翌朝:シャッフル
事後処理。
かなり短いです。
「やーい、ばーか」
「馬鹿って言う奴が馬鹿なんだよコンチショウ」
契約は成立した。目の前の彼女が望むように。
俺の意思は無視されて。
「チクショウ、能力ペナルティ中なんだから上手くいくはず無かったんだー」
「無くても私の方が強くて有利」
考えの中からすっかり抜け落ちていたが、俺は≪超絶化≫の能力ペナルティ中。つまり、契約をするときに自分の意思を反映できないという事。対象を召喚する部分はやらなくて良かっただけにその後の結果がお粗末すぎた。
言われる通り、そもそも相手の方が格上なんだから、契約内容は最初から相手が有利になるというのに、能力ダウンで相手の言いなり状態。酷すぎる。
「私の名前、考えて♪」
このまま帰ったらなんかフィリスあたりからすごく何か言われそうな気もするが、この場にいても問題は山積みだ。
とりあえずこの新生した女神様に名前を付けるところからスタート。
インスピレーションに任せてみる。
「『リヴリア』」
「ん? どんな意味?」
「なんとなく? いや、生き返りとか最誕とか、そういう意味の『リヴァイヴ』をもじったような気がする」
「納得」
ぱっと思いついたにしてはいい名前じゃないだろうか。
略称は『リア』になるのだろうか。うん、いい感じだと思う。
「じゃあこれでいいか?」
「大丈夫」
こうして名前は揉めることなくあっさり決まった。
この後の事は後で考えるとして、もう日が変わっているけど、明日のために早く帰って少し寝よう。
俺はリアに抱えてもらい、≪指定位置転移≫を使用。能力ダウンの影響を受けない魔法なので、効果はちゃんと発動した。フィリス邸の自室に転移する。
……このままここで寝るか。
翌日マードックさんに怒られる気がするが、気にしたら負けだと思う。
朝になり、眠かったがいつものように厨房に行き朝ご飯を仕込む。
なんか、同僚ご一行の挙動が不審だったが気にしない。全員分の朝ご飯を仕込み、自分たちも賄いを食べる。途中でリアも来たから一緒に食べる。
みんなはリアを見るのは初めてだったか。あまりちゃんとした説明はできないので俺が面倒をみる事になった人だと軽めに説明して、ご飯を食べる。
ご飯を食べ終えたら二度寝をする。リアに昼前には起こすように頼んでベッドにダイブ。
「……起きて」
昼。寝ていたらなんか体を揺すられ起こされようとしている。
けっこう長い時間寝ていたし、頭の中はすっきりしている。ここは抵抗なく起きようと目を開ければ目の前にティアの顔がドアップで。
「ちゅ~~」
「ん~~!?」
いきなりキスをされた。
なにごとですか? なにがおきていますか?
「目覚めのちゅう」
「キャラ変わりすぎだろ!」
ばっちり目覚めた俺の叫びが木霊する。
バタバタと誰かの走る音。扉が勢い良く開かれリア参上。
「曲者!?」
「わたし、この家の娘です~」
ティアは俺の首に両手を回してがっちり固定。抵抗の姿勢を見せる。
しかし幼女に抱きつかれた俺を見てリアの何かが吹っ切れたようだ。リアはティアを摘まむと固定された両手をあっさり解除。そのまま部屋の外に放り出した。
ドアを閉めて閉めだし完了。魔法も使い絶対に開かないようにされた。
俺はリアの放つプレッシャーに押されて動けずにいた。
「アルはロリコンじゃない」
「お、おお」
「さっきのあれは何?」
「いや、俺も起きたらああなって、何が何だか」
「信じていい?」
「いい。信じてくれ。俺は無実だ」
短いやり取りではあるが、一応は信じてくれるらしい。プレッシャーは収まった。
しかし、先ほどのティアのように両手で抱きつく。
「ロリコン菌の消毒」
お互い、そのままじっとしている。
正直胸の感触が伝わって俺は平静を保てないし、リアも慣れない事をしている自覚はあるのかちらりと横顔を見れば真っ赤になっている。
「そういえば、時間は?」
このままというのも気まずく、何か話題を振ってみた。
「昼まであと1時間ぐらい。このまま3度寝は勧めない」
「もう眠くないから大丈夫。着替えるから離して」
寝ないと決めた事で一回着替えることにした。
今日の予定は外に行ってレオナールさんのところで≪彫金≫講習。そろそろ俺が教える事ができる範囲も終わるし、きちんとやらないと。
昼飯時にはティアだけじゃなくフィリスも乱入したが、細かい話はまた後でと逃げておいた。
外に出てから気が付いたが、フィリスのとこに帰っている事実に思い至る。
あー、眠かったし思考能力が落ちてるからボケた事やっちゃったな。
用事がすんだらマードックさんのところに顔、出さないとなぁ。
読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。
リヴリアって名前、検索すると馬の名前が出てきますが他意はありません。




