第84話 戦の前の静けさ
戦いの前のイベントです。
天音たちがどう行動していくか見ものです。
後半はピンチをさらにあげるイベントです。
※AGのCVが決定しました。
後書きで発表します。
現在、ここ新撰組のアジトにてセシリア率いる英国騎士団、そしてアリス先生率いる冒険部による緊急会議が開かれた。
怪我をした総詞と晴香も無事に復帰し、この会議に参加していた。
九尾の妖狐・金羅による京都滅亡及び侵略計画……聖霊界にあると言われる滅びた妖魔達の住む城・妖魔城を京都の上空に呼び出して、日本最強の鬼・酒呑童子を蘇らせようとしていた。
「仮に酒呑童子が蘇ったら、それと同時に邪悪な妖魔達が蘇ってしまうわ」
そうなったらこの京都は確実に滅亡し、妖魔達の世界になってしまう。
京都の治安を守る新撰組局長の近藤さんはある決断を下す。
「第一種警戒態勢!すぐに新撰組全隊士に通達せよ!これより、京都を妖魔達から守護するぞ!!」
近藤さんの決断に、新撰組の組長と隊士達は頷いた。
新撰組は京都を守るために妖魔と戦うことを決意した。
一方、アリス先生は隣に座っている冒険部部長の恭弥に呟くような声で尋ねた。
「さて、恭弥。あなたはどうするのかしら?」
「どうするって、千歳がさらわれたんだ。助けなくちゃならないからな……」
「だけど、新撰組の組長に陰陽師の安倍晴香、そして天音が勝てなかったのよ?」
「その天音は眠ったまんまか……正直キツいよな」
「関東の皆さん、無理しなくていいんだぞ」
近藤さんは恭弥達にそう言った。
「勇刀……?」
「今回の件は俺達に任せて京都の住民と一緒に避難してもいいんだぞ?」
「だけど、このまま見過ごすわけには……」
恭弥は未知なる強大な敵を相手に不安になっていた。
行くなら……今しかないな!
「その会議、俺達にも参加させてくれ!!!」
襖を思いっきり開けて会議室に殴り込むように入った。
堂々と入ったが、みんなが天装衣を纏った俺を見て、最初に言った言葉は……。
『『『……誰!?』』』
「え、えぇーっ!?」
まさかみんなに誰だと言われるなんて思わなかった。
そして、いち早く気づいてくれたのはセシリアだった。
「も、もしかして、アマネなのか!?」
「あ、ああ。そうだけど……?」
「どうしたんだよ、アマネ!大和撫子であんなに可愛かったお前がかっこよくなるなんて驚きだぞ!!」
セシリア、余計な事を言い過ぎです。
みんなも同様な感想なのか、うんうんと頷きまくっている。
「蓮宮一族は相変わらず恐いわね……」
「おいおい、あんなにカッコいいなんて反則だろ!?」
「流石は天音さん、激写しなければ……!!」
「素敵ですわ、天音さん!」
「恐るべし……蓮宮……」
「親方様、かっこいいでござる」
「奥方様にも早く見せたいです」
「これ、更に天音のファンが増えるんじゃねえか?」
「私もファンクラブに入ろうかな〜?」
冒険部の皆さんは何を言っているんだ……?
「とっしー、可愛い男の子だと思っていたが、こんなにかっこよくなるなんて反則じゃないか!?」
「え、ええ……私も不覚にドキッとなってしまいました……」
「あの土方さんがキュンとなるなんて珍しいですね〜。よし、天音さんを新撰組にスカウトしましょう!!」
新撰組の皆さんは何を仰っているんですか!?
そして最後に晴香は……。
「ダ、ダメ……蓮宮天音なんかに……蓮宮天音なんかに絶対振り向かない!!」
振り向かないって、一体何のことだよ?
この紅の天装衣でそんなにも俺のイメージが変わってしまうのか?
