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燕二人  作者: K+
六暦621
31/45

30 新担当

 七の月一日の朝、エンは八対二の割合で不安と期待を抱え、宮殿を出た。

 今日から魔術の授業が始まる。教官は琉志央(るしおう)だ。医事者見習いが担当なんて、どうなることやら、エンには想像もつかない。

『琉志央は魔術に関しては見習いじゃない。ルウの民の中でも、琉志央より魔術に通じている者はそう居ない』

 今朝、浴室で、父はのんびりと言っていた。

 結構、琉志央は立派な人だったようだ。それまでは〝ちょっとずけずけしているけど、医事者の修行を頑張っている人〟だとエンは思っていた。

 南学舎通りに差しかかった所で、エン、と後ろから低声に呼ばれた。(みやこ)ではその名で呼び止められることはそうそう無かったが、思わず振り返る。

 医事者見習いが、軽い足取りで追い着いてきた。エンはお辞儀をする。

「おはようございます」

 いつも身軽そうな服装が多いが、今日の琉志央は夏物の上着も纏い、父に似た格好だ。意外とサマになっている。

 しかし話しぶりは、普段通りだった。

「あー、朝なんだなぁ」

 琉志央はポンとエンの背中を叩いて歩き出す。「ちょっと慣れるまでかかりそうだ。俺、医療所で晩飯食べたばっかりだぜ」

「そっか」

 今日から半年間、琉志央は五歳担当をする傍ら、大陸でハイ・エストの手伝いと見習いも続けるらしい。

「ところで、先ず教官舎へ行けと言われたんだが、何処だ、それ」

「大校舎の隣だよ」

 学舎の校舎や門が見えてきて、エンは指差す。「あの茶色い屋根の建物が教官舎」

「ふむ」

 学舎の柵門をくぐり、琉志央は晴れた夜空色の前髪を軽くかき上げた。「んじゃ、行ってみる。またな」

「――うん」

 エンは少々戸惑いつつ、見習い青年の背中を見送る。

『今日から見習いさんは担当さんよ。御挨拶とか、他の教官さんにするみたいにしてね』

 境界の扉の前で母に言われたが、俄かには難しい。


 五歳教室に入ると、入口の近くに、昨日の月末試験結果が貼り出されていた。集まっていた同窓生達と挨拶を交わし、エンも自分の名前を探す。一番上にあった。今回は寿々玻と同位だ。

 安心と嬉しさが半々で、いつもの席に行く。四位に名前のあった星花(ほしか)と、三位につけている頼里が席に着いていた。

 三の月の終わり頃から、課題を一緒にするようになった為か、頼里(らいり)は星花の後ろに座るようになった。エンはずっと星花の右隣だ。休憩時には、三人で喋る機会が増えた。

 頼里はだいぶ後から入学したのに、完全に授業に追い着いている。叔父から時々教わっているそうで、理数学が得意だ。一緒に計算をすると、頼里の方が速い時もあるくらいだった。

 挨拶の後にエンが座ると、星花が早速に言った。

「いよいよ魔術の授業ね。わたし、昨夜はなかなか眠れなかった」

「あぁ、僕も少し」

 エンは破顔する。

 頼里が、興味からか瞳を輝かせて訊いてきた。

皇子(みこ)はもう会った? ユタ・カーの申し子の弟子」

「あ――うん」

 わ、と星花が身を乗り出してくる。

「優しそうな人?」

 エンは返事に詰まった。

「え、えーと……」

 ハイ・エストがそうかと訊かれれば即に頷けるのだが、琉志央は優しいのか、よく判らない。「うーんと……乱暴だけど、いい人……?」

 ええ? と星花が怯えた顔になる。

「ユタ・カーの申し子って、とっても優秀な医術師だって母様が言ってたわ。そんな人の弟子なのに、乱暴なの?」

「う、うーん……」

 巧い説明が見つけられなくて、エンは困ってしまう。

 その時、後方で、慌てたように同窓生達が席に着き始めた。教室の入口から、琉志央がひょいと入ってくる。

「よぅ」

 子供達は口をつぐんで見習い青年を見る。琉志央はエンに気づいて、天井を指差した。「担当室って上か?」

 エンはコクコク頷く。どれどれ、と琉志央は教室を横切ると、螺旋階段をとんとん上がっていった。

 星花が、小さな声で言った。

「大陸の人にしては、かっこいいわね」

「かな?」

 髪や瞳の色が他の人と違った綺麗さだと思う以外、琉志央の姿形にエンは特別な感想を持っていなかった。

 琉志央は、すぐに戻ってきた。螺旋階段の手摺に背をあずけ、両腕を胸の前で組む。見つめる子供達をざっと見返すと、己を親指で示した。

「俺、半年担当することになったから。宜しくな」

 砕けた物言いに、エンは何やらハラハラしてきた。同窓生達は、様々に驚いたような顔をしている。「担当室で好きにしていいって言うから、そうしとく。まぁ、何かあったら来いよ」

