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アーティファクト・ギア  作者: 天道
第11章 戦神極祭編
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第143話 初陣、鳳凰紅蓮団

ようやく始まりました、戦神極祭一回戦第一試合。


初陣は恭弥が戦います。

「ここに、第百回戦神極祭の開幕を宣言する!!!」

日本最強の称号と世界大会への切符を賭けた、天聖学園最大級の祭典、戦神極祭が始まり、興奮が高まる中一回戦の第一試合の組み合わせが発表される。

『一回戦第一試合の組み合わせは……』

戦神極祭の一回戦はどのチームと当たるかわからないようになっている。

それは大会本部が選手と観客にどんな未知なる戦いが繰り広げられるのか楽しんでもらうためだそうだ。

そして、AGアリーナの巨大スクリーンに試合の組み合わせの映像が映し出される。

『関東校代表・鳳凰紅蓮団』

「いきなりか!?」

第一試合、初っ端から俺達鳳凰紅蓮団が出場することになった。

だけど、下手にいつ当たるかと緊張するより初めから戦った方が気持ちが少し楽だ。

さて、俺たちの相手は何処だ?

さすがに同じ関東校代表の神螺はないと思うが。

『中部校代表・輝夜』

……はぁっ!?

チーム輝夜って、かぐや姫の生まれ変わりの少女、輝夜が率いる下級生チーム……そのチームには千歳が最も苦手な弱点でもある従兄弟の輝明がいる。

チラッと千歳を見ると顔を真っ白にしてカタカタと震えていた。

こりゃあマズイな、もし千歳が輝明と対戦することになったら間違いなく負けるな……。

しかもチーム輝夜は不死と関係しているかなりやばり感じのチームだ。

これは一筋縄じゃいかないな。



「ごめんなさい、天音。私、負けてしまいます」

開会式が終わった直後、控え室に戻るなり千歳は頭を下げて謝罪と敗北宣言をした。

「いやいや、諦めるの早すぎだろ」

「だって!輝明がいるんだよ!?ムリムリ!私には戦えないよ!!」

この戦神極祭はスポーツ競技でいう五人の団体戦で行われる。

先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の五人制で戦うことになる。

ちなみに先鋒はチームの特攻隊長でもある恭弥、次鋒はチームで最強の破壊力を持つ雷を操る雷花さん、中堅は最強の魔法少女の木乃香さん、副将はこの五人で唯一オーバードライブや幻想絶界を使えるチームの切り札でもある千歳、そして大将はみんなが言う無限の可能性を持つと評価される俺になっている。

そして、この決めた五人制のメンバー表は一回戦の試合が始まるまでは誰も知ることはできない。

祭りとは言えどれだけサプライズ好きなんだよ戦神極祭大会本部は……。

チーム輝夜の大将は多分名前からしてかぐや姫の生まれ変わりの少女である富士崎輝夜だと思う。

そうなると天堂輝明と千歳が当たる確率は四分の一……本当に当たるかもしれないなぁ。

「弱ったな、いつもは暴走元気な千歳がこんな調子じゃこっちも調子狂うよ……あ!」

俺は千歳を元に戻す方法を一つ思いついた。

「おーい、千歳。こんなところで負けるわけにはいかないぞ。約束を忘れたのか?」

「約束……?」

「戦神極祭が終わったら旅行に行こうって言ったじゃないか。千歳が望むならアメリカの色んなところに行こうぜ」

アメリカと聞き、千歳の体がピクッと反応した。

そして……。

「アメリカ……?アメリカキター!!よっしゃあ!元気出てきた!!」

『おお、復活したな。と言うか姉上の妖力が漏れているぞ』

体全身から妖力が解放され、金色の妖力によって黒髪が金髪に染まっていく。

うん、作戦大成功だけど、そんなに嬉しいのかな?

「まだ気が早いけど……千歳はどこに行きたい?」

「えっとね、首都のニューヨークに行って、ハリウッドで女優の『フェイト・シャリオン』さんにも会いたいし!後はラスベガスのカジノにも行ってみたいし、後ルート66でアメリカ横断もしてみたいな!もう考えただけでもテンションマックスだよ!」

『ピー?』

『『『わう?』』』

『うん、よくわからん。今度図書館城に行ってアメリカの旅行誌でも見てみるか』

おいおい、ニューヨークとハリウッドはともかく、ラスベガスのカジノは年齢的に無理があるだろ。

それにルート66のアメリカ横断なんて時間が足らなすぎるよ。

「フェイト・シャリオン……?天音、それは誰なのかしら?」

「フェイト・シャリオンさんは千歳が大ファンなアメリカ人の有名な女優さんです。千歳が銃器を使ったり、決め台詞の『Blake The Fate』を言うようになったきっかけでもあります」