それはともかく、今の自分の気持ちをみんなに伝えよう。
「俺はみんなと一緒に京都を守るために戦うつもりはない」
その言葉に会議室にいるみんながざわめいた。
あまりにも自分勝手な話だからざわめくのも当然だろう。
誰かに批判されるのも覚悟の上で言っている。
「自分勝手な我が儘だけど、俺の目的はただ一つ。今夜現れる妖魔城に殴り込んで金羅を倒し、千歳と銀羅を助け出す」
俺の気持ちに同意するかのように璃音兄さん、花音姉さん、風音が前に出る。
「これは俺達の当主、蓮宮十三代目当主が決めたことだ」
「当主の決定は、蓮宮一族の決定へ繋がります」
「あなた達が許さなくても、私達は……“蓮宮千歳”さんと“蓮宮銀羅”さんを救い出します!」
蓮宮一族の全てを尽くしてでも俺達は千歳と銀羅を必ず救い出すつもりだ。
「おっと、ちょっと待ちな!」
その時、恭弥が立ち上がって止めた。
恭弥だけではなく冒険部のみんなが立ち上がった。
「天音だけに辛い戦いはさせないぜ。俺は……いや、俺達も千歳と銀羅を助けるために一緒に戦うぜ!!」
「千歳さんは大切な友達、必ず助ける……!」
「恭弥、雷花さん……」
恭弥と雷花さんは俺の手を握って共に戦う決意をしてくれた。
「親方様、奥方様を救うために拙者の命をお使いください!」
「旦那様、奥様をお救いするためなら私の命を幾らでも捧げます!」
「刹那、麗奈……」
刹那と麗奈は俺の前で跪き、忍者として改めて俺に忠誠を誓った。
「天音さん、千歳さんを助けるために私の槍をお貸ししますわ!」
「蓮宮……雫が槍を貸すなら、俺の盾をお前に貸そう……」
「雫先輩、迅先輩……」
雫先輩と迅先輩は俺の肩に手を置いて力を貸してくれると言ってくれた。
「天音。断罪者ではなく、仲間として千歳を助ける手伝いをするよ!」
「成り行きだけど、天音君のフィアンセを助けようか!」
「サクラ、明日奈さん……」
サクラと明日奈さんはニッと笑みを浮かべてグッドサインを見せる。
「あらあら……これは私も決意を見せなくちゃね。天音、私の魔女としての力を幾らでも使いなさい。私達冒険部の力を貸すんだから、必ず千歳と銀羅を助けなさいよ!」
「アリス先生……はい!!!」
アリス先生も千歳と銀羅を助けるために力を貸してくれる。
今の俺にはこんなにも頼れる仲間達と家族達が側にいてくれる……俺は、みんなと一緒に千歳と銀羅を必ず助ける!!!
しかし、俺達のこの決意を快く思わない人がいた。
「待て貴様等!そんな勝手な事を決めるなんて許さないぞ!!」
声を上げて言ったのは土方さんだった。
「そうだぞ。勝手に決めるな、アマネ!」
「そうだ。騎士王様もこう言っ――」
「私達英国騎士団の全てもアマネに貸すぞ!!」
「――えぇーっ!?」
セシリアは止めるのではなく俺達に力を貸すと宣言した。
蓮宮家と冒険部、そして英国騎士団が俺に力を貸してくれる事となった。
「こ、近藤さん!あなたからも何か言ってください!」
これほどの戦力が勝手に動かれると本当に困るのか、土方さんは止めようとした。
しかし、近藤さんは平然とした様子で、
「んー?いいんじゃないか?」
「ふぇええぇーっ!?」
近藤さんはあっさりと俺達の行動を許してしまった。
「近藤さぁん!あんたは何を言ってはるんですかぁ!?」
「とっしー、戦に勝つための方法で、真っ先に敵の大将を討つのがあるじゃないか」
「なるほど、大将を討って下にいる部下の戦意を損失させて戦に勝つですねー?」
総詞が思いついたように言い、近藤さんが頷く。
「正直のところ、俺達新選組で九尾を倒せるかどうかは分からない。だが、可能性があるとしたら関東から来た蓮宮達しかいない……だから!!」
近藤さんの持つ愛刀で畳を強く叩いて立ち上がり、新撰組代表としてを気持ちを託す。
「京都に襲いかかる妖怪達は俺達新撰組が食い止める!!だがら、お前達は必ず金羅を倒し、千歳さんと銀羅を救え!!!」
会ってまだ間もないのに俺達の事を信じてくれた近藤さんの言葉に感動した。
「近藤さん……ありがとうございます」
「近藤さんなんて止めてくれ。俺のことは勇刀と呼んでくれよ、天音」
「わかった……ありがとう、勇刀!!」
「おうよ!」
「はぁ……全く、近藤さんは相変わらずなんだから」
そして、ため息を吐きながらも副局長として、新選組のアジトと京都の各地にいる新選組隊士に向けて作戦に向けた準備を指示する。
「新選組全隊士に告ぐ!組を二つに分け、一つ天聖学園関西校の生徒・教師、及び京都府警の協力の下、京都の住人の避難。もう一つは武器の整備と戦闘準備だ!!」
「さあ……新選組の野郎共と淑女の皆さん!急いで行動に移すぞ。新選組創設以来の大戦だぞ!!」
『『『おぉーっ!!』』』
『『『はいっ!!』』』
最後の締めの一言を勇刀を言うと、新選組隊士の声が響いた。
この新選組と言う名の一つの組織の団結力の強さがよく分かる声だった。
すると、一人だけ静かにしている少女がスッとこの場から立ち去るように出て行った。
「……晴香?」
俺は晴香を呼び止めると、
「私には金羅を倒すことは出来なかった。だから、あなた達とは別の役目を果たすことにする」
「別の役目?」
「金羅はあなた達、京都に現れる妖魔は新選組。私は陰陽師としての役目を果たす。次に会う時は戦いが終わった後になる……天音」
「何だ?」
「必ず、千歳と銀羅を救って。まだ私は謝罪の言葉すら言ってないんだから……」
「ああ。必ず」
「じゃあ、待たね」
晴香は軽く手を振ると、周りに十二天将が現れ、アジトから霞のように姿を消してしまった。
晴香が何をするのか分からないけど、今は俺達と志は一緒のはずだから、晴香を信じることにした。
「それじゃあ、俺はその時までみんなのご飯を作るか」
イギリスの時と同じようにみんなが戦いを万全に迎えられるように俺はスタミナのある料理を作ることに専念した。
待っていろよ、千歳、銀羅……必ず助けるからな!
