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アーティファクト・ギア  作者: 天道
第4章 騎士王顕現編
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第48話 三騎士と無限神書の魔女

今回、後編のアリス先生のチートっぷりが凄いです(笑)


やっちまった感がありますが後悔していません(爆)

sideヴァークベル&レイズ&キュアリー。

小さい頃から一緒に育ってきた俺達四大騎士。その中でパラディンのセシリアは四大騎士の中でもリーダー格で常に俺達を引っ張ってきた姉貴みたいな存在でもあるんだ。

そのセシリアがまさかイギリスの王女って事には驚きだったぜ。

だけど……。

「さあ、レイズ、キュアリー!二人の美しい王女を守ろうじゃねえか!!」

「ふっ……ヴァンよ、言われるまでもない」

「私達の騎士の命と誇りに賭けて、お二人をお守りします!!」

セシリアを守る為にストライカーのレイズとアーチャーのキュアリーと一緒に気合いを入れ直す。そして、数時間前に召喚して契約したばかりのそれぞれの聖獣とアーティファクト・ギアの契約を執行する。

「さあ、行こうか、リナ!!」

「はい!ヴァークベル様!!」

隣には俺好みの可愛くて優しい妖精のリナが笑いかけてくれた。それだけで俺は負ける気がしなかった。

「契約執行。フェイ、リナ!!」

俺は愛用の槍を構えてリナを契約執行させると、体が粒子化して槍の中に入る。

古代の妖精魔法を扱えるリナを契約執行させたアーティファクト・ギアは緑色に変化した槍全体に形が異なる魔法陣がびっしりと敷き詰めるように描かれていた。

「アーティファクト・ギア!“ディバインズ・ゲイ・ボルグ”!!」

『ゲイ・ボルグ』とはケルト神話の半神半人の槍の使い手、『クー・フーリン』が使ったとされる伝説の槍だ。クー・フーリンは俺個人が目標としている人で、あえてこのアーティファクト・ギアにゲイ・ボルグの名前を付けた。

もっとも、このデイバイン・ゲイ・ボルグにはゲイ・ボルグほどの殺傷能力などは全く無い。

だけど、俺が望んでいる力とリナのフェイの力がアーティファクト・ギアに良い影響を与えてくれているから問題はないぜ!