 誰かが、くすくすと笑った。何だよ、と新担当が口を突き出す。ぴたっと笑いが止まった。

 軽く琉志央が目を据えると、菫色の瞳が空色がかる。それだけである種の凄味があった。言われてもいないのに、少年が一人、そろそろと立ち上がった。

「あの……好きにして、いいって……担当って、楽しそうだな、と、思い、ました」

 琉志央は鼻で息をついた。

「暇そうだけどな」

 長袴の隠しに両手を突っ込むと、薄手の上着の裾を翻し、身軽に見習い青年は二階へ消えた。

 一科始業の鈴が鳴る。

 同窓生達がささめき合う中、星花は机上に出していた語学教本や筆記具を落ち着かなげに揃え直した。

「怖いわ。ユウタ担当と大して変わんない」

「オレは、皇子の言う通りの人だと思った」

 頼里が、平素と変わらず淡々と言う。えー、と星花が振り返りながら眉をひそめた。

「乱暴で怖かったら、ユウタ担当より酷くなっちゃったじゃない」

 頼里は小首を傾げる。エンは、ぽつぽつ述べた。

「ユウタ担当みたいに、冷たくは、ないよ」

「たった今、冷たかったじゃない」

 星花が口をすぼめる。

 あれは冷たくしたわけじゃないとエンは判っていたが、琉志央と初対面じゃないから判ったのかもしれなかった。

「来たばかりで笑われたからじゃない?」

 頼里が小さな両手に顎を乗せて言う。星花は納得しかねる顔つきだったが、語学教官を見留めて前に向き直った。

 教壇に麻政(あさまさ)教官が立ち、授業が始まる。

 語学は、相変わらず読み書きに徹している。採り上げられる物語は、一の月に比べると真名も格段と増え、長い物になっていた。今月は、ひと月かけて一つの話を読んでいくと教官が説明する。

