受験勉強
壁紙に爪を立てて
ベリベリと剝がしてみると
めくれた面よりも大きな眼があった
慌てて戻して机に向き帰る
数学Ⅱ、因数分解
仮面被ったαもbもそれを取れば実体が見える
数学では虚数iも存在の一つだ
右の壁は見ない
しまい損ねたまつ毛が一本飛び出ていても見ない
鉛筆の芯はどんどんなまくらになっていく
高校の数学問題にはその全てに正解が用意されている
あらゆる数字や代数はカッコの中へと集約されていく
さっきよりも大きく剥がしてみた
さっきよりも大きな眼球がぎょろりと広がっていた
毛細血管は採点の赤ペン線より細くて赤い