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HANDle my love  作者: 宍井智晶
20/36

20 星を食べてしまった熱

 僕は、ワニコが僕みたいな初対面の相手に、くわしく話すことにびっくりしていた。

 ワニコはフック船長が落とした懐中時計を食べたという。金色の星みたいだったそれを。

 「本当に星をたべたの」

 ワニコは、うん、とうなずいた。そして僕に、

 「俺の腹の下に入ってみ」

 と言った。

 「聞こえるだろう?」

 とワニコは言う。僕は、ワニコの腹に体をつけて耳をすます。ワニコは僕に向かって白い腹を突き出して反りかえる。

 「な?」

 と、ワニコは言う。僕は、うーん、と思う。たしかに、ワニコの柔らかい腹の肉を通して、何かが動いているような、気がした。

 「なんかある。」

 と僕は言った。ワニコは嬉しそうに

 「これな、俺の子どもだ。まだ生まれてこんけども。」

 と言った。そして、

 「鳴ってるうちは、まだ頑張らなくちゃならん。」

 と言った。

 「何を頑張るの。」

 と僕が聞くと、ワニコはそれには直接答えず、話の続きを始めた。僕は、心配になった。ワニコの瞳が不吉なほど、熱っぽかったからだ。僕の恋人のリボンが星を食べてしまったらどうしよう、と思った。

 

 それにしても、ワニコが言っていた、「好きな男」っていうのは、いつ話にでてくるんだろう?それとも、まさか、もう出てきているのだったらどうしよう?なにも頑張りようがない気がするよ、と僕は思った。

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