 物語の本が配られ、順番に、指名された子が朗読を始めた。

 二人目が読み終えようとした辺りで、階段から足音がした。琉志央が、何食わぬ顔で姿を現す。

 子供達は本と新担当に目を行ったり来たりさせた。琉志央は、物珍しそうな目を向けながら、後ろに空いていた席に座る。

 授業中に呼ばれもしない担当が下りてきたのは初めてで、それまで比較的滑らかに朗読をしていた少女は何度かとちった。何とか読み終える。

 常なら、はい次、と言う麻政が、当惑気味に琉志央へ問うた。

「何か……?」

「上に居てもつまらない。ここで一緒に授業とやらを聞く。邪魔しないから、気にするな」

 琉志央らしい返答に、エンは苦笑いしてしまう。麻政は、はぁ、と応じた。ちょっと迷ったようだが、元来温和な教官で、それ以上は新担当に何も言わなかった。

「では、朗読を続けましょう。次の人」

 どぎまぎと、指名されていた子が続きを読み始めた。紛れて、何ですか、とおどおどした小声がした。

 エンが振り返ると、琉志央が隣に居た尾久(おく)の本を覗き込んでいる。教室をゆっくり歩いていた麻政が、やや天井を仰いだ。自分が持っていた本を黙って琉志央に向ける。

「お、悪ぃ」

 琉志央は悪びれずに受け取る。麻政は朗読を中断してしまっていた少年に、続けてください、と促す。本は人数分しか無かったから、教官は手ぶらで教室を巡り出した。

 見習いさん、何だかんだ言って邪魔してるな。

 思うと可笑しくなった。笑いをこらえると、益々笑いたくなる。物語の内容が、ちっとも頭に入ってこない。

 吹き出しそうになるのをうつむいて抑え、エンは懸命に文字を追った。朗読が終わったら小試験があるから、出てきた真名を覚えておかなくてはならない。

 物語が一区切りつき、教官は教壇から紙束を手にした。

「本を閉じて。小試験です」

 エンは配られた問題を見て血の気が引く。分からない。「始め」

 皆、一斉にとりかかる。エンも必死に思い出そうとした。

「試験ですから覗かないでください、担当」

 麻政が焦ったように頼む。また尾久を覗き込んでいたようだ。エンは治まりかけていた笑いの衝動が蘇ってしまい、肩が震えた。書きかけの文字が歪む。

 語学の小試験で、エンは初めて半分近く書けなかった。

 教官が答を黒板に書く。答合わせをすると十問中、四問しか正解していなかった。

「全問正解できた人」

 教官の問いかけに誰も手を挙げない。八問まで問うたが全員が無反応で、麻政は困ったような顔をした。「今日は全員、復習をしっかりやるように。明日の為に、予習も」

 終業を知らせる鈴が鳴る。

 では終わります、と教官は告げ、黒板を布で拭いた。拭いてから、頬杖をついて本をめくっている琉志央を見る。

「終いまで読みますか?」

 んー、と琉志央は本を閉じた。

「何か、あんまり面白くなさそうだ。やめとく」

「そ、そう、ですか」

 麻政は口元を引きつらせたが、本を返した琉志央が、ありがとな、と言うと、表情を少し改めた。では、と一礼し、荷物を抱え直して教室を出ていく。

 星花が、ひそひそ声で言った。

「担当室で好きにしてろって言われたのに、教室で好きにしてるわよね」

 エンは、とうとう吹いてしまう。笑って腹を抱える斜め後ろで、頼里が日に焼けた額を掻いた。

「こっちに覗きに来たらどうしようかなと思ってたら、集中できなかった」

 エンが笑いを止められずにいると、くしゃっと髪を撫でられた。振り仰げば見習い青年が来ている。

「試験の成績、どうだったんだ」

「見習いさんが、邪魔してるから、可笑しくて、全然できなかったよ」

 エンは目元に滲んだ涙を拭いながら言う。星花は心配そうな目をちらちら向けながら、二科の準備を始めた。

 琉志央は頼里の隣に座りながら、長めの足を組んだ。

「邪魔だったか? そりゃ、悪かったな」

 頼里が十露盤(そろばん)を出しながら、物怖じせずに尋ねた。

「担当は見習いなんですか」

「医事者のな」

 子供用の低い椅子に、いささか座りにくそうにしながらも、琉志央は背もたれに寄りかかる。つと、身を起こした。「おい、そっちの足、出しな」

 頼里は促されるまま、横向きに座り直すと左足を浮かす。琉志央が少年の袴の裾をめくると、脛に、出血こそしていなかったが赤く大きな切り傷があった。エンは息を呑み、振り返った星花が、ソレどうしたの、と驚きの声をあげる。頼里は平然と言った。

「今朝、手伝い中に、鎌の扱いをしくじっただけ」

 屈み込んだ琉志央の右手が、ぽっと仄白く光った。

「ちゃんと洗ったのか? 結構深いぞ」

「母さんが綺麗にしてくれました」

 頼里は応えながら、癒し術で傷を治しだした琉志央を不思議そうに見た。「医事者って、見えない怪我も判るの?」

命帯(めいたい)を見れるとな」

 へぇ、と頼里と星花が同時に言う。琉志央は傷を消し去りつつ、続けた。「俺は、命帯見ただけで正確には判断できない。揺れてたから、後は直に見てみたわけだ」

 気づくと、同窓生達が覗き込んできている。メイフェス・コートで、癒し術は誰もできない。怪我をしたら放置か薬を使うかして、自然に治るのを待つしかない。ルウの民の治りは早いが、流石にたちまちではなく、術によってみるみる傷が消えていく様は、とても珍しい光景だった。

「よし、完了」

 琉志央は光を消した手を、子供達の人だかりにぺっぺと振った。「おいこら、見世物じゃないぞ。散れ散れ」

 幼子達は歓声をあげて席に戻る。

 頼里は傷の消えた足をさすって、じんじんしなくなってる、と感嘆した様子で言った。

「ありがとうございます、担当」

 おぅ、と琉志央は立ち上がって口の端を上げる。

 新担当は背中を伸ばしながら、次は何だ、と言った。エンが、理数学、と告げると、青年は、ち、と舌を鳴らした。

「見物してても退屈そうだな。しっかし上に一人で居てもつまんねぇんだよな」

 二科始業の鈴が鳴った。つかつかと理数学教官の丙亮(へいりょう)がやって来る。早ぇな、と琉志央が呟いて、教室のあちこちで笑声が洩れた。

 丙亮が、時間ですから、と、さらりと言う。

「授業を始めます。琉志央担当は二階に戻ってください」

「しょうがねぇな」

 琉志央は首の後ろをさすりながら螺旋階段に向かう。

 誰かが言った。

「又すぐに下りてくるんじゃないの」

 厳めしい顔で丙亮が新担当を見る。琉志央は、肩をすくめた。

「暇なんだよ、上」

「では一緒に授業を受けてください。本日は雨季の雨量を算出します」

「それ何か役に立つのか?」

「立ちます」

「俺は適度に降ってくれりゃ、後は別にどうでもいいんだがな」

「量を知りたい人も居るんです。さぁ、座って座って。始めますよ」

 琉志央は口を曲げ、語学の時間と同じ席に座る。尾久は真ん中の席に移動していた。又も覗き込まれてはかなわないと思ったのだろう。

 語学よりは落ち着いた雰囲気で、授業が始まった。

 静かに、時が経過する。

 エンは次第に、琉志央が大人し過ぎることが気になってきた。

 丙亮が宿題の問題を黒板に書き始めた時、エンは振り返った。星花や頼里、他の同窓生達も次々振り返る。皆、担当はどうしたのかと思っていたようだ。

 夜色の頭が、机に突っ伏していた。

 寝てる?

