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ニートに恋愛ゲームはイジメです  作者: 猫の人
3章 クエスト攻略、逆攻略
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幕間:水着回に向けて

※ここで書かれた水着は、予告なく変更される可能性があります。

「じゃあ、自由に選んでいいわ。先着順だけど、あんまり暴れるようなら、その人は無しにするからね」

「「「はい!!!」」」

「後でアル君にお礼を言いなさいよ~~……って、誰も聞いてないかな?」


 色とりどりな水着に皆のテンションが上がりすぎたみたい。

 様々な水着の中から1着だけタダで貰えるのって、女性兵士(この娘)達にとっては大きなチャンスなんだから。

 伯爵家直属兵(うち)のお給料、薄給じゃないはずなんだけどな? どうしてここまで目の色を変えるのかな?


 水着選びではなく水着奪いを眺めながら、(フィリス)はため息をついた。



 基本的に中世ヨーロッパをベースにしているはずの「王立ルースニア学園」だけど、下着とか食事関係は現代を基準にしてるわ。私たちが身に付けているブラやショーツって、近代になってようやく登場するのになぜこの世界にあるのか。VRゲームとはいえ、無いと困るからなのよね。食事も当時の食事を忠実に再現すると悲惨な事になるだろうから、やっぱり現代の料理を提供できるように世界を設定してあるし。ホント、ご都合主義に助けられてるわよね。



 そんな中、水着だけは扱いが違うのよ。

 ちょっと高級品扱いなのかな。他の衣類よりかなり高めに設定されてるの。金貨3枚ぐらいだっけ? 普段の店に行かないからあんまり覚えてないなぁ。とにかく高いの。


 そうなると、水着イベントがレアになっちゃうわけなのよ。


 頑張ってお金を貯めるか、1週目を諦めて2週目以降の楽しみにするか。プレイヤー時代はいっぱい考えたなぁ。

 それを初期のクエスト報酬で貰うアル君は引きが強いんだけど、本人に自覚は無いよね、あれは。


 そういえばアル君ってなんでもできるし、水着も自作できそう。≪自動サイズ調整≫って付与をすればサイズを教えなくても大丈夫だし。私は直接作ってもらおうかな? ううん、どうせならサイズを教えて作ってもらおうかな。他の娘みたいにイベント景品じゃなくて私専用の手作り水着。そっちの方が響きもいいし。



 もう6月半ば。そろそろ暑くなる時期だし、ちょっと楽しみが増えたかな。





 もうすぐ夏という事で、アルヴィースさんから水着をいただきました。

 本命は迦月様でしょうが一番話しやすいのはこの私 楓であるという理由で、私が3人分の水着を預かっています。渡されたものは一人5種類ぐらいの水着。迦月様のだけちょっと多めなのはいいですね。分かってます。


 さっそく一人一つまで選び、迦月様のもとへお届けします。



「本当に、妾にこれを身につけろと? 紐ではないか!!」

「私のは……ワンピースタイプですね。露出が少ないのは構いませんが、フリルが多すぎませんか?」

「まあまあ、露出が気になるようでしたらパレオもお付けしますよ。せっかくアル君が贈ってくれたんですから、ちゃんと着てくださいね~」


 アルヴィースさんがいくつも持ってきた水着の中から迦月様と莉理ちゃんに似合いそうなのを選んだんだけど、不評みたいですねー。

 お嬢様には普通のビキニ、莉理ちゃんにはかわいい系のワンピース。自分の分にはおへその見えるタンキニ。迦月様は私達と同い年なんだけど、背と、胸の都合でずいぶん若く見られるのよね。その分色気は露出でカバーしないと。アルヴィースさんを捕まえるのは難しいと思った訳です。

 莉理ちゃんには目配せしたから私の意図は伝わっているはず。私たちは添え物にならなきゃ駄目なの。露出を押さえて、ちょっと似合わない水着で我慢して、迦月様だけを見てもらわないといけないのです。



 私たちは迦月様のお供でこのセイレン学園に入学したけど、一番の目的は迦月様の婿探し。

 剣に限らないけど、とにかく戦士と言える方を探しに来ました。

 しかし、質の低い方ばかり。あまりの酷さに泣きそうになりました。


 そこそこ剣の腕がたつ方はほとんど人格面に問題があり論外。数少ない例外もお年を召した方が多く、残念ながら候補から外しました。迦月様が17歳なので、できれば27歳まで。そう莉理ちゃんと決めていましたから。



 そうなると、ある程度若くて才能のある方を育てるのが最善という結論になります。

 私と莉理ちゃんが目をつけたのはアルヴィースさん。今お世話になっているアラド伯爵の食客なのですよ。

 戦い方は魔法よりなんですけど、中級剣技を使えるし、11歳と若いからこれから育てれば上級剣技にはすぐに届くでしょう。他にも色々できるから、とってもお買い得なのですよ。


 ですが、迦月様はあまり乗り気でない、いいえ、意識して対象外とみています。おそらく、アラド伯爵か娘のティアちゃんに遠慮しているのです。

 私達の故国ウルスラも一夫多妻は常識なのですが、アルヴィースさんを国に連れて帰る事を考えると躊躇してしまうのです。



 甘いです!!

 激甘なのです!!

 いい男というのは常に奪い合い、情け無用の勝負なのです!!

 遠慮なんてしてはいけません!!!!


 時間が無いんですよ!?

 この街にいられる2年間で相手とゴールインが目標なのに!!

 あの鬱陶しい自称婚約者がいるというのに!

 あんなのを主と仰ぐなんて、私は嫌です!!


 こんな時にはおじい様がいてくれれば、と思います。

 迦月様の世話役を長く務め、信頼あるおじい様の言葉なら迦月様も無碍にはしないでしょう。

 私達に親愛の情はあっても大局を見る目という意味では信用を得ていません。


 なによりお互いに恋人がいない事は長い付き合いだから筒抜けなのだし。「男を見る目」を信用してもらえないのはしょうがないです。

 でも、あれよりマシなのは確定ですから、キープしておくべきだと言ったら怒られました。迦月様は危機感がありません。まあ、私も「そこらにいる誰もがあれよりマシじゃ」と言われたら思わず頷いてしまいましたが。



 今はアルヴィースさんへのアピールとは言わず、迦月様には女性らしさを磨く修練と称して乗せています。


「ちなみに、他の水着は不要と返しちゃいました。諦めて来てくださいね、迦月様」

「なんじゃとぉ!?」

「せっかくの贈り物を使わない、なんて不義理はしませんよね?」

「うぬぬ……」

「は~い、じゃあ試着しましょうか~」


 本当に大事なところは譲らないですけど、ちょっとしたお願いなら簡単に聞いてくれるから迦月様は「いい人」なんですよね。将来が心配になるほど。

 私と莉理ちゃんの苦労も当分続きそうです。

読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。


8月24日 誤字・文章修正

× わたしも「そこらいいる誰もがあれよりマシじゃ」と言われたら →

○ 私も「そこらにいる誰もがあれよりマシじゃ」と言われたら

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