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アーティファクト・ギア  作者: 天道
第1章 召喚と契約編
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第8話 戦いの始まり

この小説初めてのバトル回です。

バトルはかなり短いですけど……。

後で、AGの世界観の設定を書いて投稿しようと思います。

もし気になる点や質問したいことがあったら感想に書いてくれれば極力答えます。

 ダイナマイトの爆撃からようやく目を覚ました恭弥は保健室で傷や病気を治す“治癒魔法”の使い手である保健室の先生から治癒魔法を受けて火傷などの傷を治してもらい、俺たちをどこかへと連れて行く。

「ちくしょう、ひでぇ目にあった……」

 恭弥は涙目でガクッと肩を落としてぼやいていた。

「自業自得よ。今度からはドアをノックすることね」

「それより、俺たちをどこに連れて行く?」

「お前ら……ほら、あそこだよ」

「「あそこ?」」

 恭弥がため息をついて指差した先には数十人の人だかりが出来ていて、ざわざわと騒いでいた。

 そこは天聖学園の行事や連絡事項などの紙が張り出される総合掲示板だった。

「二人とも、あそこのトーナメント表を見てみろ」

「「トーナメント表?」」

 総合掲示板に一際大きな紙が張り出され、そこには「戦技科タッグバトルトーナメント」と書かれていたトーナメント表だった。そして、そのトーナメント表には出場者の名前がずらりと並んで書かれており、その中で見慣れた名前があった。




『1-A 天堂千歳&蓮宮天音ペア』




 思考が一瞬停止し、俺と千歳は目を大きく見開いてトーナメント表をよく見直した。

「「…………は?」」

 何故か俺と千歳の名前がそこにあり、何かの間違いだと思いたくもあった。

「俺はこれを見せるために呼んだんだよ」

 恭弥は不思議そうにトーナメント表を眺める。隣で驚いている千歳に視線を向けて尋ねた。

「千歳、このトーナメントのエントリー……してないよな?」

「当たり前よ。幾らなんでも天音に黙って勝手にエントリーしないし、白蓮ちゃんがいるのにそんな危ない真似をさせるわけがないわ」

「だよね……」

 俺の頭に乗っている白蓮はまだ幼く、契約すらしてないのに千歳が勝手にそんなことをするはずがない。

「そもそも、私たち一年生はまだ“学科”すら選択してないから、このトーナメントにエントリーすることが無理なのよ」

「確かにな……」

 改めてタッグバトルのトーナメント表を見上げる。やはり俺と千歳の名前があり、このタッグバトルにエントリーされているようだった。

ここで少し天聖学園の特殊なシステムについて説明する。天聖学園にはAGを使用して行う授業が存在するため、その契約者とAGの能力に適した学科が四つある。

 その四つとは文化系の“芸術科”と“芸能科”と、運動系の“競技科”と“戦技科”。

 “芸術科”はAGによって製作する美術・文芸・音楽などの芸術技能を学ぶ学科。

 “芸能科”はAGのみならず、人間や聖獣の身体で芸術作品を表現する演劇や歌の技法を学ぶ学科。

 “競技科”は人間の肉体とAGによって行われるスポーツ競技におけるアスリートを育成するための学科。

 そして、“戦技科”は戦闘に適したAGの戦闘技術を学び、訓練する学科。

 俺の蓮煌や千歳のレイジングのように人獣契約にて契約媒体に武器を使用する生徒が多いので、この学科は四つの学科の中でも特に人気で選択する生徒も必然的に多い。

 一年生の学科選択は6月頃に行われる。今はまだ5月なので、このような学科専用の行事は上級生の二年生と三年生対象のはずだが……。

「どうして、俺と千歳がエントリーされているんだ?」

 しかもエントリーされているのは生徒同士で二人組のペアを作って戦うタッグバトル形式。ペアを組む人間同士の相性はもちろん、複数のAGの属性や能力の相性も戦局に大きく左右される難しいバトルである。

