StoryCode:“kokkai”#1 『金を払うほどの女』
StoryCode:“kokkai”#1 『金を払うほどの女』
仕事が終わり、今日は同期の男と一緒にピンサロに行こうと約束をしていた。同期も、何とかギリギリの所でプロジェクトの整理が終了し、俺と合流する事が出来た。とは言っても、まだ時間的には18時。先にメシでも食って、今日の天国までの時間を優雅に過ごすとしよう。なんてったって、今日は華の金曜日。明日は休みだからな。この夜を大事にするか否かで、週末の気分もガラリと変わるってもんだ。
メシは居酒屋。今日のオフィス内で起きた出来事を俺にぶつけるなり、友達からの上司悪口が止まらない。少々暴発気味な気がしてならない。おいおい⋯こっからお前、可愛いお姉ちゃんにバチバチに抜いてもらいに行くんだぞーー?おーーい。
そんな俺の願い届かず、ガンガン飲んでいく。
迷惑客として出禁リストに載らなきゃいいが⋯。でもまぁ、俺が被害を受ける訳じゃないか。そうだな、俺が悪影響を⋯ちょっとまった。コイツと一緒に来たら、たぶん後始末を食らうのは俺だ。コイツはこの通り、泥酔寸前。きっとここからも飲み進めるに違いない。
今日、すっげぇ評判いい所なのに⋯⋯俺まで出禁くらったら正気保てん。
◈
「じゃあ行こーぜーー」
「おいおい、大丈夫か?」
「だいじょーーぶだいじょーぶ」
中途半端。泥酔と酔い、の狭間みたいな感じ。正直言って、面倒くさいのはこういった中途半端な状態だよな。心配しなきゃいけないし、別に⋯あれ?しなくてもいい感じ??って。出来るならどっちかに振り切ってほしいんだけどな⋯。
「ここかあ?」
「そう。ここ」
「“ラブリーマシンガン”。へぇー、いいじゃん良いじゃん」
「結構な値段するみたいだけど、この際さ、S級を味わいたいだろ?」
「お!分かってんじゃん!!風俗なんて金が高ぇ所に行くのがイッチャンなんだから!この前なんて、1時間4000円のところがあってよぉ」
「安っ。絶対やべぇじゃん」
「んな。今考えたらそうなんだけどよ、もうムラムラが止まんなくてよ、一発抜いてほしかったから入ったんだけどよ」
「お前の冒険心はすげぇな」
「めちゃくちゃブスの集まりでよ⋯もうやばかったぜ⋯」
「“集まり”って⋯?」
「写真がもう完全な盛り盛りの詐欺でさあ。まぁ安いからいいっかぁってなって、一人女の子指名したらよ⋯もう、、、激ヤバ」
「ブス?」
「ブス!写真では何とか歪な部分を加工して紛らわそうとしていたけど⋯それが表に現れると⋯悲鳴もんだったぜ⋯」
「んでぇ?抜いてもらった?」
「仕方なくな」
「なんだそれ」
「金払ってるし、女であることには変わりねぇから。ちゃっかり勃起もしちゃってたし」
「興奮してんじゃねぇか」
「まっ、今回はそんな見るに耐えない女がいないことを祈るよ」