☆
銀羅side
目を覚ました私はすぐに体の異変に気が付いた。
体中を妖力が込められた枷や鎖に縛り付けられていた。
『気分はどうだ?我が妹よ……』
「姉上……!」
目の前には私の大切な契約者である千歳がいたが、その肉体を支配していたのは私の実姉である同じ九尾の妖狐、金羅がいた。
『姉上……私はどうなってもいい。だから、千歳だけは解放してくれ!』
『そうしてやりたいところだが……妙にこの体と相性が良いからな。このままこの体を乗っ取って一つ、面白いことをしてやろうと思ってな』
『面白いこと……?』
金羅は千歳の体で妖艶な笑みを浮かべると、右手で軽く腹を撫でた。
『天音を手に入れ、この体を使って天音との子を孕んでやろうと思ってな』
『……は!?』
私は金羅が一体何を言っているんだと自分の耳を疑い、冗談かと思った。
しかし、金羅の言うことは冗談ではなかった。
『九尾の妖狐である私が支配しているこの小娘の体を母胎とし、霊力が高い天音の子を孕めば必ず強大な力を秘めた妖狐が産まれるだろう……』
天音と千歳の血を引くと同時に金羅の血を引いた妖狐の子だと!?
『ふ、ふざけるな!千歳にそんな事をさせない!』
『だがこの小娘は天音との子を孕む事を心の底から望んでいる……私がそれを実現させるんだ。本望じゃないのか?』
確かにそうかもしれないが、千歳が望んでいるのは愛する天音との子供だ。金羅の血なんていらない!!
『姉上……いや、金羅!!今すぐ千歳を解放しろ……!!』
私は金羅に対する怒りや殺意を妖力と共に解放して睨みつけて体を激しく動かした。
枷や鎖が意志を持っているかのように私の体を締め付けて皮膚を傷つけているが、今はそんなことはどうでもよかった。
妖力を解放させて枷と鎖を外そうとしたが……それが間違いだった。
『くうっ!?がぁあああああああああっ!?』
解放した妖力が“何か”に吸収されてしまい、私の妖力が根こそぎ奪われていく。
『流石は私の妹……少し怒りを見せただけでこれほどの妖力を出すとは……』
金羅が感心していく中、私の妖力がどんどん奪われていく。
そして、今初めて気が付いたが、金羅の背後に巨大な姿をした『何か』がそこにいた。
目を凝らしてそれを見ると、それは巨大な骸骨だった。
その巨大な骸骨が私の妖力を全て吸収し、淡い紫色の光を纏っていた。
『さあ、蘇るぞ……日本最強の鬼……酒呑童子が!!!』
金羅はこの時を待ち構えていたかのように極上の笑みを浮かべた。
そして、ほぼ全ての妖力を奪われた私は九尾の妖狐の証である九本の尻尾が一本になってしまい、私の体が一回り小さくなってしまった。
『千、歳……天、音……』
意識が薄れてゆく中、私は千歳と天音の名前の名を呼びながら倒れてしまった。
次に私が目覚める時にどうなっているのか分からない。
だけど私は天音を信じている。
金羅の魔の手から千歳を救い出し、酒呑童子を倒すことを……。
.
アンケートの結果、こちらがメインキャラのCVとなります。
蓮宮天音:喜多村英梨
天堂千歳:戸松遥
浅木恭弥:中村悠一
鳴神雷花:豊崎愛生
雨月雫:日笠陽子
御剣迅:櫻井孝宏
月影刹那:小林ゆう
神影麗奈:原田ひとみ
蓮宮璃音:鳥海浩輔
蓮宮花音:小清水亜美
アリスティーナ・D・クレイプスコロ:伊藤静
と、こんな感じです。
次回は遂に京都を舞台にした妖怪との対決が始まります