 エンは星花や頼里と目を見交わす。丙亮の声が、ゆっくり響いた。

「皆さんは琉志央担当の真似をしないように」

 皆、急いで前に向き直って宿題を写し出す。

 丙亮は、白墨の粉が付いた指を手巾で拭きながら続けた。

「今月からは、一人で宿題を。自信の無い人は誰かとやっても構いません。但し、これまで通り、大人に手伝ってもらってはいけませんよ。各自の正解数で、今月も二十九日に御褒美をあげます」

 終業の鈴が聞こえ、終わります、と告げると、教官は黒板を丁寧に布で拭く。拭き終えると、眠りこけている新担当には目もくれず、きびきびと教室を出ていった。寝ている琉志央を起こす気は微塵も無かったようだ。邪魔をされるよりは、大人しく寝ていてくれた方が良かったのだろう。

 神学の教本を出しながら、星花が笑みを見せた。

「担当、怖くなくなった」

 頼里が気づかわしげに後ろを振り向く。

「さっきの術って、どれぐらい術力が要るんだろう。オレの治療をした所為で疲れたのかな」

 エンは、机に抱きついている青年を見やる。

「大陸は今、夜だから、それで眠いのかも」

 そうか、と頼里は少しほっとした顔になってから、首を傾げた。

「じゃあ、寝せておいた方がいいのかな」

「いびきをかき出したりしたら、わたし、笑っちゃいそう」

 星花が口許に手をあてる。「このままにしておいて、陽乎教官や木槿教官がどう反応するかも興味あるけど」

 同窓生の何人かが、そうっと青年担当を覗き込んでから素早く離れ、くすくす笑い合っている。馬鹿にしているというより、微笑ましいといった感じだったが、面白がられているようにも見えた。エンは、気の毒になってくる。

「寝るなら、担当室でもいいよね」

 エンが席を立つと、うん、と頼里が応じる。エンは琉志央に歩み寄った。近づくと、すうすうと存外大人しい寝息が聞こえる。恐る恐る声をかけた。「ねぇ、見習い――担当、起きてください」

「皇子、起こさなくていいよ」

 最初に、何だよ、と琉志央に言われてしまった少年が、こそこそ言った。「寝ている方が平和だよ。丙亮教官も、だからほっておいたんだ」

「でも、この後、授業中に起き出しちゃうんじゃ……」

「熟睡してるよ」

 今一人が覗き込んで言った。「魔術教官にしては油断し過ぎだよね。僕らは大陸人よりずっと術力があるのに」

 その発言で、同窓生達が囁き合い始める。数人が見下す目つきで青年を見ているのに気づき、エンは胸が騒いだ。

 結界を張ってあげようか、とエンは医事者見習いを見た。

 自分以外に張るのは、呪文が要るだけだ。

 エンが右の指先に意識を集中させた時、ツバメの声がした。

「起きるぞ」

 ほぼ同時に、あ、と幾つかの声があがった。琉志央を覗き込んでいた少年が、飛び退くように後ずさる。

 深く息を吐くのが聞こえ、琉志央が大きな手で己が髪をかき上げた。寝惚けて据わった空色の双眸が、こちらを見る。

「あぁ、エンか」

 髪に手をうずめ、琉志央は笑みを閃かせた。「お前、術力安定してないのか。命帯は大人しいのにな」

 起き抜けに何の話を始めたのか、エンは判らなかった。もうすぐ三科始業の鈴が鳴る筈で、早口に告げる。

「見習い――担当、寝るなら担当室にしてください。気になっちゃうもの」

「んー、そうか……そうするか」

 ふらりと立ち上がると、寝足りなさそうに琉志央は欠伸をした。「寝台持ってくるかなぁ、上に」

 言いながら階段へ向かい、二階へと姿を消す。

 エンが席に戻ると、星花が言った。

「あんなにきらきらした青い結界、初めて見たわ。綺麗だった」

 琉志央が、起きる寸前に結界を張ったのだとエンは察した。

「青に銀が混じって見えた。普通は混じらない色だ」

 頼里が肩をすぼめた。「見た時、鳥肌が立った。大陸の人と言っても、帝が選んだだけある」

「脅かさないでよ、ドキドキしてきた」

 星花は下唇を噛む。「今日は他の授業が頭に入らない」

 魔術は残る神学、史学を終え、昼休憩を挟んでからだ。初めての五科開始まで後四時間ばかり。

 三科始業を知らせる、鈴が鳴った。

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