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ニートに恋愛ゲームはイジメです  作者: 猫の人
2章 学園生活1年目、将来の夢
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決闘:ここまでは前哨戦

 迦月の戦闘方法はスピードと接近してからの一撃に特化しているので、そもそも近づくことさえできなければ完封されるのは当然の結果だ。特化した分、脆いからね。HPや防御力が低すぎる。

 この手の特化スタイルは集団での運用が前提条件で、正直、迦月一人は戦う前から勝てる相手と勝てない相手が決まってしまう。そして同レベル帯では勝てない相手の方がかなり多い。

 とりあえずは中距離攻撃手段か相手の中~遠距離対策を強化しない限り、それなりの戦闘しかできないだろうね。≪縮地≫使えるんだし、思い切って攻めてくればまだまともな戦いもできたんだろうけど、≪金剛石の投槍≫ダイヤモンド・ジャベリンのインパクトが強すぎたか。「近づけば回避できない=即死亡」って考えたのかもねぇ。


 逆に俺はソロプレイ期間が長かったので、1体1なら割と強い方に分類される。戦闘も万能型なので大体の相手に対応し、メタを張る事ができる。プレイヤースキルがそこそこ程度なので、ゲーム時代は戦闘で目立てなかったけどね。

 戦闘以外――料理をはじめとする生産方面では名前が売れていたがそっちはいい思い出が無いので嬉しくない。



 敗北を自ら認め、項垂れる迦月を俺は見下ろし、


「休憩はさんで2回戦やろっか。いけるよね?」

「鬼か貴様は!!」


 笑顔で提案した俺の申し出を、迦月は全力で拒絶する。

 途中で回復を使っていたし物理的には無傷に近いから、スタミナさえ回復しきればすぐに戦えそうなものだが。

 目の端に涙をにじませ、悔しそうにしている迦月を見ていると、少々戦い方が甘かったかなーと思う。

 全ての技を封殺して潰すのと、全ての技を使わせずに潰すのはどちらが効率よく心を折れるか考えての行動だったんだけど。まだ元気じゃないか。途中わざと隙を見せて、起死回生の攻撃を潰す――それぐらいはやらなきゃだめだったか。反省しよう。


 まあ、強制的にでも再戦してもらうつもりだから反論は認めないけど。

 それに今のまま戦っても意味は無いしね、条件は変えるよ?


「次は3対1だよ。お付きの二人と一緒に戦うのが基本になってる迦月に、1体1はちょーっと早かったみたいだし?」

「ずいぶんと余裕を見せてくれるのう? それは驕りが過ぎんか?」

「さあ? でもさ、迦月はまだ本当の意味では負けを認めてない(・・・・・・・・)だろ?」


 心が完全には折れていないから、ここまで余裕あるんだよね?

 まだ何か出来る事があると思っているから、ここで負けても耐えられる。

 戦闘以外で支えがあるならちょっと厳しいけど、戦闘何かで支えがあるとすれば、頼りになる仲間(・・・・・・・)とかってあたりじゃないかな?


 全てを見透かしたような目で、迦月を挑発する。

「その程度で勝てるつもりなんだ?」ってね。


 だがしかし、迦月は迷いを見せて即答を避ける。

 俺に対する多少の恐怖心を植え付けられたせいで、挑発は逆効果だったようだ。


「そっちの二人は、戦いたいって顔をしてるよ」


 方向性を変え、仲間への信頼と危機感を刺激する。迦月抜きの二人が戦えばどうなるかは、誰の目にも明らかだし。

 メイド二人は俺への敵意をあらわにし、許可がもらえれば迦月抜きでも戦うだろう。だけど個別に叩いてもあまり効果は無いので、できれば3人まとめて相手をしたい。3対1で負ければ、おそらく完全に心を折る事ができる。俺のやりたい事はそこから先にあるので、こんなところでグダグダしていたくない。


 迦月は自分の部下二人の顔を見るとそれまであった悔しさや恐怖心を払い飛ばし、まっ正面から俺を見据えた。


「3対1と不格好ではあるが決闘の申し入れを受けよう。アル殿、覚悟なされよ」

「上等。時間は今日の昼飯後にしないか? 準備と対策に時間、いるだろ?」

「……うむ、格上に挑む身なればその申し出、ありがたく受け取らせてもらう。次の戦いでは、妾の全身全霊をもって挑む事を誓うとしよう」


 怒りにまかせた最初の決闘と違い、今度はちゃんと覚悟を決めた「本気の」迦月と戦える。

 全身全霊、その言葉のままに戦ってもらおうか。

読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。


7月12日 7:49 誤字修正

×迦月は自分の部下二人の顔を見るとそれまで会った →

○迦月は自分の部下二人の顔を見るとそれまであった

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