そして、俺の隣では人間の背丈より何倍もデカい冥界の番犬、ガルムがレイズに撫でられていた。レイズは愛用の手甲を装着して交差させる。

「さぁ、暴れるか……契約執行。冥界獣、ガルム!!」

『グゥッ……ワォオオオオオーン!!!』

ガルムは声を高らかに咆哮を上げ、体が粒子化してレイズの手甲に入り込み、アーティファクト・ギアとして形を変える。

手甲にガルムの凶暴な性質を現すかのように棘のような物を生やし、更に真っ赤な血の色に色付いた。

「アーティファクト・ギア……“ブラッディ・ガルム”!!」

レイズのアーティファクト・ギア、ブラッディ・ガルムは両腕の手甲に魔を喰らい、また魔を穿つ力を秘めている。

そして、もう一人、キュアリーは愛用のコンパクト・ボウを変形させてから構え、ケイローンの背から降りた。

「ケイローン、行こうか?」

『はい。私はいつでも』

「よーし……契約執行。人馬宮、ケイローン!!」

ケイローンは右手を胸に添えてキュアリーに向かって頭を下げると同時に体が粒子化して、コンパクト・ボウに入り込む。

コンパクト・ボウの大きさがキュアリーの身長の倍以上となり、ただの金属で造られたコンパクト・ボウは人馬宮の神聖な力を宿した神弓へと姿を変えた。

「アーティファクト・ギア、“シューティング・スター・ケイローン”!!」

流星の名を持つシューティング・スター・ケイローンは本当に星のような金色と銀色に輝いていた。

ランサー、ストライカー、アーチャーの三騎士のアーティファクト・ギアが揃ったところで、ようやくドラゴン退治が始まる。

「レイズ、お前は先陣を切って前衛で戦え。キュアリー、お前は後衛で狙い撃て」

「構わないが……ヴァンは?」

「そうだよ。ランサーとして前衛で戦うべきじゃないの?」

「まあ、待て。俺ももちろん前衛で戦うが……その前に、騎士達に戦う力を、“トゥインクル・ナイト・パワー”!!」

デイバイン・ゲイ・ボルグに刻まれた魔法陣が様々な色に発光する。その内の二つの魔法陣が宙に浮かび、レイズとキュアリーの体に刻まれる。

「な、何だ……?」

「ヴァン!?」

二人は驚くと、体が光り輝いて力が溢れてくる。

俺が与えた力について説明しようとしたその時、ドラゴンが降下して襲い掛かって来た。

「散れ!!」

「ちっ……なっ!?」

「わわっ!?」

軽やかに飛んでかわした俺だが、レイズとキュアリーは目にも止まらぬ高速で動いてドラゴンの攻撃をかわした。

「ヴァン、何をした!?」

「私達の身体能力が桁違いにスゴくなっているよ!」

二人は自分の身に起きた事に酷く驚いていた。

「リナは……妖精族のフェイは騎士を援護するための魔法に長けているんだ!だから二人に身体強化の魔法を使ったんだよ!」

『他にもお二人の力となる魔法を会得しております。ですから、存分に騎士としての力をお振るいください!』

俺とリナの魔法を説明すると、二人は納得してアーティファクト・ギアを構え直す。

「ふっ、ヴァンにしては気が利く……」

「バカヴァンなのに、やるねー!」

「キュアリー、うるせえぞ!!とにかく、こっちの番だ。ドラゴン退治は大昔の騎士にとって試練の一つだからな!!」

「そうだな……キュアリー、援護を頼む!」

「うん、了解!」

レイズは身体強化された体で走り出し、キュアリーはシューティング・スター・ケイローンの弦を指に引っ掛けて一気に引き、星の輝きを持つ矢が添えられる。

「スターダスト・レイン!!」

放たれた一本の矢が降り注ぐ星屑のように分散してドラゴンに降り注ぎ、行動を一時的に止めた。その間に身体強化でスピードが上がったレイズがドラゴンの懐に潜り込んでブラッディ・ガルムを装着した右手を握り締めた。

「喰らい尽くせ……ガルム・ファング!!!」

お得意のアッパーを決め、ブラッディ・ガルムから生えている鋭い棘がドラゴンの体に突き刺さり、鮮血が飛び散る。

ドラゴンは殴り飛ばされてから地面に落ち、鮮血がブラッディ・ガルムに付着すると、その鮮血を吸収して更に真紅色を輝かせる。

「ブラッディ・チャージ!」

鮮血を吸収する事によってブラッディ・ガルムの特殊能力が発動され、鋭い棘が更に伸びて、強度が数倍強化された。ブラッディ・ガルムはどんな生き物の血を一滴でも吸収すればするほど自身を大幅に強化する事が出来る。強化されたブラッディ・ガルムでレイズはドラゴンを叩きのめしながら暴れまくる。

俺もそろそろ暴れてぇなと思ったその時だった。

『ヴァークベル様、後ろです!』

「リナ?おおっと!」

リナの注意に後ろを振り向くとドラゴンが火を噴いてきた。デイバイン・ゲイ・ボルグの魔法陣の一つが輝き、手の中で高速回転をさせながら魔法の障壁を作り出してドラゴンの火を防いだ。

「そんじゃあ、騎士の為の魔法を駆使して暴れようか、リナ!!」

『はい!ヴァークベル様、槍の騎士・ランサーのお力を存分にお振るい下さい!』

「ああ!」

デイバイン・ゲイ・ボルグから再び魔法陣が浮かび、今度は俺の体に刻み込まれる。

「ソニック・アクセル!」

文字通り音速のスピードで移動する事が出来る魔法を俺の体に刻み込んでドラゴンの死角に入る。

「ちぃーっとばかし大人しくしていな!」

魔法陣を空いている左手に持って行き、そのまま握り潰す。

「グランド・クルーシファイ!!」

握り潰した魔法陣から魔法の力を宿した無数の漆黒の槍を召喚する。

その内の一本を手に取り、ドラゴンの体を地面ごと思いっ切り突き刺してそのまま動けなくする。

しかし、槍を突き刺したドラゴンから血は吹き出すどころか、生きている。俺が召喚したのはただの槍ではなく、対象を傷つけずにただ動けなくするための魔法の槍、言わば『磔の槍』だ。

