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第3話 居残りと訳

 高校入学初日から居残りをくらってしまった。

 教室にはボク以外誰も居ない。

 しかも当の神楽先生も居ない。居残りって言っておいてどこに行ったんだろう?

 窓からは帰路に着く生徒とその親が見える。


「……はぁ」

「何か悩み事でもあるのか?」

「!? ……びっくりさせないでくださいよ。神楽先生」

「ご、ごめんな」

「いえ、大丈夫です」

「そうか。……さて、長谷川に残ってもらったのはな、一つ聞きたいことがあるからだ」


 いつの間にか後ろにいた神楽先生は話を移した。

 聞きたいこと? 注意するんじゃなくて?


「うん? 意外そうな顔だな?」

「てっきり注意されるものだとばかり……」

「注意? ああ、確かに。……こほん。長谷川、人の話は()()()()聞きましょう。まあ、俺が考えるに、とっさの質問にも答えられるぐらいなら聞いてるふりをしても良い。その時は徹底的にな」


 神楽先生は悪戯っぽい笑みを浮かべた。

 ……先生がそんなことを言っても良いのだろうか?

 そういえばと、神楽先生は生徒から人気のある先生だったことを思い出す。ボクは必要最低限にしか関わったことがなかったからその理由までは分からなかったけど。

 今、なんだかその理由が分かった気がした。


「はい、徹底してやります」

「うん、よろしい。それで、聞きたいことなんだが……」

「何ですか?」


 偉く濁すね。

 そんなに言いにくいことなのか。

 流石に、今日を経験するのが二度目なんだが、もしかして長谷川もそうだったりするのか? なんて聞いてはこないだろう。……流石に。


「……信じてもらえないかもしれないが」


 まさか? 予想していたことを言う、とかないよね?


「実は俺、今日を経験するのが二度目なんだ。もしかして長谷川もそうだったりするのか?」


 ボクの予想と一言一句同じな訳ではないけどほとんど同じことを言っている……。

 そしてボクはどう答えたら良いのだろうか?

 何を言っているんですかと嘘をつき、六度目であることを隠すか。

 本当のことを言うか。

 それともまた別の選択をするのか……、そもそも神楽先生はどうしてボクに聞いてきたんだろう?


「……あの、どうしてそれをボクに聞くんですか?」

「それは……、今日を一度目に経験した時と二度目の今日で長谷川の様子が違って見えたから。それにお前、一年生四月の時点では一人称『私』だったよな?」

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