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ニートに恋愛ゲームはイジメです  作者: 猫の人
3章 クエスト攻略、逆攻略
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物資補給:エロは必要ありません

「――とまあ、そんな事がありました」


 ターシャさんとキーリさんは俺が話し始めると、ニコニコとしていた表情がだんだん固まり、蒼白になった。

 そこまで変な事を話したかね?


「ここここ、公爵様の使い!?」


 ターシャさん、落ち着け。


「これ~、そんなに凄かったの~?」


 キーリさん、売っちゃ駄目ですよ?

 ちなみにゲームでなら1万G程度の安物ですが。貴族様の目に付くとか、どんだけ。

 アイテムのレア度を10段階で評価していたけど、真ん中の5レベル程度ですよ? 始めたばかりの人が真面目に一月プレイすれば普通に手に入るような、ありふれたのマジックアイテムなんですけど。

 ミスリルとちょっと大ぶりの宝石があれば量産できるというのに、公爵様がわざわざ欲しがるほどのものかね。



 俺はこっちでマジックアイテムの価格がどうなっているか知らない。

 ゲーム中で10Gのポーション類なら学園の購買に金貨2枚で売っているのを見かけるので、多少安くなっているのだと思う。他の消耗品も安くなり、似たような値段設定になっている。そこまでは知っている。

 でも、魔力付与された武具の類は扱っていないし、≪彫刻≫された装飾品もまず見かけない。たぶんセイレンで一番品揃えのいい店はレオナール武具店だろう。

 そうやって売っている店をほぼ全く知らないのに、冒険者連中や貴族の学生はマジックアイテムで身を固めている事が多い。どうにも扱いがアンバランスなんだよなぁ? なにか専用の伝手でも要るのか?


 学園に通い出してから、授業にダンジョン攻略と勤しんではいたが、他の学園生とロクに交流していなかったツケがこんなところで現れるとは。

 安く買い叩かれようと気にする事ではないけど、扱き使われるのだけは避けないといけない。そのためにも相場を知っておかないと拙いのだが。

 めんどくさいなー。



 考えても頭が痛くなるマジックアイテム関係と貴族連中の話は横に置き、クエストの相談をする。

 貴族ネタよりクエストについて考える方がまだマシで、幾分か気が楽になる。

 嫌な事をたくさん経験した方が精神的にタフになるらしいが、これがその実例なのだろう。逆に考えると、今まで楽な方に逃げていた、とも言う。


 まずは現状報告。

 ミューゼルとは会ってないが、レミットさんと話す機会を得たのでその時の事を細かく話す。


 途中、美味しかった喫茶店に滅茶苦茶反応してたのは、彼女らも甘いものが好きな女性だからだろう。一部例外(リアみたいな娘)もいるけど、基本的に甘いものは女性に受けがいい。明日出かけるときは自作のケーキ類を用意し、もし渡す相手がいなかったらターシャさん達に、という流れになった。ミューゼル相手ならケーキは鉄板だし、レミットさんも今日喫茶店でケーキを幸せそうに食べる様子から好物だと分かっている。ただ、迦月たち3人には有効でない可能性もあるし、シンプルなあんみつでも作ろうと予定を入れる。


 レミットさんへの対処は基本的にリハビリの助けという事で、ダンジョンへ連れ出す事を目指すように言われた。

 これについては長期戦なら納得できるところだが、時間があまりない今、有効なのかと聞けば


「目指す過程でクエストを達成するのよ~」


とキーリさんに窘められた。

 なるほど。



「それにしても~、今日は遅かったわよね~」

「寝過ごしまして。昼前まで寝ていました」

「あらあら。夜更かしでもしたの~?」

「そんな事は無いはずなんですけど……夜中、一回起きた気がするので、それが原因じゃないかなーって」

「ふーん、ちょっと張り切りすぎたんじゃないの? 夜の運動」

「してませんよ……」


 帰り際、キーリさんがそんな事を言った。

 俺は何故か寝坊し、昼過ぎまで寝ていた事を教える。ついでにからかってきたターシャさんの鼻を摘まんで仕返しする。


 昨日は少し遅めの就寝だったとは思うが、昼前まで寝続ければ10時間以上寝ていた計算になる。

 MP回復の基本は寝る事だからわりと健康的な生活をしている。7時間ほどぐっすり安眠しても5割程度しか回復しないし、それ以上連続で寝てもあまり意味がない事を確認している。6時間から7時間で睡眠によるMP回復補正は切れるようなのだ。残り時間は起きている時の自然回復と同じペースになってる。

 それもあって、寝る時間にはそれなりに気を使い、効率よく生活しているのだが……。


「ああでも、なにか不思議と安心出来たっていうか……なにか、幸せな感じはしましたね。夢の話ですけど」

「へぇ~。もうちょっと詳しく覚えてない?」

「暖かくて、やわらかくて、なにか守られてる気分になった気がするんですけど」

「「……」」


 俺の発言に、女性陣二人は急に黙ってこちらを凝視する。

 その後、俺から距離を取ると二人で肩を寄せ合い、チラチラこっちを見ながら内緒話。

 俺が困惑していると、キーリさんがこっちに戻ってきた。


「そういえばアル君、私たちのお店に来ない~」


 っ!!

 爆弾発言に絶句する。


「行く訳無いでしょう……」


 なんとか、それだけの返事を絞り出す。


「エッチな事は無し、ただの添い寝でもかまわないけど~?」

「勘弁してください」


 そんな俺の反応を少し後ろのターシャさんは観察している。

 ん? 観察?


「もう帰りますね。今日もありがとうございました」


 なにか嫌な予感がしたので、その場を強引に立ち去る。

 何もないよな、たぶん。

読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。

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