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週刊スキルメール  作者: 鴨川京介
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48.闇魔法【2/24】

 その後、場所をホワイトハウスに移し、4人で協議を続けた。


 その結果、ニック・ブライト少将は中将に昇格して宇宙軍司令官に就任することになり、ウィリアム・ピール大佐は少将に昇格して宇宙軍参謀として昇格した。

 二人をファミリーに迎え入れるべく、その夜にでもラーニングで宇宙工学について勉強してもらうことにした。

 その後、ジャパン・ラボにも招き、MITの教授たちを交えて、地球連邦軍創設のための計画を練り直していった。


 そこには自衛隊幹部の白木1等空佐と雨宮2等空佐も同席していた。


 この二人は義男たちが自衛隊に乗り込んで説得してきた次世代の幹部たちだ。

 さて、あとは日本の政治家だな。


 俺たちはアメリカと対峙したときから、日本の若手政治家について調査していっていた。

 ようやく絞り込めたんだ。

 いろいろとひも付きが多くて苦労したよ。


 …最も苦労したのは俺じゃなくてホープ・マンション組なんだけどね。

 彼女たちも今やMIT卒業の才女ばかりとなった。

 子供たちもそれぞれ卒業資格をもらっている。

 もっとも、高校生以上だけどね。

 中学生でも美香だけは特別扱いだ。

 既にMITの卒業と同時に博士号も取ってしまっている。

 この子の将来がどうなるのか不安だ…。


 さて、今日も水曜日の朝になった。

 今朝を入れて残り5回か…。

 今日授かったスキルは【闇魔法】というものだ。

『闇に関するあらゆる魔法が使える。』

 うん、知ってた。

 説明ではヒントすらないことを。


 闇…闇ね。


 俺はいろいろ試してみた。

 これは暗闇という物理現象に対してのものだけじゃない。

 心の闇といった部分、いわゆる精神魔法に近い操作ができるようだ。

 暗示などもこの部類に入るのだろう。もう既に使ってるけど。

 でも、スキルでもらったのはありがたいな。

 これでいろいろと政治家との交渉もはかどるだろう。


 俺たちが目を付けた政治家は一人ではない。

 政策集団ともいうべき集団で会員数は200人ほどいるようだ。

 ある大学の政策サークルが母体のようで、今の日本を変えるべく奔走しているようで、OBである若手議員などが頻繁に顔を出しながら、今の日本の動向や政治に関しての討論を繰り返して、意見書などを政党事務局に提出し続けている。


 う~ん。無駄なんだけどね。

 だって、誰も若手の意見なんて求めてないもの。


 全裸国会でたくさんの議員が引退した中、結構しぶとく生き残っているじいさんたちがいるんだよな。


「あ…あなたは!」

 俺が政策サークルの扉をノックしようとしたときに声を掛けられた。

「ひょっとして、玉田紀夫さんですか?マジカル・ワールドの代表取締役社長で、Witchのリーダーでもある、あの玉田紀夫さんでしょうか?」

 俺より幾分低い身長の女性が目をキラキラさせながら詰め寄ってきた。


 な…なんだ?

 俺ってどう見られてるんだろう?


「今日本中で物議を呼んでる「寺子屋」の運営者で、MITの教授でもあるんですよね。あ、私Witchのアルバム買いましたよ。」


 ……これが女子大生のノリというやつか…。


 俺の腕をスッととって、しおりがその女性に言った。

「あなたはどなたですか?私は護摩木しおりと申します。この人と同じMITの教授です。」

 そう言って自己紹介した。

 MITの教授って自己紹介。すごいね。

 しおりは少し怒った顔でその女性を見ていた。

 女性は慌てて姿勢を正し、自己紹介しだした。


「ごめんなさい。あこがれの人が目の前に現れたのでつい。私は自民党の若手議員で白鳥瑞穂と言います。」


 深々と頭を下げてあいさつした。


「玉田紀夫さんですよね。ここに何の御用ですか?」

 今度は俺が質問される番だ。

「日本の政治についての討論をされていると聞いて、どんな人が出入りしているのか興味があってきてみました。白鳥さんはここのご出身ですか?」

「はい、そうです。すでに5年も前に卒業しているんですが、政策サークルのメンバーを育てるためにもいまだにこうして通っているんです。よければ中に入りませんか?メンバーをご紹介します。」

 俺はそう言われて中に入った。


 それから5時間ほど今の日本の政治について議論を交わせた。

 俺たちの触媒能力は政治の世界でも通用すると立証出来ただろう。

 俺たちはしおり、翼、義男と4人で来ていた。


 ここに集う学生や政治家は物の本質が見えてきている人たちだと思う。

 俺たちが流していた暴露サイトもしっかり気づいていたし、そのことを検証もしていた。ただ単に情報があるからと人を非難することはせず、自分たちで確証を得てから糾弾する姿勢に好感を持てた。

 この人たちなら大丈夫だろう。


 議論がひと段落つき、持ってきていたお茶をみんなに配りながら、率直に白鳥さんに聞いてみた。

「白鳥さん。日本の首相になりたくはありませんか?」

 と。


 しばらく考え込んで、その考えをまとめながら答えだした。


「法律上は被選挙権が得られる25歳から総理大臣に任命されることはできるわ。でも、それまでの経歴などが重視されるから、歴代首相で一番若かった初代総理大臣の伊藤博文でさえ、44歳だったわ。今は60歳過ぎの独壇場ね。私、それまで政治で日本を正すという志を持ち続けていられるかどうか。結構不安なところでもあるのよね。」


 う~ん。若い女性にこれ以上突っ込むのは難しいな。


「では、30代で白鳥さんが信頼のおける若手議員はいますか?」

「そうね。それなら大竹先輩が候補に挙がるわね。」

「その大竹先輩に同年代のサポートする人たちはついていますか?」

「ええ。このサークルOB達がついているわ。」

「OBを含めた皆さんと一度会うことはできないでしょうか?」

「それなら今日だって会えるわよ。いつもこのサークル後は決まって駅前の居酒屋でお酒飲みながら討論してるからね。」


 俺たちはその飲み会に出てみたが、かなり期待外れに終わり、その飲み会を後にした。


「鑑定したら大竹先輩を含めてその周りが全員在日帰化人だったとはね。」

「まあ、言ってることに間違いはないし、自由、平等、博愛を目指す若い政治家たちと考えればあれはあれでいいんじゃないの?」

「それがいつか平等な権利とか外国人参政権とかに向きだすんだろうね。在日の根は深いからね。」

「若いときは自由にやらせて、責任が付きだすとあらゆる手が伸びてくるもんね。」

「そういうのを俺たちは見すぎてるのかもね。」

「どうするの?他をあたる?」

「…いや、もう時間もないことだし、現政権に殴り込みでもかけてくるよ。前に襲われそうになった恨みもあるしね。」

「う~ん。どうしてもそうなっちゃうか。殺されかけてるもんね。」

「どうして暴力に訴えれば相手が黙り込むと思えるのかね。やくざのやり口と変わらない。」

「仕方ないんじゃないの?そういう戦後のどさくさを生き抜いてきた政治家が多いでしょうからね。」


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