「……天音」

「何? 千歳」

「ちょっと付き合って」

 千歳に手を掴まれて総合掲示板の前から連れ出される。恭弥と悟空はトーナメント表に夢中なので、千歳は置いていくつもりらしい。

「千歳、どうした?」

「あのタッグバトルに、私と天音をエントリーした人物……おそらく私はその人知っている」

「……何だって?」

 千歳はレイジングをホルスターから抜き、リボルバーの中に入っている弾丸を確認する。

「今からその人が居るところへ殴りこみに行く。そして、直接話を聞く」

 レイジングを構えている千歳の目は鋭く、俺自身もそれに乗って覚悟を決めた。

「だったら、俺も行くよ。蓮煌が必要になるかもしれないからちょっと部屋まで取りに行ってくる」

「その必要は無いわ。だって――私が持ってるから」

 そう言うと千歳は部屋においているはずの愛刀の蓮煌を取り出して俺に手渡してきた。そして、右手で親指を立ててクッドサインを見せてくる。どうして千歳が蓮煌を持っているのかはあえて聞かないことにしよう。

「これで準備はAll OK。さあ、My Sweet Honey、ボス部屋にLet's Goよ!」

「……Yes Sir。足手まといにならないよう頑張るよ」

 千歳は日本人だが、言葉に英語が混じることがある。それは癖みたいなもので、戦闘を行うと言う証拠でもある。俺と千歳は戦闘準備をすぐに整えると、白蓮と銀羅を連れて千歳の言うボス部屋に向かった。



 天聖学園のとある一室。そこは他の教室や特別室とは違って広く、高級感あふれる部屋で、部屋のあちこちに高価な物が設置されていた。

 その部屋の窓際で中心部分には巨大な机があり、そこに高級な黒い椅子に座って仕事をしている一人の老人がいた。

「これで今日の仕事もひと段落じゃな」

 老人は万年筆で名前を書いて天聖学園の判子を押すと、椅子に寄りかかり一息ついた。

「ふぅ。“天武”よ、すまぬがお茶を入れてくれぬか?」

 この部屋には老人以外の人間は誰もいない。しかし、人間以外ならすぐそばにいる。

『構わないが、扉の向こうで複数の気配を感じる』

 貫録のある渋い声が部屋に響き、老人に注意を呼びかけた。

「む? それは先生かな?」

『否。これは教師たちよりかなり若い気……どうやらお前の大事な孫娘が婿を連れてきたようだぞ』

「何じゃとぉおっ!? そうか、遂に天音君が千歳と一緒になる決意を固めてくれたか! 今日はお祝いじゃな!!」

『否。流石にそんな訳が――』

「It's Show Time!!!」

 ドガアアアアアアアーン!!!

 数十個に及ぶダイナマイトによって扉が派手に爆撃され、扉の面影もなく粉々に粉砕された。こんなことをして大丈夫なのか正直とても不安だが、

「突撃ぃ――――っ!!!」

『よし、派手に暴れるぞ!』

 千歳と銀羅が先陣を切ってその部屋に突入して戦闘をおっぱじめようとしているので、それどころではなかった。

『ピッピピー!』

 しかもそれに乗じてか、俺の頭に乗っかっている白蓮は小さな羽をバタバタと羽ばたかせてかなりのハイテンションだった。どうやらこの一ヶ月で白蓮と銀羅は千歳の性格の悪いところの影響を受けてしまったようだ。これは後で千歳と教育方針について話し合わないといけないな。

