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ニートに恋愛ゲームはイジメです  作者: 猫の人
3章 クエスト攻略、逆攻略
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情報整理:夜から朝へ

 人を、殺した。

 今更という気がしないでもないが、俺にとって人を殺して何も感じないのは、ちょっとショックだった。

 今までのような「こちらと敵対している連中」と違い、かなり怪しいが敵ではない(・・・・・)人たちだ。敵対していればモンスターと同じって割り切れるのだが。

 それを手にかけ何も感じないというのは、どういう事だろう? 向こう(現実世界)で人を手にかけた事は、一応無い。ただやりすぎた時は相応に落ち込んだものだ。だというのに判断ミスをした事に落ち込み、人を殺した事には落ち込まない。

 異世界転移もののラノベでは動物を殺しただけで吐くような主人公も多いというのに、異端に等しい精神性だな。


 今の自分に何かと都合はいいし、あまり気にしてもしょうがないけど。





 密偵さんにはそのままお帰りいただいた。

 とりあえずお土産を渡し、そのままお帰り願った。

 お土産を渡した理由は「いきなり口を割ったから」という事にした。何か言いたそうだったけどそれは無視した。

 予想外の状況に混乱しているのでまともに考えれないのだ。





 密偵さんがいなくなったので、一回自分の状況を見つめ直す事にする。


 クエストをやっている。4人のヒロインと仲良くなる必要がある。

 シエル絡みの騒動でターシャさんの護衛をしている。

 オルコック公爵家と一悶着あった。これからも続く。


 並行して3つイベントをやっている訳だ。

 最初のはいい。時間一杯かかるだろうが、きっとなんとかなる。たぶん。

 リアは捕まえて話をすれば何とかなると思う。

 迦月は良く分からないが、話し合いの余地はありそうだと思った。楓さん経由なら話しあう機会を作るまでは何とかなるようだし。

 ミューゼルとはうまく知り合えたし、これから仲を深めていけばいい。

 レミットさんとは会ってから考える。エルフ仲間からは好意的な感触を得たので悪いようにはならないと思う。


 護衛についてはこの街の裏事情に詳しくないので、一月程度は様子を見たい。

 クエストに協力してもらっているので、片手間に近い労力で実入りも大きい。

 ここまではいいんだ。



 問題はオルコック公爵家である。

 今回の件はただのきっかけに過ぎない。

 時間が経てば、他のどこかから俺の事を見つけ出し、鬱陶しい要求を突き付けてくる可能性がある。

 あんまり自重していない自覚はある。アイテム生産能力がばれるのは確定とみていいだろう。


 公爵家と敵対するならフィリスの持つ伯爵の権力では太刀打ちできないので、最悪の手段も選択肢に入れる必要がある。公爵領の都を潰すレベルの手段の確保。最上級召喚魔法の中でも禁呪級、≪隕石群召喚≫(メテオドライブ)の世話になるかもしれない。今の手持ちでも4回は使えるから……うん、王都と、3つあるっていう公爵家の都を潰す分はあるな。

 公爵様が話の分かる人である事を、切実に願う。



 公爵家への警戒は、後回しにする。一度にいくつもやろうとすれば全て失敗する恐れがある。

 無論、クエストが終わったら最優先で手をつけるべき事案となったが、今はクエストに全力を傾けるべきだ。クエストにそこまで余裕は無いだろうし。





 自分のやるべき内容の把握は終わった。

 今日はもう遅いので、屋敷に帰って寝る事にした。

 戻った後、リアが帰ってきているかマップで確認したが、いなかった。

 外泊とは……マードックさんに聞いてみるかな? 案外そっちにいるかもしれない。


 色々と考えたせいかとにかく疲れたので、とっとと眠る事にした。





 日も昇らないような時間帯。

 何故か目を覚ます。横を見ると、隣でリアが眠っていた。夜着は着ているので目のやり場に困ると言う事は無い。

 まだ眠いので頭がうまく回らない。

 添い寝をするという事は、リアに愛想を尽かされた可能性はなさそうだ。その事に安堵する。

 眠気に負け、欠伸を漏らす。このまま起きる必要は無いし、2度寝に突入する。

 安堵はしたが不安は少し残った。

 なんとなくリアを抱きしめ、そのまま眠りに就いた。

 いい夢を見そうだと、そんな事を考えた気がする。



 日が昇り夜が明ける。

 朝日が窓から差し込み、そのまぶしさで俺は目を覚ました。

 頭がぼーっとする。

 柔らかくいい匂いのする何かを抱きしめている。わりと力を入れているのに押し返す弾力が心地よく、ついつい力を入れて体をすり寄せる。

 このまま寝ていたいという誘惑に誘われ、目を開ける事もせずに今を楽しむ。


「あ、あぁぁ……」


 頭の上(?)から誰かの声がした。

 気にせず全身で何かに抱きつく。


「ふにゃっ!」


 聞こえる声が切羽詰まったものに変わるが、それがなんか楽しくて幸せな気分になる。

 腕に力を入れ、頭を押し付ける。

 うん、柔らかい。



 ゴスッ!!!!



 心地よい感触を堪能していると、俺の後頭部に、肘による一撃が決まった。

 何が起きたのか良く分からないまま、俺の意識は再び眠りに就いた。

読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。

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