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求るは平穏

お盆から数えて49日前の階段

これは本当の話。


 スーパや病院、駅も近く、周りの家の半額以下で売られている物件がありました。話を聞くと、それは事故物件。友人は霊感がなく、気も強かった。彼からしてみれば、とても都合の良い優良物件。大家の話も聞かずに、その家に住むことに決めました。これは4月のことです……


 6月末、僕は友人の家に初めて遊びに行きました。僕も友人もゲームで遊んだり、談笑したりして、楽しいひと時を過ごしました。遊びすぎて酔いが回りましたので、僕は彼の家に一晩泊まることにしました。目を閉じてしばらくすると、ギシッ ギシッ、と何か軋む音がしていることに気がつきました。

「この軋む音はなんだよ」

僕は友人にこと軋む音について尋ねると、友人は平然とこう答えました。

「ただの家の軋みだよ。この家も古いからな、ボロが出てきているんだよ」

なるほど、ボロの家だと軋みもするか…… 僕もそう思っていました。


 八月の初頭、友人の家に再び遊びに行きました。そのときも、友人にもてなされてとても楽しいひと時を過ごしました。前回の反省を踏まえ、今回はお酒を少しだけにしましたので、そろそろ自宅に帰ろうとした時、友人がふと僕に尋ねてきました。

「お前は幽霊を信じるか?」

「自分のおじいちゃんが天国で幸せであって欲しいと思うから、僕は幽霊を信じるよ。それ以外の幽霊は怖いから、いるとしても僕の前に現れて欲しくないな」

それを聞いて、友人はまた呟きました。

「今朝、物が落ちていたんだ」

物が落ちてる?どういうことだろうと思い、詳しく話を聞きました。すると、棚に置いてある物が数点床に落ちてあったそうです。そんなバカな話ありますか。呆れながら友人にこう言いました。

「じゃあ、今僕の目の前で部屋の写真を撮れよ。それで明日の朝、今撮った写真と見比べてみろよ」

そうして、友人に部屋の写真を撮らせてみました。次の日の朝、友人が送ってくれた写真にはなんの異変もありませんでした。友人に「なにもないじゃないか」、そうメッセージに送ると「そんな馬鹿な!」とメッセージと共に写真が送られてきました。再び写真を確認しましたが、やはり異常などないわけです。


8月12日、友人が体調不良ということで、僕が介護に行きました。友人は疲れていたようで、すぐにベットにつきました。僕はお粥を食べさせたら少し元気が出てきて、こう言いました。

「写真見てないだろ」

「いや見たよ、既読になっているだろ」

即座にこう答えました。すると友人は写真のフォルダを僕に見せて、これのどこに異変がないというんだ、と言うから友人のフォルダを見ると、僕はとても驚きました。僕は、自分の写真フォルダを彼に見せると、彼も驚いていました。僕と友人の携帯の画像が違うのです。僕の携帯の部屋の写真はとても綺麗に整列されているのに対し、友人の携帯の部屋は物が散乱していました。なにを言っているのかわからないと思いますが、同じ写真なのに、写真が違うのです。


8月14日の朝、友人から写真が送られてきました。それは、くびを紐で縛られたであろうあざがある写真でした。僕は彼の身の危険を感じ、彼に電話をしましたがつながりません。慌てて彼の家に行きましたが、いませんでした。8月15日の朝も写真が送られてきました。今度は首の他に、お腹と鼠蹊部にもあざがありました。また彼の家に行きましたが、結果は昨日と同じです。


そして、8月16日になった直後、友人から電話が来ました。僕はすぐに家を出て、彼の家に向かいました。友人は裸で外を飛び出ていました。彼の首、お腹、鼠蹊部には痛々しいあざがありました。服を着せ、すぐに病院へ行きました。お医者さんも驚いていて、すぐに処置を始めました。結果命に別状はなく、精神病だと言う診断をいただきました。ただ、今までのことから、僕は彼が精神病ではなく、幽霊の仕業だと確信しました。友人の話を聞けば、8月13日の夜強い痛みを感じ、僕に電話をするも通じず、部屋からも出られない、まるで別空間にいるようだったと。8月15日の夜、再び強い痛みを感じて目が覚めると、二人の女が、僕の体を縛り、刃こぼれした包丁で何度も首とお腹と鼠蹊部を切ろうとしていた。4を悟った時、8月16日になった瞬間二人は忽然と姿を消した。今度は電話も通じて外にも出られた。


彼が落ち着きを取り戻したので、家の大家のところへ話を聞きに行きました。大家は友人の顔を見るや否や、やっぱりかと愚痴をこぼし、話を始めました。今回、友人はしっかりと大家の話を聞きました。

「昔、それは街で一番と言われる母と娘がいました。父親はおらず、二人で生活をしていました。ある時、一人の男が母と娘を56しました。その56仕方が残虐で、頭、胸、お腹、足に引きちぎられた。二人はその時に恨みによって、亡霊となり、男が住んでいたあの部屋に、恨みを晴しにやってくる。6月28日に異変が始まり、8月2日に物が落ちてくる。8月8日に体に異変が起こり、8月13日から体に異変が起きてくる。

これはお盆の最終日である8月15日から数えると、49日前、14日前、七日前、そしてお盆で、それに合わせて、二人の亡霊は具現化してくると私は考えているわけです」


大家の話は、友人の話と全く同じで驚きましたし、恐怖を感じました。あの事件以降、友人はすぐにお清めと引越しをしました。友人は元気になり、もう幽霊の事象に悩まされることは無くなりました。


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