俺はこの槍を使って次々とドラゴン達を磔にして無力化にしていく。

ドラゴン退治と言ってもこいつらは首謀者のディルストに操られているだけだから、俺は殺さずにただ倒すか無力化するという選択をした。

キュアリーの弓でドラゴンの行動を妨害し、レイズの拳でドラゴンを弱らせ、そして俺の槍でドラゴンを磔にして無力化させる。ずっと一緒に教会で暮らして共に切磋琢磨で自らの騎士として武術の腕や心を磨いてきた俺達だからこそ出来るコンビネーションだ。

そのコンビネーションで俺達は次々とドラゴンを倒していく。



sideアリスティーナ。

「ふむ。順調みたいね」

私は椅子に座り、現状を見ながらそう呟いた。

上空に展開されている魔法陣から召喚されたドラゴン達を私の教え子達や教会の騎士達が次々と倒していく。これじゃあ私の出番は必要ないかな?と思いながら椅子に背を預ける。

すると、上空の魔法陣が最初の召喚した時より強い輝きを放ち始めた。

「ん……?何か、来る……?」

私は思わず立ち上がりながら魔法陣を睨みつける。私はまた操られたドラゴン達が増援として召喚されるのかと思っていたが、それは間違いだったわ。

『『『『『『『『『ギュガァアアアアアアアアアアアアアーーーッ!!!』』』』』』』』』

「これは……面倒な事になったかしら……?」

魔法陣から召喚されたのは最初のドラゴン達とは桁違いの大きさを持ち、九つの首を持つ規格外のドラゴンだった。

「ってか、あれって、“ヒュドラ”じゃないかしら?」

ギリシャ神話の英雄、ヘラクレスの十二の功業で二番目に戦った凶悪な怪物。聖霊界に実在するかどうか分からなかったけど、まさかこんなところでお目にかかれるなんてとても驚き。

って、驚いている場合じゃないわ。ヒュドラは毒を吐く恐ろしい聖獣でしかも巨大……これはみんなで太刀打ち出来る相手じゃないわ。

「蒼燕。みんなをよろしくね」

「アリス殿、あれは我々で対処するには骨が折れそうです。お願い出来ますか?」

「もちろんよ。ちょっくらひと暴れしてくるわ」

私は杖で肩を叩きながらヒュドラの元へ飛んだ。

ヒュドラが私を見て毒を吐こうとしたその時に私は巨大な魔法陣を展開させた。

「魔女とのデートに付き合って貰うわよ」

パチン!!

