表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニートに恋愛ゲームはイジメです  作者: 猫の人
1章 入学前、出会いの嵐
13/231

リザルト:同郷?の人

昨日の発言を翻し、今日も投稿。

 暗殺向けに、隠密関係のクラスと速度強化のクラスばかり取っていたのかね? 襲撃者は苦戦することもなく撃退できた。警備兵をあっさり倒していたのは短剣に速攻性の高い麻痺毒を使っていた模様。専用の毒消し以外だと回復するのに時間がかかるみたい。まあ、俺が魔法で直せば一発なんだけど、それをする理由もないので放置する。

 ちなみに、襲撃者は生きてます。情報を引き出したいからね。


 でも、それは護衛さんらのお仕事。あんまり事情を知るのも、ねぇ。後が怖い。

 今、俺の目の前には笑顔の領主様(ティア母)。護衛は最後まで残っていた一人だけ。この部屋はたった3人だけです。とっても助かります。

 たぶん、あんまり人に聞かせたくない話でもするつもりなのか。理由はともかく双方の意見が一致するのはいいことだよね。



「娘に続き、私まで助けてもらうとは思わなかったわ。本当にありがとう」


 目の前の美人さん(領主様)はなるほどティアの母親だろう。

 髪の色はティアの親だからというか、種族的なものだから護衛さんも含めて皆同じ薄紅色。だからサラサラ感が同じだと言っておこう。夜だし結ってはいるが、なんとなくわかる。

 顔も『ティアが大きくなったらこうなるのかな』と思わせる整った顔立ち。柔和といった印象を受ける。

 そしてティアに受け継がれるかわからないグラビアアイドル並みのプロポーション。まだ二十歳だし、来ているのが薄手の夜着に一枚羽織っただけの簡素な格好だから目のやり場に困ってしまう。

 ニコニコと裏表のない笑顔を見せる領主様は意外とフランクに話しかけてくれた。そういえば、貴族に見初められてこんな事(領主)をやっているけど、元冒険者だったか。


「貴方はもう知っているようだけど、改めて名乗るわね。セレスティアのお母さんで未亡人のフィリスよ。娘共々、よろしくね」


 微妙に反応に困る名乗りだ。普通、領主ってこととか白楼族の族長ってところを入れないか?


「……」


 笑顔はそのままなんだけど、何かこちらに期待する顔をしている。

 ああ、名乗り待ちか。


「この街の住人として当然のことを下までです、領主様。私は……」


 そこでふと気がつく。

 今まで、俺は誰かに名前を教えたことがあったか?

 マードックさんにすら、してない。マードックさんとは養子として付き合いも長くなり共同生活をしている関係だ。普通、名前ぐらいは教えて然るべきじゃないか? それがなぜ名無しで通している?

 他のメンツにしてもそうだ。ティアはこちらを御使い様と呼び、名前を聞こうとしなかった。仕事先では「坊主」「マードックのガキ」で通るため、やはり誰も名前を聞いてこなかった。

 一人二人がそうであれば不思議はない。だが、数ヶ月誰からも名前を聞かれないなんてことがあるのか?



 それよりも(・・・・)俺は自分の名前を(・・・・・・・・)覚えていない(・・・・・・)



 俺のリアルでの名前は工藤 真樹。

 大丈夫。そっち(・・・)は覚えている(・・)

 だが、今の名前、ゲームキャラに名付けた名前がステータスウィンドウにすら載っていない(・・・・・・)

 むしろ、ステータスウィンドウには名前の項目がない(・・・・・)


 あまりのことに完全に思考が停止した。

 血の気が引き、顔色が青く変わったと自覚できるレベル。自分の立ち位置が、異世界にいるという不幸の影響がどこまでなのか分からず、恐怖する。


 今は名前がないことに気がついた。

 他にも何か失っていないか?

 影響が名前だけなのか、保証はない(・・)



「どうしたの? ねぇ、大丈夫?」


 俺が押し黙り、蒼白になったことで領主様は慌てて声をかけてくれる。

 その言葉でなんとか思考を中断し、平静さをわずかだが取り戻すことに成功する。未だ思考の一部は混乱してまともに動かないが、それでもさっきよりはずいぶんマシだ。


 ふぅ、と息をついて再起動。会話を再開しよう。


「私には名前がありません。そしてなぜか、そのことを誰も疑問に思わなかったようです。お恥ずかしい話ですが私自身、今聞かれるまで気が付けずにいました」


 今の自分にこのことを隠し通す精神的余裕はない。素直に事情を話してみる。

 領主様はそのことに驚きながらも、どこか納得した表情を見せる。


「なるほど……どうりであの子達が名前を調べきれなかったわけね。新しい疑問が出てきたけど、今は置いておきましょうか」


 領主様はこちらの告白を考えても仕方のないことだとスパっと切り捨てた。さすがに決断力は俺じゃあ比較対象にならないぐらいにすごいね。

 でも、なんで目がキラキラしているんだ?


「名前、私が決めちゃってもいいかしら?」


 ……はい?


「あら。だってあなたはいずれ私の息子になるんですもの。じゃあ、(未来の)親である私が名前を付けるのは当然の権利じゃないかしら」

「なんですかその無茶苦茶理論。っていうか思い出した。アンタ、娘に何とんでもないことを教えこんでるよ」


 こちらの斜め上を行く発想に、思わず「素」の口調で喋ってしまう。当然、無礼だからと護衛さんが何か言うかと思ったが完全にスルー。きっと、ティアの(夜の)勉強に付き合わされたんだよこの人。で、自分が言いたいことを言ってくれているからスルーしているんだ。


「娘のことは今はいいの。それより今はあなたの名前よ。何がいいかしら……?」


 こっちのツッコミを完全スルー。絶対に人の話を聞かないタイプだ。

 ブツブツとつぶやく名前は覚えがある範囲だとキリスト教の聖人様のお名前とか、教会関係が多い。ただ、〇ーザスはやめてください殺し屋じゃないんだから。

 しばらくすると今度はなぜか日本車、〇ツダ系列の名前が。〇イアースはある意味魔法剣士には美味しい名前かもしれないけど、ネタすぎるので止めてください。

 このネーミングセンスだけ見ると、この人日本人じゃね?って疑問が湧いてくる。一応、聞くだけ聞くか?


「そこの暴走奥さんよ、実はあんた日本人じゃね?」


 言われたティア母は顔の前で手を振り「違う違う」とジェスチャーで伝える。顔はこっちをむいてない。


「私の生まれはフランスー。ミーはおフランス生まれザンス」


 地球人ってくくりは間違ってなかったか。

 そしてなぜフランス人がおそ松く〇ネタを!

読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。


フィリスはネタキャラです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