「ふぉふぉふぉ! これは可愛い侵入者、もとい突撃者じゃのう!」

『感心している場合か、ジジイ。さっさと契約執行するぞ。』

 老人は壁に立てかけている杖を持つと、老人の背後に灰色の鎧を身に着けた聖獣が現れる。

「契約執行。鬼神、天武!」

 灰色の鎧を身に着けた聖獣の正体は荒々しく凶暴な力を持つ鬼の神、“鬼神”だった。

 鬼神は契約を執行し、肉体と魂が粒子となって老人の杖に入り込み、老人と鬼神のAGとなる。

「久々にわしも暴れるかのぉ! AG、“鬼神月華(きしんげっか)”!!」

 鬼神と月華という名を持つそのAGは杖から巨大な大刀になった。大刀の刃は三日月のような美しい弧を描き、それが鋭さを物語っていた。

「私たちも負けられないわ。銀羅!」

『ああ、行くぞ!』

 千歳はレイジングを掲げ、銀羅は千歳の体に巻きつくように立つ。

「契約執行! 九尾、銀羅!」

 千歳と銀羅は契約を執行し、銀羅の肉体と魂が粒子となってレイジングに入り込み、巨大で美しい銃のAGとなる。

「AG、“清嵐九尾(せいらんきゅうび)”!!」

 九つの弾丸を装填できる巨大な銀色の銃のリボルバーの弾倉を一回転させると、弾倉に九尾の妖力が込められた弾丸が自動的に生成されて込められる。

「Shoot!!」

 老人に向かって狙いを定め、人差し指を引き金にかけて引くと、銃口から銀羅の持つ青い狐火で出来た炎の弾が次々と発射される。

「むぅん!!」

 向かってくる狐火の弾を鬼神月華の刀身の腹で殴り飛ばすように弾き返した。

「くっ……Shot! Fire!! Discharge!!!」

 動きながら正確な射撃で狐火の弾を三連射するが、

「ぬははははっ! 甘い、わしの大好物の水羊羹より甘いぞ!!」

 その弾丸全てをあっさりと弾き返されてしまい、千歳は悔しい表情になりながらリボルバーの弾倉を一回転させる。

「一筋縄じゃいかないね、なら! 銀羅、ド派手でCoolな必殺技よ!」

『わかった! 妖力全開で行くぞ!』

「天音! 少しだけ動きを封じて!」

「はいはい……しっかり掴まっていろ、白蓮」

「ピー!」

 あまり乗り気でない戦いだが、こうなったらもう落ちるところまで落ちるしかない。千歳のために全力で老人の動きを封じることに専念しよう。白木拵えの蓮煌の柄に手をかけ、抜刀の構えをして老人の間合いに入る。

「一戦、お願いします」

「むっ!? 君か。喜んでお相手するぞ!」

 老人は鬼神月華を軽やかに振り上げて勢いよく俺に目掛けて振り下ろす。だが……その一閃、捌かせてもらう。

「蓮宮流……」

 鯉口を切り、鞘の中に眠る蓮煌の刃を解き放つ。

水蓮天昇(すいれんてんしょう)

 抜刀と共に自分の体を回転させ、振り下ろされた鬼神月華の刃を捌く。そして、回転した際の遠心力を利用して、蓮煌で鬼神天月ごと老人を上へと打ち上げる。

「蓮宮流……天凛蓮華(てんりんれんげ)

 この機を逃さず老人に向かって高く飛び、両手に構えた蓮煌を高速で振るって全身を狙った乱撃を放つ。

 すると老人の持つ鬼神月華から紫色の不気味な妖気が溢れ出し、それが三日月を思わせる鋭利な刃となった。

鬼神裂刃(きしんれつじん)!」

 俺の放った乱撃を鬼神月華の妖気の無数の刃で全て相殺されてしまった。

「くっ……!」

 分かっていたけれど、流石に手強い相手だ。しかも相手の武器はAGで、こっちはただの刀。勝負は初めから見えていたのかもしれない……。

「準備、All Completeよ。天音、すぐに退避して!」

 しかしそれは、俺だけが戦った場合の話。千歳が一緒なら話は別だ。

「了解!!」

 早くも千歳からの退避命令が来たので、すぐさまその場から離れて千歳のもとへ走った。打ち上げられた老人は床に降り立つと、再び鬼神月華を構えて俺と千歳に視線を向ける。

 しかし、老人は信じられない光景に目を疑った。

「な、何じゃ、これは……?」

 声が震えて驚くのも無理が無かった。老人を中心に半径約数メートルの四方八方に、まるで半球体のドームを描くように無数の青い炎の弾丸が展開されていた。

 その無数の弾丸の射程範囲の外にいる俺と、この無数の弾丸をたった数秒で展開した千歳は不敵な笑みを浮かべ、空いている片手の中指と親指の先をくっつけ、

「受けよ」

 そのまま中指で親指をこすり、中指を親指の付け根部分に勢いよく振り下ろした。

「百花繚乱!!!」

 パチン! と、指ではじいた空気の音を合図に無数の弾丸が老人に目掛けて一斉に襲い掛かった。

「ぬぉおおおおおおっ!?」

 反応が遅れた老人はぎりぎりのところで無数の弾丸を鬼神月華で振り回すことで防いだが、それによって老人に大きな隙が出来た。

全ての弾丸が弾かれ、次なる攻撃に転ずろうとした老人だったが、

 チャキ!

