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ニートに恋愛ゲームはイジメです  作者: 猫の人
1章 入学前、出会いの嵐
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ヒロインセレクト?

VRで恋愛ものをやると、幼馴染ヒロインって難しいですよね。その難関に挑戦すると、本編前に子供時代をプレイしてイベントをこなす必要が出てきます。

 家事手伝いは実家でニートをしていた頃もやっていた。ゲーム廃人な自分を養ってくれる両親のために料理を作り、掃除や洗濯もやった。だけど、仕事はしていなかったわけで……



 商人のおっさん、名前をマードックという。

 マードックさんは俺を養子にすると決めると、周囲への挨拶回りをしてあっさり手続き終了を宣言。役所に書類を出す必要はないらしい。

 税金とかはどうするんだろうね? 聞いてみたら、子供からは税金を取らないらしい。税金を払うのは建物単位だとか。税金が払えないと建物を没収されるらしい。


 そんなわけで基本子供も労働力なファンタジー世界、俺は労働力として駆り出されることになった。



「おはようございます、マードックさん。すぐに準備しますね」

「おはよう。『さん』は無しでもう一度挨拶しなさい」


 街に来てから6日目。

 朝は早く5:00には起床。ソロでダンジョンアタックをするときにはいつもこの時間に起きていたので気にはならない。夜更ししても人がいっぱいいて旨みがないんだよ。

 マードックさんより早く起きて作った朝ごはんをテーブルに並べる。二人テーブルを囲み「いただきます」と食べ始める。

 メニューはパンとスープ、サラダが基本。たまに肉を添える。パンは硬いのでスープに浸しながら食べる。結構美味しく出来ている。≪料理≫はカンストさせてあるし、≪料理≫の補助アイテムも持っている。これだけシステムアシストを受け、普段から料理をしている自分が作れば美味しいのは必然である。


 洗い物を片付け、荷物運びの時間である。倉庫にある荷物を確認し、売り物を荷馬車に載せるのだ。

 これだけ言うとまたすぐに行商に出るように聞こえるが、そんなわけではない。近場に何度も頻繁に行ったところで物は売れない。これは他の商人の手伝いである。

 一回行商をしたら街で情報収集して次回の売り物を考える。載せ降ろしは小銭稼ぎではなく、そのための手掛かりを得るために行う手段でもある。何を運んでいるか、どこの村で何があっただのといった噂話、それら情報を収集するのがメインの仕事と言える。


 午前中の仕事が終わっても昼休憩を挟んで仕事を再開。俺は一日を荷物運びで終えることになる。体力的には全く問題ないけど、周囲に人が大勢いるのは精神的にくるものがある。


 16:00頃に仕事を終えて給金をもらい、家路に着く。ろくな情報が手に入らないし、気分的にボロボロになっていた。

 早くニートに戻りたい。




「ナニコレ?」

 夜、寝る前にステータスウィンドウを確認した俺は天を仰いだ。

 仕事中は確認しなかったが、ゲーム中何度も聞いた『お知らせ』コールが届いたのだ。

 ≪NEW≫の表示があったのはクエストボード。普段は『~~を護衛しろ』とか『~~を討伐しろ』といったクエストが載るはずの場所に書かれているのは


『幼馴染をゲットしろ』

『貧乏シスターを救え』

『女の子を暴漢から助けよう』

『アイドルの素顔に迫れ』


 期限は全部、明日1日である。しかも受注済みのマーク付き。



 ツッコミどころが多すぎて何をすればいいかわからない。

 幼馴染はそこら辺に落ちていないし。狙ってゲットするもんじゃないだろ。

 貧乏シスターって、どこのシスターだよ。しかもわざわざ貧乏って付けるの酷くね?

 目の前で襲われてたなら助けてるよ。せめてこっちの行動範囲で事件を起こせよ。

 アイドルなんて興味ねーよ。そもそもいるのかアイドルが。


 つーか1日で全部やれってか? 馬鹿じゃねぇの? 受注選択ぐらいさせろよ。自分の経歴に傷がつくじゃないか。強制クエストならバランスを取れよ。



 ゲーム時代はすべてのクエストを成功させて任務達成率100%を維持してきた。だからこそ思わず悪態をついてしまう。

 これがまずかったのかもしれない。

 たぶん神様はこっちを監視している。そして俺の発言にイラッとしたのだろう。

 翌日。俺は地獄のようなハードモードに挑戦することになる。

読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。

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