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アーティファクト・ギア  作者: 天道
第7章 千年京都編
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第86話 地上組の戦い

天音たちが妖魔城に向かっているときのみんなの戦いです。

side恭弥&雷花


天音達が妖魔城に向かっている時、俺達迎撃組は妖魔城から零れ落ちるように次々と現れる妖怪達を倒しに向かう。

『恭弥、これを使え!金斗雲!!』

悟空は師匠の仙人から教えてもらった雲に乗る術を使い、金色の小さな雲を呼びだした。

本来なら悟空達神仙にしか乗れない金斗雲だが、俺は木の精霊であるドリュアスの血を継いだ混血で体が僅かだが精霊になっている。

それ故にこの金斗雲に乗ることが出来る。

「行くぜ、悟空!」

『久々の妖怪退治だ……派手に暴れてやるぜ!』

悟空と契約し、如意金箍棒を構えて金斗雲に乗って空を飛ぶ。

『ガハハ!ならばワシはこれじゃ!』

トールはトールハンマーを掲げると、一筋の落雷が落ちてきた。

落雷と共に落ちてきたのは人を乗せる昔の戦車とそれを引っ張る二匹のヤギだった。

『『メェー!!』』

『タングリスニ、タングニョースト。頼むぞ!』

それはトールの持つ神の財産の一つで、再生を持つ二匹の魔法のヤギだ。

『乗れ、雷花!』

「うん……!」

雷花はトールと一緒に戦車に乗り、トールが手綱を持つとタングリスニとタングニョーストが戦車を引っ張って俺と共に空を駆け抜ける。

「伸びろ、如意棒!」

『蹴散らせ!!』

如意金箍棒を俺が操れる限界まで伸ばしながら妖怪達を叩き潰していく。

『全力で行くぞ、雷花!』

「うん。雷よ……解き放て!!」

トールはトールハンマーを振りまくりながら雷神の雷撃を四方八方に放ち、雷花はトールが放つ雷撃を自分の体にチャージしながら雷の砲撃を放っていく。

雷神の混血で自由自在に雷を操れる雷花はあえてライトニング・トール・ハンマーを使わずに、トールと一緒に効率良く妖怪を倒す戦法にしたんだ。

確かにこれなら対多数の戦法としてかなり有効だ。

「俺達も負けてられないな、悟空!」

『ああ!思いっきりやれ!』

俺も雷花やトールに負けないように気合いを入れ直して如意棒を操った。



side雫&迅


「アンリミテッド・グングニール・ファンタジア!!!」

最初から私はユニコーン・ザ・グングニールの奥の手である無限の神槍を作り出してその内の一本に乗って飛び、天空から現れた妖魔城から蔓延る妖怪達を退治していきます。

「雫、あまり無茶をするな……」

迅はイージス・オブ・ペガサスから生える天馬の翼で空を飛びながら私にそう注意をします。

きっと私を心配しているのでしょう。

「ご心配なさらずとも大丈夫です。無限の神槍は完全に使いこなしましたから!」

アリス先生のご指導の元、アンリミテッド・グングニール・ファンタジアは私の手足のように使いこなすことが可能になりました。

その際、アリス先生からこんな言葉をいただきました。

『あなたのユニコーン・ザ・グングニールのギアーズ・オーバードライブだけど、その姿が終着点じゃなくてまだまだ進化するわね』

驚きましたが私のユニコーン・ザ・グングニールはまだ進化する可能性がある。

つまり、私とソフィーは今よりもっともっと強くなる。

そのために……。

「ソフィー、私達の絆を更に強くしますわよ!!」

『ブルゥッ!ヒヒィーン!!』

戦いを積み重ねてソフィーとの絆を強めていき、新たなギアーズ・オーバードライブを発現させます。

「全く……お前は本当に無茶ばかりをする!!」

迅は右腕の破魔之御剣を顕現させ、その鋭い刃で次々と斬っていきます。

空中にいる妖怪達は空を飛ぶ事が出来る私達が対処をしていますが、それでも私達の攻撃をかいくぐり、京都の地に降り立立とうとする妖怪達がいます。

ですが、それについては問題ありません。

何故なら、京都には……。

「輝け、偉大なる王の聖剣!民と国を守る聖なる光の刃となり、邪悪なる力を斬り裂け!!」

偉大なる騎士王……セシリア様がいらっしゃいますから。

「みんな、危ないから退いてろ……シャイニング・XX・カリバー、全魔力解放!!!」

京都の建物の上から大量の魔力を吸収してから解放した光り輝くシャイニング・XX・カリバーを構えたセシリアが妖怪達の大群に向けて光の斬撃を放ちました。

「シャイニング・セイヴァー!!!」

放たれた光の斬撃は妖怪達を一瞬で塵にしてしまい、一気にその数を減らしました。

流石としか言葉が見つかりませんでした。

そして、光の斬撃は妖怪達を塵にするに留まらず、そのまま敵の本拠地である妖魔城の一部を破壊してしまいました。

「あっ、やべぇ……妖魔城にいる千歳に当たってないよな……?」

セシリア様は光の斬撃の威力が強すぎたのは予想外らしく、慌てていましたが、千歳さんは多分大丈夫だと思います。

私の持論ですが、無限の愛があればどんな事も乗り越えられます!

だから、千歳さんに天音さんがいる限りそう簡単に死なないと思います。

千歳さん……天音さんが迎えに行くまで頑張ってください!