「ぬっ!?」

 老人の隙をついて俺の蓮煌が首もと、千歳の清嵐九尾が後頭部に添えられる。老人はもはや少しも動けなくなり、反撃すら出来なくなる。

「見事……」

 降参した老人は鬼神月華を床に下ろす。

「これで、Checkmateよ……」

 千歳の決め台詞とも取れるその言葉の直後、俺と千歳は獲物を老人からすぐに離して数歩下がった。

「……今回は私達の勝ちね、おじいちゃん!」

 千歳は笑顔からピースサインを見せ、

「お久しぶりです、厳武じいさま。いえ……学園長先生」

 俺は会釈で頭を下げて挨拶をした。

 この老人の正体……それは千歳の祖父で、この天聖学園の最大の権力者でもある学園長の“天堂厳武”である。

 千歳にとって学園長はいつも自分を大切に可愛がってもらっている大切な祖父で、俺にとっても孫同然に可愛がってくれる大切な祖父である。

 ただ、学園長は自身の権力を使って、俺と千歳を学生寮で同じ部屋にしたりと、俺達の仲をくっつけさせて、すぐにでも結婚させようとしているのは、余りにも迷惑で余計なお世話だ。本人曰く、『わしも後先短いから早く曾孫の顔が見たいのじゃ!』と、何とも恐ろしいことを言っていたが、まだまだ現役のようである。

 まあ、それは置いといて、何故俺達がその大切な祖父である厳武学園長を襲撃したかと言うと、以前こんな事を言い出した。

『わしは最近体が鈍ってきて退屈なのじゃ。だから、お前達が訪ねてくるときはわしを遠慮なく襲ってくれるか? わしの鈍った体を鍛え直して、お前達の訓練にもなるし、まさに一石二鳥じゃ。はっはっは!』

 とまあ、こんなノリで襲撃したのだった。

 俺はさっき言ったように乗り気ではないが、千歳は何故かやる気満々でいつも訪ねる時に襲撃しているのだった。

「よく来たのぉ。千歳、天音君。さあ、ソファーに座りなさい。今、お茶とお菓子を用意してやるからのぉ」

 床に下ろした鬼神月華を持つと、AGの契約が解除される。鬼神が杖から離れて姿を消し、元の杖の姿となる。千歳もAGを解除すると、銀羅は床に伏せた。

 俺と千歳はソファーに座ると、さっそく千歳は今回の目的を達成するために祖父の学園長に話を聞く。

「今日はお茶しに来たんじゃないのよ、おじいちゃん。要件は――」

「わかっておる。タッグバトルトーナメントの事じゃろ? あれはわしがエントリーさせたのじゃ」

 学園長がお茶とお菓子を用意しながら、勝手に俺と千歳をタッグバトルトーナメントにエントリーしたことをあっさり自供した。

「どういうつもりなの?」

「そんなの決まっておる。天音君の契約を行わせる為じゃ」

「……おじいちゃん。話が全然見えないんだけど」

 千歳の言葉に同意して俺も頷く。学園長の考えが今一よくわからない。

 学園長は俺と千歳の前のテーブルにお茶とお菓子を置くと、自分もソファーに深く座る。

「では、少し話すかの……二人は聖獣の“覚醒”と言うものを知っとるか?」

「「覚醒?」」

「まあ、簡単に言えば聖獣は始めから完成された存在ではない。わしら人間と同じように誕生し、成長するのじゃ」

 そりゃあそうだ。聖獣も種類によるけど生まれたときから成長した姿じゃないからな。今、目の前で俺に用意されたお菓子をガツガツと食べている正体不明の謎の鳥獣型聖獣こと白蓮が良い例だ。

