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ニートに恋愛ゲームはイジメです  作者: 猫の人
2章 学園生活1年目、将来の夢
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午前中:古き怒りと裁きの鉄槌①

エルフ娘、再登場。

短いです。

 アラスティア――今の名前はリヴリアだが――絡みの一件から1週間が経過した。

 俺とリア(リヴリア)はフィリスの館に居座る事になり、また、リアも学園へ通う事が決まった。この件については一悶着あったが、危険()物を野放しにするよりは、という事で俺が面倒をみる形になった。もちろんタントリス教官は喜んだ。

 復帰当初ステダウンのせいで小さなミスを連発したが、リアの的確なフォローによって事なきを得るなど、リアの一般生活への対応力に俺の負担は逆に減った形になった。


 そして、今日もまたダンジョンに潜るために入口(ワープゲート)へとやってきた――





 ゲートポート手前にはエルフの少女がいた。

 すぐに思い出した。彼女は以前ダンジョン内で助けた少女だ。しばらく見なかったが、ようやく復帰するのか。

 いや、装備を見ればダンジョンに潜るというより、ちょっと喧嘩を回避するために簡単なものだけ身につけたという雰囲気だ。そうなるとここにいるのは別件か。

 彼女は俺の姿を見つけると、不安そうにこちらに向かってきた。


「おはようございます」

「あ、ああ。おはよう」


 エルフ少女は俺より背が高い。160cmぐらいか。肌は白く、長く伸びた金髪を後ろでまとめている。細い身体に革鎧に弓とナイフを装備しているが、矢筒は一つ。一つってところがダンジョンに入る意思がないことを示している。行くなら3つ以上持つからね。

 彼女の声と表情は暗く硬い。きれいな、整った顔をして入るのだがその陰鬱な表情により魅力が半減している。おそらく、パーティーメンバーが自分以外全滅している事をいまだに悔やんでいるのだろう。


「あの……」

「……」


 何か言いにくい事なのか。とりあえず黙って次の言葉を待つ。


「その…………」

「…………」


 待つ。


「うぅ………………」

「………………」


 どうやら待っても無駄っぽい。


「そう言えば、身体の具合はどうですか?」

「あぁぁ、大丈夫です!」


 なぜかガチガチに緊張されている。顔色も悪い。俺は助けた方だし、恐れられる理由なんてなかったと思うんだけど。

 などと考えていると、服を後ろから引っ張られた。


(あの子、死んだ事を覚えているとか)

(にゃにっ!)

(死者蘇生なんて、普通はできない)

(あー、だから怯えている、と)


 小声でリアとやり取りをする。言われてみれば理解できる。確かに誰も知らないような魔法を使える人は怖いかもしれない。……ただの上級の回復魔法なんだけどね! ゲームでは使えるやつがパーティに2人以上いるのが常識だったんだけどね!


 たぶん状況は理解できた。

 この子は俺が何をやったのか問い質すのかお礼を言いに来たのか、とにかく用事があってきたんだけど、自分を生き返らせるような魔法使いを相手にどうすればいいか分らない、と。

 こっちとしては聞かれたらまずい話をするかもしれないので、こんな人目に付く場所で話をするのはやめた方がよさそうだ。場所を変えよう。


「なにか込み入った話になるかもしれないし、お茶でもしながらにしませんか?」


 笑顔だけどちょっと≪威圧≫を込めて『お願い』する。

 うん、エルフ娘さんは可哀想なぐらい何度も首を縦に振ってくれた。





 場所は変わり学園内にある喫茶店の一室。

 学園内には俺たち以外にも利用客の多い、個室貸し出しアリの店もある。ダンジョンで手に入れたアイテムの分配とか、あまり周囲の耳目を集めたくない時に使う。当然防音盗聴対策をとってあり、魔法を阻害する効果もある。まあ、俺やリアにはあんまり信用できないので追加で自前の防音魔法を使うけど。


 3人席について話を再開する。

 俺とリアが並び、エルフ娘さんは対面だ。

 この部屋に入るとエルフ娘さんも覚悟が決まったのか多少落ち着き始めている。


 俺はコーヒーを、女性陣は紅茶を頼んだ。飲み物と摘まむものがあった方が話しやすいだろうし、好きなものを奢ると言ったが、全員飲み物だけ。

 俺は朝ご飯だけで夕方まで持つし、あんまり食べると動きが悪くなるから食べないだけなんだが。とりあえずクッキーだけ追加しておく。いざとなれば持ち帰ればいいし。

 頼んだ物がそろい、防音対策をしてから話を始める。


「じゃあ、お話しましょうか」

「まずは、助けていただきありがとうございます。私はレミット=グリュッスタッド。グリュッスタッドの森のエルフです」

「俺はアルヴィースです。こっちはリヴリア。この街の平民なので姓はありません」


 エルフ娘(レミット)さんは頭を下げる。

 こちらはそのまま。一応、礼を受け取る側だからね。


「俺に、何か聞きたい事があって会いに来た。今日はそういう話でいいんですよね?」


 まずは本題を終わらせようと一気に踏み込む。

 俺の言葉に一瞬だけ身を固くしたが、レミットさんは少し迷い、だけど決意をにじませる瞳で語り始めた。


「まずは私の話を聞いてください。あの時、何があったのかを」





 俺はこの話を聞いて久しぶりに激怒する。

 彼女の語った内容は、MMO-RPGプレイヤーだった俺には宣戦布告のように感じられた。

読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。

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