side勇刀&歳光


関東とイギリスから来た皆さんは素晴らしい才能を秘めているらしく、次々と妖魔城から溢れ出る妖怪達を倒していってる。

「これは俺達の出番はないかもなぁ!」

「笑い事ではありません。それに……どうやら倒し損なったのが来てますよ」

歳光は鬼の副局長へと雰囲気を変えて刀を抜いた。

「おや?これはいかんな。とっしー、ラブラブ旅行中の“あいつら”を呼ぶかな」

「こうなったら仕方ありませんよね……後で愚痴を言われますが」

ため息をつきながら歳光は俺と一緒に懐から牙のペンダントを取りだした。

「現れよ、“前鬼・善童鬼”!!」

「来たれ、“後鬼・妙童鬼”!!」

二つの牙から赤と青の光が放たれ、俺と歳光の前に陣が現れる。

『ったく、こんな時に呼ぶなんてお頭も人が悪いな……』

『もう、せっかく旦那様と温泉を楽しんでいたのに……』

陣の中から現れたのは派手な赤い服を着た赤い髪と目を持つ男性と、落ち着いた青い服を着た青い髪と目を持つ女性だった。

二人共とても顔の形が整った美形だが……二人の頭には見事な鬼の角が生えていた。

二人から放たれる妖気に圧倒され、地上に降り立った妖怪達は動けなかった。

「すまないな、善童鬼。せっかくの旅行を邪魔してしまって」

「妙童鬼、仕事だ……働いて貰う」

二人は俺と歳光の契約聖獣で、見た目は人間だがその正体は鬼の夫婦である『前鬼・後鬼』だ。

夫の前鬼が俺の相棒で、妻の後鬼は歳光の相棒だ。

二人は仲睦まじい夫婦でいつも一緒にいる。

一時は聖獣召喚で離れ離れになるかと思ったが、俺と歳光が一緒に召喚したお陰でその心配はなくなった。

善童鬼と妙童鬼は俺と歳光を見ると、何を考えたのかニヤニヤしながら相談をし、そのまま俺たちの契約聖獣となった。

そして、今は二人でラブラブしながらの旅行中だったが無理して来てもらった。

俺も刀を抜き、歳光と一緒に契約をする。

「行くぜ、とっしー!契約執行!前鬼・善童鬼!!」

「だから、とっしー言うなぁ!!契約執行!後鬼・妙童鬼!!」

俺ととっしーは互いの持つ二つの愛刀と二人の鬼を契約をする。

二人の体が粒子となり、俺達の愛刀と一つとなると、一つの炎と氷の波が周囲へ広がった。

そして、俺と歳光の手には赤と青の刀が現れる。

「アーティファクト・ギア、“鬼刃烈火(きじんれっか)”!!」

「アーティファクト・ギア、“鬼刃氷河(きじんひょうが)”!!」

俺は火の刀で歳光は氷の刀……相反する二つの属性の刀型アーティファクト・ギアが姿を現す。

「行くぞ、歳光!!」

「とっしー言う――えっ!?」

歳光は徒名ではなくちゃんと名前で呼ばれて一瞬キョトンとしたが、すぐに輝くような笑みを浮かべて返事をする。

「は、はい!勇刀さん!!」

長年共に過ごしてきた最も信頼出来る歳光と共に俺は妖怪達を退治しに向かう。



side総詞&一士&刀華&輝刃


「あはは。土方さん、楽しそうですね〜」

「副局長は、局長の嫁だからな……」

土方さんはツンデレであまり自分の気持ちに正直じゃありませんが、近藤さんのことをずっと大好きなんですよね〜。

隊士のみんなから見たら一目瞭然なのに、本人は否定していてそこがまた土方さんの可愛いところなんですよ。

だけど、近藤さんは天然の鈍感さんで土方さんの気持ちに全く気付いていません。

