあたって、少し工夫をしてみる事にした。

 まず牛乳にレモン果汁を少し入れ、沸騰させる。その後あら熱を取り、生地に使用するのだ。

 これはバターミルクパンケーキというパンケーキのレシピの一つで、低脂肪乳を使って作るパンケーキだ。味は少しあっさりして物足りないかもしれないが、通常のものより太り難い。あと、ふっくらもちもちするのが特徴。

 この場で試食させてみたが、味の変化はそこまで大きくないので素人さんには分からない。食べ比べてようやく分かるレベルだ。ミューゼルには分かるようだが、味の変化よりも分かりやすい食感の違いで驚いている。

 余談ではあるが、通常のものより牛乳の質に影響されにくいという特性もある。味の平均化にも役立つ。


 今回は自分の存在感を見せつける心算で新レシピを試してみた。

 通常のパンケーキのほうが好きという人もいるだろうから、今回は新メニューとして20ほど販売する事に。

 通常のものは60まで減らしたが合計80枚分。少し冒険しているが、いざとなったら俺が買い取ってお土産にしてしまう予定だ。



 一通り準備を済ませ、二人で「途中まで」一緒に行く。

 さすがに店の売り子は勘弁してください。視線が集まったらヤバいので。





 屋台の手前で一度別れ、お弁当を持ってそのまま訓練場に向かう。

 迦月たちは訓練場にいると聞いているから、弁当を作って届けると約束を取り付けたのだ。

 下心はあると明言しておいたので迦月も反対はしなかった。逆に下心を隠して近づく人間よりはマシという扱い。そういえば、最近は下心満載のうっとうしい奴が来ないので訓練場にも安心して顔を出せると言っていた。その件に心当たりはあるが、聞き流した。



 訓練場に着くのは11時になったばかり。

 さすがに昼食には早すぎる。

 なので、迦月たちの訓練風景を見せてもらう事にした。


 前回と同じポジションを確保し、3人を遠くから眺める。

 今度は3人セットでの訓練で、3人対12人×2という変則戦闘をやっていた。最初の12人PTが全滅すると次の12人PTが即座に戦闘に入る、特殊な状況を想定した訓練だ。たまにあるよね、ボスの連戦とか。


 今回の迦月は刀から鎖に武器を変えていて、中距離戦闘をしている。まだ慣れていないはずなのに、クラス特性からいえば戦技もろくに使えないというのに、熟練者(ベテラン)のように使いこなしている。前衛を頑張る莉理さんをサポートし、足止めを確実にこなしている。

 前衛特化の迦月に替わり、莉理さんが最前線を支え足止めをしている。とはいえ人数差ゆえに最初は取りこぼしが多く、莉理さん一人なら敵前衛7人のうち4人の足止めが限界のようだ。ゲームならヘイト管理(コントロール)で全員足止めできるのだろうが、今はそこまで挑発系スキルは機能しない。単純に移動阻害系のスキルを使う方が効果的みたいだ。

 楓さんは一撃必殺の弓。後衛の急所を的確に狙い、一撃一殺をヤっている。速射性を犠牲にしているのだが、あれだけ攻撃力があるなら問題ないだろう。時折、無詠唱速射タイプの魔法で敵後衛を牽制しているのはさすがと言える。ひたすら火力特化の弓に速射の魔法とか、戦車の主砲副砲みたいだとか思ったけど。

 敵後衛がすべて撃破されると迦月たちのフォーメーションが変わる。

 迦月はメインウェポンの刀に戻り、防御の薄いところから切崩していく。

 莉理さんは迦月が常に1体1になるよう、周りの連中の立ち位置を調整している。

 楓さんは支援魔法にシフトし、二人に補助魔法(バフ)を、敵には妨害魔法(デバフ)を使っている。乱戦だけに同士討ち(フレンドリィファイア)を避ける意味もある。


 初戦が終わり二戦目になると今度は最初から乱戦を仕掛け、楓さんまで前衛で零距離射撃をするとか相手を混乱させる作戦に出ていた。

 2戦で5分。それだけで相手を下した。




 あの3人、もうちょっと鍛えれば16階層も問題なさそうだ。

 クエストを無視してダンジョンに戻りたくなったよ。

読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。


パンケーキのレシピについてはネットで検索しました。

本来はバターミルクを使うらしいですが、日本ではバターミルクが手に入りにくいから本文のような作り方をするらしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