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9.討伐をお願いします


 翌日勇者くん達は次の街へと旅立った。魔物の強さはたいして変わらないので順調そのもので、スイスイ進めた。


 勇者くんの戦い方も、なんだかわだかまりが無くなってスッキリしたのか随分大胆で良くなっていた。俺嬉しい。


 でも相変わらず防御は疎かである。危ないわー……。俺何度も防御術を発動させてるわよ?……まあ、俺に頼ってくれてるならそれでも良いんだけどねー。


 そして次の街へと……と言うか村に着いた。するとなんか長老っぽいのと集団に迎えられたぞ?


「おお!貴方は勇者様ですね?」

 ともう勇者くんが旅立っているという噂?は各地に広まっている様だ。


「は、はい」


「良ければこの村のお願いを聞いては貰えませんかね?」


「お願いですか?」


「はい……実はこの村の近くの洞窟に強力な魔物が棲み付いてしまいまして……村人もたびたび襲われ困っておるのです……傭兵を雇いたいのですが……こんな農村にそんなお金も無く……。どうかどうか、勇者様のお力で我々をお救い下さいませんか?」

 と長老は頭を下げる。周りの村人もそれに倣って頭を下げる。


「……分かりました……引き受けます……だから顔を上げて下さい」


「おお!勇者様!ありがとうございます!本日は遅いので、どうぞ宿屋へお泊まり下さい。宿泊代は頂きませんので……」


「はい……ありがとうございます」

 と勇者くん達は宿屋へ向かう。





 そして宿屋の一室に三人は集まった。


「二人ともごめんっ!勝手に決めて!」

 と頭を下げる勇者くん。……あっ俺頭数に入ってない……。ぐすん。


「……本当に勝手だな……でも勇者らしくて良いんじゃないか?」

 と笑うクラウスくん。ちょっと柔らかくなった?


「うんそうだね。困ってる人はほっとけないよ」

 とハンナちゃん。


「ありがとう二人とも!」


『うふふ……勇者くーん?俺を忘れてない?』


「あっ!ごめん……アインザーもOKしてくれるよね?」


『そりゃもちろん!勇者様らしくて宜しい!勇者くんの良い修行にもなるしねー』


「ありがとう」


 それから勇者くん達は明日に備えてそれぞれ食事や睡眠をとった。


 ……俺はこの辺の精霊にでも件の魔物について聞いておくかな……。


 ふむふむ。ほー……ありがとねー。


 ……後は暇である……ほとんどの精霊はそこまで意識を持ってないから話し相手にはなってくれないんだよねー。情報はくれるけど。


 そしてボケーッとしていると、朝が来た。


『勇者くーん、朝ですよー』


「う?うーん?朝……ふぁあ」

 とまだ眠そうだね。


『ほらーシャキッとしてー、今日は依頼された魔物の討伐に行くんでしょー』


「ああ……そうだった……」

 と、もそもそ起き出す勇者くん。


 ちなみにクラウスくんはもう起きて用意を整えている。流石。


 それから勇者くん達は朝食をとっている。


「そう言えば魔物が棲み付いてる洞窟ってどこなんだろ?」

 と勇者くん……長老に昨日聞くべきだったね。


『この街の西南にあるよー。俺がナビゲートしてあげるから大丈夫、大丈夫ー』


「何で分かるんだ?」

 と怪訝そうなクラウスくん。


『精霊達に昨日聞いておいたからさー』


「凄いわねアインザー」


「……その調子で魔王の居場所も分からないのか?」


『それは無理無理……魔王って大体次元の違うの所に城を構えてるんだよー。配下はその道しるべ。だから地道に当たるしかないねー』


「へー……そういうものなんだ……」

 と勇者くん……こりゃ知識も教えにゃならんな……。


「ちっ……めんどくさいな……」


『でもー、ぶっちゃけー今魔王と対峙すると……全滅すると思いまーす。配下を当たって地道にレベルアップしていこうじゃないか』


「……そういうもんだよね……」

 とため息をつく勇者くん。……絶対魔王に勝てる立派な勇者にしてみせるからね!


「…………ちっ」

 と眉根を寄せるクラウスくん。


「……やっぱり地道にが一番よね」

 とハンナちゃんもため息をついた。


『あっ、なんかしんみりしゃったね……大丈夫みんなはそのうち魔王を倒せるようになるから!俺のお墨付きだから!!』


「ありがとアインザー」


『さて、そろそろ討伐に向かわないとじゃないかな?』


「そうだね……みんな、行こう」

 と勇者くんにリーダーシップが出てきた様だ。良い事良い事。


 それから村人達に見送られて村を出発した。魔物の棲家の洞窟へ出発だ。

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