StoryCode:“maihiren”#1 『Are we still dreaming a dream?』
シラユリの巫女より。
StoryCode:“maihiren”#1 『Are we still dreaming a dream?』
《逃避夢》って知ってる?
わたし、見たことあるんだ。逃避夢。
みんなはどうかな?
見たことあるって人は、今日の夜。
一緒に会おうよ。
一緒に、
会おうよ。
見たことあるんだから逢えるはずだよ。
みんなで一緒に逃避夢を見ようよ。
一緒にいればぜんぜん怖くないし。
みんながみんなで友達にもなれる。
友達が沢山いたほうが絶対に楽しいもん。そのはずだから、一緒に見よう。
逃避夢は、無限の可能性を持っている。
一人が逃避夢を見ると、それが拡がって、多様な生命体に伝染る。
だけど、なんでかな。
今は、人間しか、逃避夢を見ることは出来ない。
逃避夢って、人間しか見れないと思ってる?
違うよ。
逃避夢は人間以外も、見れちゃうんだよ。
その人間っていうのも、また特別な話でね。
ただの人間じゃあ、垣間見ることすら赦されない。
特許だね。特許特許。
あ、違うかな??んふふふふふふふふふふふふふふ。
面白くて笑っちゃった。
逃避夢を想起していると、考える事を忘れて、一生笑えちゃうような気がするんだよね。それってさ。
なんか、別の世界の人間になった気分で、高揚となる。
ただの人間。
ただの人間。
ただの、人間??
“ただの”って、どこをベースに、ただの、なんだろう。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯わたしが思う必要性はない事かな。これ。
これ。
わたしと同じような人間が、他にも沢山いることは分かってるよ。そうだから、一緒に逢いたいんだ。
世界の普遍を願う者。
わたしが成りたい人間の一つに該当する。
逃避夢は、わたしの願いを無条件に叶えてくれるんだよ。
嬉しいなー。それって。
無条件だよ?無条件。
わたしが何もしてなくても、逃避夢は⋯わたしを、支えてくれる。
癒してくれる。
褒めてくれる。
慰めてくれる。
微笑んでくれる。
慈しんでくれる。
楽しませてくれる。
⋯⋯⋯⋯死んでくれる。
わたしのために、死んでくれる。
わたしが邪魔だ⋯と叫んだら、すぐに死ぬ。
それが如何に嬉しいことか、あなたには判る?
不必要な存在って、なんか急に、『居なくなって欲しい』と思うことない?
わたしはけっこうあるんだ。そういうの。
いなくなっちゃえ。
いなくなれよ。
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死ねって
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逃避夢はわたしの全てを見ている。
管理。
監視。
規律。
調和。
根幹に眠る、わたしの人間性を開拓すると共に、破壊行動にまで達する。
どうにかして、わたしの心を抉って来るけど、やめて⋯と思う日もある。
わたしをわたしで無くするのはやめて。
勝手にわたしを壊さないで。
壊して⋯と言ったら壊しに来て。
それは、とてもとても、心が安らぐことだと信じてるから。
だって、わたしがこの世界から抹消されるんだもん。
心、安らぐよね。
安らぐどころの騒ぎじゃないかもね。
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Ever-fleeing the authenticity of my own experience,
i was entire spent by a life,composed of accumulated fiction
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