指を鳴らし、私が展開した魔法陣が光り輝くと、空中にいた私とヒュドラはこのイギリスから消えた。



私とヒュドラはイギリスとは別の空間にいた。そこは見渡す限り真っ白で何も存在しない空間。

ここは私だけが知っている人間界と聖霊界の狭間の世界、簡単に言えば『境界』。

「ここでなら好きに暴れられるわ。さあ、ギリシャ神話伝説の怪物・ヒュドラ……勝負しましょうか?」

杖を振り回し、構えてみんなの『アリス先生』ではなく、『無限神書の魔女』としてヒュドラを睨みつける。

「世界に呪われ、千年の永い時を生き続けた不老不死の最強魔女……アリスティーナ・D・クレイプスコロとね!!!」

ヒュドラは突然現れた私の存在に一瞬怯みながらも、私を殺すために毒の吐息を放つ。

流石の私でも死ぬことはなくてもヒュドラの毒をまともに受けたら激痛で一週間は苦しむことになる。

それは勘弁だから……。

「サラマンダー!」

私の前に赤い魔法陣が現れてそこから炎の髪を持つ屈強な男の姿をした火の精霊・サラマンダーが火炎を吐きながら現れて、ヒュドラの毒の吐息を焼き尽くす。

『全く……久しぶりに戦うと思ったら、また面倒な相手をするな』

「文句言わないの。メタリアス!」

金色の魔法陣が現れ、中から黄金の鎧を身に纏った金の精霊・メタリアスが無数の金の剣を召喚して一斉に放ち、ヒュドラの翼を撃ち抜いて地面に撃墜させる。

『これは久々の上級な獲物……我々の腕が鳴りますな』

「そうね、久しぶりに総員出動よ。ノーム!」

茶色の魔法陣が現れ、中から岩の鎧を身に纏った少年の姿をした地の精霊・ノームが撃墜したヒュドラの真下の地面を操作し、岩の針を作り出してヒュドラの体を貫く。

ヒュドラは苦しみに絶叫するが、再生能力を持っており、すぐに傷が塞がってしまう。

『どれぐらい攻撃すれば良いのかな……?アリス、勝てるの?』

「さぁ?取り敢えず、みんな全員で攻撃してからね。ヴォルトス!」

黄色の魔法陣が現れ、中から雷電を体から放出させながら逆立つ髪をした金髪の少年の姿をした雷の精霊・ヴォルトスが現れ、両手に力を込めると落雷の数百発に相当する特大の雷撃をぶっ放してヒュドラを感電死させる。

雷撃でヒュドラを感電死させたのは良いけど、焼け焦げたヒュドラの皮膚と肉が突然突き破られ、中から再生したヒュドラが生まれるように現れた。

『オイオイオイッ!!?あんだけ派手に俺っちの雷をぶちかましてやったのに中から再誕ってありかよ!?』

「ありゃあ……これはとことんやらなきゃダメかしら?ウンディーネ!シルフ!」

青色と緑色の魔法陣が現れ、中から水色の美女の姿をした水の精霊・ウンディーネとエルフの姿をした風の精霊・シルフが現れ、ウンディーネが水の刃を作りだし、それをシルフが巨大な竜巻を生み出す。水の刃と竜巻が合わさって巨大な『嵐』となり、それがヒュドラを包み込んで襲いかかる。

『アリスよ、これからどうするつもりなのじゃ?』

『私達全員の力を使って、あの再生する化け物を倒せる?』

「十三の精霊を解放させた後にあれを使うわ。ウッディ!」

深緑の魔法陣が現れ、中から木の杖を持った見るからに貫禄がありそうな老人の姿をした木の精霊・ウッディが地面からヒュドラを囲むように大樹を一瞬で生えさせ、根っこをヒュドラの体に突き刺して力を吸収して大樹の栄養分にする。

『ほっほっほ。これは儂の大樹の良い栄養になるぞ。このままずっと吸収させたいぐらいじゃ』

「あんたはそれでも良いかもしれないけど、私は面倒だから嫌よ。エヴァ!」

水色のの魔法陣が現れ、中からドSで冷酷非情な女王様オーラを放つ氷の精霊・エヴァは巨大な氷塊を作り出してヒュドラに叩き落とす。

『あぁん?神話の怪物ってこんなものなの?全然張り合い無いわね……私をもっと楽しませなさい!』

「まぁまぁ、落ち着きなさい、ドSな氷の女王様。シャイン!シャドウ!」

白色と黒色の魔法陣が現れ、中から天使の姿をした光の精霊・シャインと悪魔の姿をした闇の精霊・シャドウが現れ、二人で手を繋ぎながら空いている片手を前に出し、光と闇の力を極限まで収束させた球体を砲撃として発射し、氷塊をやっとの思いでどかしたヒュドラを容赦なく撃ち抜き、光の破壊と闇の消滅が織り成す二重奏でヒュドラの肉体を滅ぼしていく。

『ねえ、シャドウ。僕達って最強だよね』

『そうだね、シャイン。だって私達は悪名高いアリスの精霊だもん』

「おい、コラ。誰が悪名高くて残虐非道な魔女だって?こんなに優しくて美しく、更に最強無敵な魔女はあらゆる異世界中を探しても他にはいないわよ。メロディアス!ゼノン!」

桃色と銀色の魔法陣が現れ、中から音符や音楽記号の飾りが付いたドレスを着た音楽の女神の姿をした精霊・メロディアスと懐中時計をたくさん身に着けた青年の姿をした時の精霊・ゼノンが現れ、メロディアスは色鮮やかで綺麗な魔法の楽譜をヒュドラの周囲に展開し、ゼノンはヒュドラの時間を僅かな間だけ止めた。そして、楽譜から色々なジャンルの音楽が流れると共に音符がヒュドラの体に入り込み、ゼノンが止めた時が再び動き出す。