「おっ?沙羅と八千代が暴れているな……」

斎藤さんが見ている先では新選組でも仲のよいコンビとして有名な原田さんと永倉さんが暴れていました。

「うぉおおおおおっ!!雫に負けてられないぜぇええええええっ!!」

「うひゃあ!?さ、沙羅!幾ら何でも飛ばし過ぎやでぇ!!」

関東の雨月雫さんをライバル視している原田さんは負けじと全力で妖怪達をバンバン倒していき、永倉さんがフォローしています。

「お二人さん、四時の方向にかなり大型の妖怪がいます!」

一方、近くにいる藤堂さんが原田さんと永倉さんに妖怪の情報を伝えました。

「おう!?よっしゃあ、次の獲物だぁ!!」

「平ちゃん!今の沙羅に余計なことを言わないでぇ〜!!」

何か大暴れをする原田さんに振り回される永倉さんが可哀想に見えますね……藤堂さんは楽しそうに笑いながら付いて行っていますが。

「そろそろ僕達も行きますか?」

「待て。輝刃と刀華が……」

「えっ?」

少し離れた場所で刀華と輝刃がジッと空を見上げていました。

二人の視線の先には肉体の一部を刀剣にする同じ御剣の力を持つ御剣迅さんが戦っていました。

そう言えば、戦の前に迅さんは二人に……。




「俺の戦いを見ていろ。御剣一族の戦いを……主の剣として戦う、その姿を目に焼き付けろ……」




と言っていましたね。

無理やり引き出された力だとしても、二人にとって御剣の力は己自身の力に変わりないですからね。

御剣さんの戦いを見た刀華は右腕を、輝刃は左腕を上へと掲げました。

「「……解刃!!」」

二人は願うように叫ぶと、掲げた腕が一瞬で鋭くも美しい刀剣となりました。

私と斎藤さんは二人の元へ行き、後ろから両肩に手を添えました。

「刀華、行きますか?」

「うん!」

「輝刃……行けるか?」

「はい!」

私と斎藤さんは刀を抜き、刀華と輝刃と一緒に契約をします。

「「契約執行!!」」

いつもはそのまま動かずに契約をする刀華と輝刃でしたが、今日は違っていて腕に現れた御剣を綺麗に振りながら舞を踊るように動きました。

そして、刀華と輝刃は私と斉藤さんの刀と一つになり、兄妹剣がここに誕生しました。

「アーティファクト・ギア、刀神彩華!!!」

「アーティファクト・ギア、刀神星華!!!」

デザインがほぼ同じの刀型アーティファクト・ギア、刀神彩華と刀神星華が並びました。

私は刀神彩華を右手で構え、斉藤さんは刀神星華を左手で持ちながら得意の『左片手一本突き』の構えをします。

「行くぞ、輝刃!」

『はい!一士兄さん!』

「穿て……星牙流閃(せいがりゅうせん)!!」

刀神星華から星のような光が放たれ、走り出した斉藤さんの左片手一本突きが炸裂し、流星の如き一撃で次々と妖怪達を貫いていきました。

「うわぁ!相変わらず綺麗ですね〜。刀華、僕達も行きましょう!」

『うん!総詞お姉ちゃん!』

私も斉藤さんと輝刃に続いて妖怪達を倒しに走り出しました。

あまり体力は無い方なんですが、今日は調子がよくテンションも上がっているから新選組一番隊組長の名に恥じない戦いが出来そうです!




.


次回は天音たちが妖魔城に侵入します。

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