「それはわかるけど……」

「覚醒とは聖獣にとってどういう意味ですか?」

「覚醒とは聖獣が自らの内に秘められた真の力を引き出して具現化するスイッチみたいなものじゃ。覚醒の条件は聖獣によって異なるが、覚醒が発現する主なケースは“戦い”によるものじゃ」

 戦い。

 そのキーワードに千歳はピクッと僅かに体を動かした。

「……なるほど、そう言うことね」

「千歳?」

 真剣な眼差しを見せた千歳は足を組み、脳裏に瞬時に思いついた推理を話す。

「人間と聖獣との授業を主な目的にしている天聖学園で未だに契約をしておらず、AGを発現していない天音と白蓮ちゃんは私達他の一年生より授業がかなり遅れている。現状を少しでも改善するための対策として、天音と相性が一番良い私とタッグバトルトーナメントに参加させる。天音と白蓮ちゃんに“戦い”を行わせて、まだ幼い白蓮ちゃんの聖獣としての“覚醒”を促す。そして、覚醒した白蓮ちゃんと天音の蓮煌を契約媒体にしてAGを契約執行させる……こんなところかしらね」

「ほっほぉ! 流石はわしの愛孫じゃのぉ。その通り、千歳の推理通りじゃよ」

 学園長は賞賛の拍手を送り、千歳の見事な情報処理能力と推理能力に俺は目を点にして驚いた。さすがと言ったところか……。

いつも俺に対してふざけたり、からかったりしているが、千歳は頭脳明晰の天才少女でもある。更に身体能力に関しては先ほどの戦闘で高いことは証明されている。

 しかし、そんな千歳にも弱点はある。例えば、体力だけが一般女子高生並かそれ以下という点。

 幼い頃に虚弱体質だった事もあり、体がとても弱かった。今はその虚弱体質は改善されて体力は人並みにあるが、医者によるとそれ以上の体力の向上はあまり見込めないらしい。

 そんな事もあってか、千歳は近接武器は使わず、銃とダイナマイトを愛用している。

 すると、千歳はホルスターからレイジングを引き抜いて俺達に見せるように持つ。

「All Rightよ。おじいちゃんの企みも分かったところで、私の心も決まったわ。タッグバトルの強制参加の目的が何にしても、私は天音と白蓮ちゃんを全力で守るわ! そして、その上で白蓮ちゃんを覚醒させる!」

 高らかに宣言する千歳のその姿は眩しく、とても頼りがいのあるものだった。これは俺も頑張らなければならないな。

 タッグバトルは正直不安だけど、こうなったら全力でとことんやるしかない!

「白蓮、分かっているかどうか分からないけど、頑張ろうな」

『ピ? ピーッ!』

 本当に分かっているか分からないけど、白蓮はお菓子を食べるのを一端止め、小さな翼を広げてとても良い返事をした。




「あらあら。素敵なお二人ですね」

「互いを深く信頼している。これほどタッグバトルに適したペアはいないな」




 突然聞き慣れない二つの声が扉の方から聞こえた。振り向いた先には千歳がダイナマイトで派手に破壊した扉に二人組の生徒がたっていた。

 一人は柔らかく優しそうな面差しをした女性で、癖のない綺麗なセミロングの藍色の髪を持ち、身長は千歳ぐらいだった。見た目はまるでお嬢様みたいな印象だった。

 その女性の隣にいるのは男性で、鋭い刃物のような面差しに物静かな雰囲気を漂わせ、女性と同じセミロングの長さの黒髪を持ち、身長は俺よりかなり高く185cmはあるだろう。そして、その人からまるで隣の女性を守る騎士のようなイメージがあった。

 その二人は俺と千歳に向かって会釈をし、自己紹介をした。

「初めまして。私は“天聖学園生徒会執行部”。会長職の“雨月(あまづき) (しずく)”です」

「同じく……副会長職……“御剣(みつるぎ) (じん)”」

 驚愕の登場だ。その二人は千人近い天聖学園の生徒を代表する“生徒会”の会長と副会長だった。



.

早くも生徒会長と副会長の登場です。

会長キャラは主人公をいじったりすることが多いですが、AGではお嬢様のおっとり系でいじることはありませんが、実力は天聖学園生徒の中で最強です。

副会長は会長とほぼ同等の実力者です。

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