その瞬間、ヒュドラの体に撃ち込んだ音符が内部で振動を起こし、音の衝撃波がヒュドラの内部で反響しながら次第にその威力を高めてヒュドラの内部を破壊していく。

『私達であの怪物の再生速度を越える威力の破壊を内側と外側で行っています。後は……』

『最強にして、最後の精霊でチェックメイト……』

「そうね。さあ、いよいよ出番よ……ゼロ!!」

無色で透明に近い色の魔法陣が現れ、中から黒いフードに身を包んだ謎で不気味な雰囲気を漂わせる無の精霊・ゼロが私が魔法を発動する時と同じように右手の親指と中指を擦らせてパチンと鳴らした。

すると、ヒュドラの中で『何か』が『消え』、自分の体を癒していた再生が止んで訳も分からずその場に倒れる。

ゼロは指を鳴らしただけでヒュドラの驚異的な再生能力を完全に『無』にしてしまった。

これこそ私の体に宿る十三の精霊、エレメンタル・スピリッツの最後にして最強の力を持つ精霊。

十三の精霊がこの場に勢揃いしたところで、私とエレメンタル・スピリッツが織りなす最強の『究極大魔法』を発動させる。

私は杖を掲げてヒュドラの真下に巨大な魔法陣を展開させ、その魔法陣の外側にある十三の元素の属性を描いた円形に、対応した十三の精霊達が立ち、準備が完了する。私はエレメンタル・スピリッツの力の一部を移植した杖を振るい、呪文を詠唱する。

「星界を司りし、古代の十三の力……」

十三の精霊の体と魔法陣が輝く。

「火は変化を生み、水は命を育み、風は全てを包み、地は星を支える……」

サラマンダーは火を吹き、ウンディーネは水を流し出し、シルフは風を巻き起こし、ノームは地を突き出させる。

「光は希望を照らし、闇は絶望へ堕とす……」

シャインは光を輝かせ、シャドウは闇を煌めかせる。

「木は命の象徴、金は命の刃となり、氷は命を眠らせ、雷は罪に罰を与える……」

ウッドは木を生えさせ、メタリアスは金から武器作り、エヴァは水を凍らせ、ヴォルトスは雷を発生させる。

「音は全てに宿る声、時は永久の旅……」

メロディアスは様々な音を鳴らして、ゼノンは時の流れを操作する。

「そして、無は始まりの終わり、終わりの始まり……」

最後にゼロは無を操り、他の十二の精霊が生み出した力と共鳴して魔法陣の中央にいるヒュドラと一つに混ざり合う。

千年の永い時を生き続けた、常日頃から森羅万象全ての物質から取り込んできた私の膨大な魔力が魔法陣を通じて一気に解放され、私はいつものように指を鳴らす。




星界創造撃(ワールド・クリエイション)




魔法陣から周囲を全て呑み込む巨大な爆発が起き、ヒュドラの存在はいとも簡単に消えてしまう。そして、一分と言う短い時間が経過した後、私の目の前には一つの光景が広がっていた。

それは何も存在しないはずだった境界に地面が広がり、草木が生い茂り、空が天を覆っていた。

川が流れ、風が吹き、空の上には太陽と月によく似た二つの星が輝いていた。

「創造完成ね……」

ここは私達が住んでいた地球でも聖獣達の故郷の聖霊界でもない。私と十三の精霊、エレメンタル・スピリッツが生み出した新たな世界……『星界』。

ヒュドラを倒すついでに私やみんなの為の新しい世界を創っちゃった♪

「さーて、これでみんなの修行場所を作れるぞ」

ちなみに星界を創った理由は天音達みんなの修行場所を作ってあげるためだった。冒険部として必要な様々な状況を想定した自然のサバイバル訓練場や、己や契約聖獣を鍛えるための修行場などなど、考えられる訓練や修行の為の世界だ。

「よし、とりあえず色々作るのは後にして私達はイギリスに戻りますか」

頑張ってくれたエレメンタル・スピリッツは私の中に再び戻り、私は転移魔法の魔法陣を展開してひとまず星界を後にした。



.


と言うわけで、一つの世界を創ってしまいました(笑)


ネギま!のエヴァちゃんが魔法で作った修行場所を見てアリス先生も何か創れないかなと思い、思い切って世界を一つ創りました。


やりすぎですかねー?

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