Lost Memory
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目が覚めると、目の前に知らない女性がいた。
「おはよう。やっと起きた?」
「……君は……誰?」
彼女の顔がみるみるうちに雲っていくのが、手に取るようにわかった。
言葉が出ない、そういった感じだ。
彼女は僕に背を向けてすすり泣きしていた。
慌てて荷物を取り寄せて、ドアをバタンと閉めて部屋を出ていった。
一体誰だったんだろう?記憶の糸を手繰り寄せるよう、思い返してみたが、ダメだ。
全くわからない。
思い出せば思い出そうとする度、頭がズキズキと痛む。
僕は考えるのをやめ、ぼーっと古びた天井を眺めていた。
明くる日、彼女はまた僕の病室にやって来た。
彼女の名前はリサと言うらしい。
名前を聞いても今一つピンとこない。
彼女は僕に色々と思い出話を聞かせた。
僕は少しずつだったけど、記憶を取り戻していった。
リサは、そう、僕の恋人だ。
愛する彼女を忘れてしまうなんて……最低な男だ……。
だけど、僕はまだ重要なことを忘れているような気がした。
記憶喪失ってそういや生きていくのが苦痛になるほど悲しい過去を抱えると、自分の精神を守るため記憶を閉まっておくんだっけ……。
こんなことやどうでもいいことは覚えてるのに、彼女に関する記憶だけがすっぽり抜け落ちていた。
次の瞬間彼女は涙ぐみながら確かにはっきりとこう言った。
「お兄ちゃん、愛してる……。」
全ての記憶が鮮明に蘇り、僕の頬には一筋の涙が流れた。
愛する彼女は血の繋がった妹。
「うわぁぁぁぁぁ!」
僕は叫び狂ってそのまま気を失った。
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます☆