15.一目惚れ
翌朝、ハンナちゃんに説明して王都へ移動する事になった。
出発する時村人達が盛大に見送ってくれた。勇者様ありがとうって。
そして移動術で王都の人気の無い路地へと移動した。
「ん?ここどこ?」
と勇者くんはキョロキョロする。
『王都の路地だよー目立ち過ぎるとアレでしょ?』
「そうだな……じゃあ城へ行くか」
と一行は城に向かった。
城の中で勇者くんはとある女の子と出会った。
「あら?……もしかして貴方は勇者様?」
と銀髪に緑眼のとても可憐な少女が近付いてきた。
「そ、そうです……あ、貴方は?」
と勇者くんはガッチガチだ。どーした?
「私はエミリアよ。よろしく勇者様」
と可愛らしく微笑み、手を勇者くんに差し出す。
「は、はいっ!よ、よろしくお願いします」
と勇者くんばガチガチながら握手出来た。
「ふふっ、また会いましょうね?じゃあ、私はこれで……」
とエミリアちゃんは去っていった。
「……エミリア……」
と勇者くんは、惚けている。……あー。
『一目惚れだなー?勇者くーん?』
と俺はニタニタする。……表情無いけど。
「ばっ!アインザー!」
と勇者くんは真っ赤になった。
「図星みたいだな……」
とクラウスくんもニタニタしている。
「あららー」
とハンナちゃんもニタニタ。
「か、からかわないでよっ!」
と更に勇者くんは真っ赤になる。
『でも一目惚れしちゃったんでしょー?』
「……う、うん……っー!」
ともっと真っ赤になる。……大丈夫?
『また会えると良いねぇー』
「う、うん……」
「さて、レオンが落ち着いたら国王陛下の元へ行くか……」
「そうねー」
そして、勇者くんの熱が収まってから玉座の間に向かった。
許可を貰い玉座の間へ入る。
するとさっきの少女、エミリアちゃんが居た。……もしや……?……勇者くーん大変かもねー。
「え?エミリア?」
と勇者くんは呟いてしまった……。あー……。
「うふふ……さっきぶりですね、勇者様」
といたずらっぽく微笑む。
「なんじゃ、勇者よ我が娘と会っていたのか」
と王様。……やっぱりなぁー。
「え?娘……ええっ!お、お姫様!?」
「ふふふ、そうよ勇者様」
と可愛く微笑む。
「なんじゃエミリア……勇者に教えてなかったのか……」
と王様はやれやれといった感じだ。
「だってびっくりさせたくって」
「コホン……とにかく勇者よ報告があるのではないか?」
「は、はいっ!魔王の第六配下ヴァイスを討伐して参りました!」
「おお、良くやってくれたな……ご苦労であった。……それにしても早い帰りであったな?」
「はい、ありがとうございます。……アインザーが移動術を使ってくれましたので……」
「ふむ?魔剣がかね?」
「はい、とても力を尽くしてくれています」
「そうかね……魔剣よ、お主も良くやってくれているようじゃの……ご苦労じゃ」
『ありがたき幸せー』
「さて、勇者よ、ここへ来たと言うことは……次の配下を目指すのじゃな?」
「はい、陛下はその情報をお持ちなのですか?」
「うむ……勇者達が立ってからすぐに情報があってのう……ここから東方にある街々へ人型の魔物……魔族が出没しておるらしい……しかし配下の詳しい場所は分からぬ……すまぬな」
「いえ、その情報だけでもありがたいです。早速そちらへ向かわせていただきます」
「うむ、頼んだぞ勇者達よ」
それから勇者くん達は王都を出て、街道を東へ進んでいる。
「……まさか、レオンの一目惚れの相手がお姫様だとはな……」
「本当にねー」
『だねー』
「……希望ないよね……」
と勇者くんはショボンとする。
『いんやぁ……案外とあるんだなーそれが……俺の知ってるべつの勇者くんがさぁ……魔王討伐後にお姫様と結婚してるんだよねー。んで王様にもなった筈……』
「そうだったわね!希望あるじゃないレオン!」
「だな……頑張れよ」
と勇者くんの背中をポンと叩く。
「う、ええっ!?」
『ふひひ……魔王討伐してお姫様にプロポーズしちゃいなよー。王様もそのぐらい許してくれるってー』
「ぷ、プロポーズ……」
と勇者くんからフシューっと煙が出る。……あっ、やり過ぎた?
「尚更魔王討伐、頑張らないとな」
と笑うクラウスくん。
「そうねー」
とニヤニヤするハンナちゃん。案外とSっ気あるのかも……クラウスくんとお似合いだぁ。
「そ、そう言う事はともかく、が、頑張るよ!」
と勇者くんは決意を新たにした様だ。