小さい頃に二人で見たある映画の主役だったフェイト・シャリオンさんは千歳にとってヒーローみたいな存在だ。

美人でスタイルも良く、映画ではCGに頼らない本格的なアクションを追求している。

そんなフェイトさんに千歳は小さい頃からずっと憧れているのだ。

「まあ、その話はまた別の機会で……千歳、俺は戦神極祭で優勝したい。千歳にとって苦手な相手がいるかもしれないけど……お願いだ、力を貸してくれ」

「天音……うん!任せて!苦手なものは克服しなくちゃならないからね!」

千歳は俺との約束で迷いを振り切り、いつもの調子に戻った。

さて、迷いの種も消えたし……そろそろ行くとしますか。

「さあ、みんな……鳳凰紅蓮団の初陣だ。Are You Ready?」

「「「「Yes!」」」」

みんなはノリが良く腕を上げてそう叫んだ。

「ふふっ……鳳凰紅蓮団、Ready GO!」

鳳凰紅蓮団の初陣となる戦神極祭一回戦第一試合に向け、AGアリーナのフィールドへ歩き出した。

「……おっと!監督の私も行かなくちゃね!」

若干忘れかけていたがアリス先生も俺達鳳凰紅蓮団の大切なメンバー……というか監督の先生だ。

チームメンバーと共に監督の先生も一緒に試合会場に行かなくちゃならないのだ。

再びAGアリーナのフィールドに朝はを踏み入れると、観客席から声援の嵐で目線の先にはチーム輝夜がいた。

チーム輝夜には大将の富士崎輝夜を中心に輝明や他のメンバーが自信満々に俺達を見ていた。

そして、互いのチームが揃ったことで、ついに戦神極祭が始まる。

『それでは、戦神極祭一回戦第一試合、関東校代表・鳳凰紅蓮団と中部校代表・輝夜との試合を始めます!まずは両チームの先鋒の方、バトルフィールドへお願いします』

一回戦第一試合が静かに始まり、先鋒の出番となる。

「恭弥、悟空」

「おう」

『行ってくるぜ』

恭弥と悟空はAGアリーナのフィールドに作られた直径50メートルの正方形の形をしたバトルフィールドへと上がる。

このバトルフィールドはアーティファクト・ギアの攻撃にも耐えられるように堅い物質と物質を固定させる固定の魔法がかけられているらしい。

バトルフィールドに上がると恭弥は顕現陣から金剛棒とガーディアン・アクセサリーを手にする。

緊箍児を模したガーディアン・アクセサリーを頭につけて結界を纏い、恭弥と悟空は互いの拳を軽くぶつけた。

「行くぜ、契約執行」

そして、金剛棒と悟空が契約執行を行い、アーティファクト・ギアとなる。

「アーティファクト・ギア、如意金箍棒」

手の中で数回回転させた後に恭弥が如意棒を構えると、対戦相手……水色のドレスを着た少女、大海七花は弓を持ち出して自分の契約聖獣である人魚を呼び出して契約執行をする。

「アーティファクト・ギア、人魚之弩にんぎょのおおゆみさあ、行くよ?」

弓型で水属性のアーティファクト・ギアか、前に千歳は同じ人魚の血を引く七海瑠璃華さんは水を自由自在に操って千歳を追い詰めながら戦ったそうだ。

水属性は変幻自在の技を使う……恭弥、負けるなよ!

『それでは参ります……浅木恭弥VS大海七花。AGバトル、レディ……ゴー!』

神楽坂先輩の試合開始の宣言と共に大海さんは弓を引いて複数の水の玉を作り出した。

「先手必勝!水絃の矢!」

水の玉から沢山の水の矢が放たれ、それが一気に恭弥に襲いかかる。

しかし、恭弥は慌てる様子を見せずに一呼吸を置いて静かに口を開いた。

「龍牙轟閃」

如意棒の先端が龍の牙のように鋭く変化し、蛇のようにくねくねと動きながら水の矢を一瞬で切り裂いた。

切り裂いた水の矢は細かい水飛沫となり、恭弥の周りへと散った。

恭弥は一歩も動いておらず、如意棒だけが動いて水の矢を蹴散らしたのだ。

契約者が全く動かずにアーティファクト・ギアだけであれだけ激しい動作を正確に動かせるのは相当の技術がいる。

「なっ、なっ……!?」

それを理解した大海さんは顔を真っ青にした。

「悪いな、そう簡単に負けるわけには行かねえ」

如意棒を高く振り上げるとと先端が幾重にも裂かれた。

「天音と、鳳凰紅蓮団のみんなの為に……戦神極祭の初白星を捧げるぜ」

裂かれた先端が徐々に巨大化して龍牙轟閃の龍の牙のように鋭く変化した。

それはまるで無数の牙を持つ巨大な生き物のような形となった。

「如意棒、龍牙無限閃りゅうがむげんせん

振り下ろした如意棒の無数の龍の牙が一斉に大海さんに襲いかかった。

「きゃああああああっ!?」

大海さんはとっさに水のバリアを張るが、龍の牙に呆気なく貫かれてしまった。

防御さえもいとも簡単に打ち抜く如意棒の龍牙無限閃に大海さんの結界エネルギーを瞬く間に奪っていく。

「終わりだぜ」

最後の一撃が大海さんの結界エネルギーを奪い、恭弥の勝利となった。

『試合終了!勝者、鳳凰紅蓮団・浅木恭弥選手!』

『見事じゃ。冷静な判断で大海君の攻撃を防ぎ、圧倒的な力を見せつけたの……もはやその実力は一年生の枠を越えとる』

学園長が恭弥の実力を評価し、俺達はフィールドから降りてくる恭弥と悟空に駆け寄った。

「やったな、恭弥!」

「ああ!」

パァン!

俺と恭弥で勝利を祝うハイタッチをした。

『やったぜ!』

『がはは!やるじゃないか!悟空よ!』

悟空はトールと拳を強くぶつけ合って勝利を喜んだ。

鳳凰紅蓮団初陣となる最初の試合は恭弥の勝利と言う初白星で大きく花を飾るのだった。





恭弥、少し強くしすぎました(笑)


次回は雷花と木乃香、あと書けたら千歳の試合を書こうと思います。

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