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3.よろしくヒーラーちゃん


 翌朝、勇者くん達と王都はずれの聖堂教会の一室を訪れた。


「あっ!レオン!聖剣無事にゲット出来たの?」

 と勇者くんに、金髪に金眼の可憐な少女が駆け寄ってくる。ふむ……服装からして聖堂教会のヒーラーか。


「そ、それが……」

 と勇者くんは俺との経緯を説明した。





「うわー……災難だったね……」

 とヒーラーの少女ハンナちゃんは言う。……災難?俺は運命だと思うがね!


「レオンが、マヌケ過ぎるだけだ……」

 と辛辣なクラウスくん。


「うぐっ……とりあえずこの剣がアインザームカイト……通称アインザーだよ」

 と俺を示す。


『よろしくハンナちゃん』


「しゃべった……」

 とビクッとする。


『あー……怖がらせてごめんよ。なにもしないから……大丈夫、大丈夫』


「う、うん……」


『これからよろしくねー』


「は、はい、よろしくアインザー」

 と戸惑いつつも受け入れてくれた様だ。この子は素直な子の様だ。一安心。






『それでこれからどーするんだい?』

 と勇者くん達に問いかける。


「……うーん……魔王城へ早速乗り込むよ!と言いたい所なんだけど……その場所がさっぱり分からなくてね……だから魔王の配下を虱潰しにあたっていこうと思ってるんだ。困っている人も助けられるしね」


『ふーむ……それしか無さそうだねぇ……それに配下をあたるのは君のレベルアップにも良いしね。……君ぃ……駆け出しだろ?』


「う、うん……分かるの?」


『そりゃもう剣には実力はお見通しよ!』


「僕って……弱い?」


『ノーコメント』


「……弱いって事だね……」

 と肩を落とす。


『で、でもまあ神託に選ばれた勇者なんだから大丈夫さ!俺も付いてるし!』

 となんとか勇者くんを勇気づけたい。


「憑くの間違いだろ……」

 と傍観してたクラウスくんが口を挟む。


『うっ……そーだけど……俺ってばお強い魔剣だから勇者くんの役にとっても立っちゃうよ?』


「ほー?」

 と胡乱気なクラウスくん。ひどい。


「ありがと、アインザー……クラウスもそうアインザーを敵視してあげないでよ……一応旅の仲間になるんだから……」

 と勇者くん。……俺……泣きそう。


『勇者くーん!君ってなんていい子なんだ!うわーん!嬉しいよー』


「何かアインザーって魔剣って感じがしないね」

 と微笑むハンナちゃん。


『うふふ……だって聖剣志望ですから!』


「ずっと聖剣に憧れてたの?」


『そりゃもう……生まれた時からさー……ぐすん』


「そうなんだ……頑張って魔王倒して聖剣になれたら良いね」

 と……この子は天使か?


『ありがとねーハンナちゃん!俺、頑張るよ!!』


「ああ、せいぜい頑張ってくれ」

 と冷たいクラウスくん。


『頑張ってやりますとも!!』


「じゃあそろそろ行くか……魔王の配下の情報を陛下が下さった……そこを目指そう」

 と立ち上がるクラウスくん。……勇者くんリーダーじゃないの?


「へーどこ?」

 とハンナちゃん。


「……ここだ……」

 と地図を指すクラウスくん。


「この森……わりと遠いね」


「ああ、だからそろそろ行こう」


「そうだね、その辺の人も困っているだろうし……」

 と立ち上がる勇者くん。


 ふむ……王国は討伐隊を出さなかったのか?……それか討伐隊が返り討ちになっているか、だな……。





 そして勇者くん達一行は聖堂教会から出て王都から何街か離れた森を目指す事になった。


 さあて、街を一歩出たら魔物が割拠する世界だ……勇者くん……大丈夫かなぁ。まあ、俺が付いてるけどね!

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