世界巡察の旅~北アメリカ大陸編~
北アメリカ大陸は、西海岸のカリフォルニアのほとんどを含む、
北アメリカ西海岸州が大日本合衆国の州である。
州都は、ロサンゼルス・州知事に森蘭丸成利44歳である。
龍之介が本能寺の変回避したため、織田信長の家臣として、
鍛えられたのち、龍之介の家臣となり北アメリカ西海岸の、
守衛総督となったのち、大日本合衆国宣言でそのまま、
州知事に任命され統治を続けていた。
その北アメリカ西海岸州を除いた、北アメリカ大陸は、
北アメリカ合衆国として建国していた。
イギリスが統治していたわけではないので、独立戦争もなく、
大統領には、原住民が就任していた。
統治には、平和維持連合と森蘭丸成利が手助けをしていた。
この為、利便性から北アメリカ合衆国の首都はシアトルであった。
東海岸はヨ-ロッパ側との交易や入植によりニューヨークが副都市として発展
北アメリカ合衆国は、龍之介の指導により広大な土地を利用して農業立国となっていた。
メキシコは、マヤ人を中心とした「マヤメキシコ州立国」となっている。
その、南下に大日本合衆国・中アメリカパナマ州があり、南アメリカ大陸は、
インカ南アメリカ合衆国となっていた。
龍之介の飛行船艦艦隊は、北アメリカ西海岸州のロサンゼルスに着水したのである。
「龍之介、到着したのか?」
「はい、最初の目的地であるロサンゼルスにございます。」
ロサンゼルスは海城である。
出迎えに、森蘭丸成利と、北アメリカ合衆国大統領が
桟橋で待っていた。
「上皇陛下・関白殿下、無事な来州ようこそおいで下さいました。」
「出迎えご苦労である。」
上皇は初めての異国の地に足を踏み入れた。
周りを見回し、上皇は深呼吸を深くし、異国の空気を飲み込んでいた。
上皇の通訳には、エリリの教育を受けた者がしていたのである。
「大統領、歓迎ありがとうございます。」
「関白殿下が楽しみにしていた、キビヤックとびっきり熟成したのを
準備してありますよ。上皇陛下は普通の物がよろしいとの事なので、
トナカイや牛、七面鳥などを用意しておりますが、海産物のがよろしいですか?」
「大統領殿、あまり気を使わなくても大丈夫ですぞ。ただ、キビヤックなるものは、
遠慮したい。」
上皇はキビヤックの話になると、しかめっ面になっていた。
そして、歩美や春・エリリは青ざめていた。
歩美や春も、エリリやトゥルル・エタ-二ャから言葉を習っていたため、
通訳なしで対応できていた。
歩美もだが春は、龍之介の護衛副隊長になってからは、龍之介の食事毒見役も
自ら率先してやっていたため、キビヤックも食べないとならないのかと、不安であったのだ。
「春、別に毒見役は頼んだ覚えはないから無理して食べなくていいのだぞ」
「しかし、殿下、やはり毒見を誰かはしなくては」
「キビヤックは私が食べたくて頼んだもの、無理することはない
では、希望する兵士に食べさせたら良いではないか。
鮒ずしが好きな者を聞いてみるとよい」
「殿下は、鮒ずしもお好きですもんね。」
「納豆も臭いほうが好きだしな、それより、視察をしなくては、
兄上様、視察をしてくるので、ロサンゼルスで休んでください。
案内には、森蘭丸に頼んでありますから。」
到着した日の晩は、歓迎の晩餐会が大統領主催で行われ、そこではバッファローの
ステ-キや七面鳥の丸焼きふんだんな海産物など振る舞われたのであった。
北アメリカ産ワインとともに。
次の日から龍之介は上皇と行動を別にしたのである。
北アメリカ大陸で、建設されている南北アメリカ大陸横断鉄道が、
建設されていた。
その現場を確認と、農地の様子を見るのが今回の、北アメリカ合衆国巡察の目的であった。
その為、龍之介は上皇と行動を別にしたのである。
上皇は、ロサンゼルス城を拠点に、グランドキャニオン観光に行った。
警備には、龍之助艦隊から300人と北アメリカ西海岸州から州兵が、
500人ほど出され、上空からも飛行船艦も一隻から着いたのでのである。
警備隊長は、龍之介三男の正忠であった。
龍之介は、ロサンゼルスからシアトルまで、完成していた蒸気機関車に
大統領の案内のもと試乗していた。
龍之介も、玉林暗殺未遂事件から、飛行船艦艦隊が上空から警備にあたっていたのである。
歩美・春・エリリは勿論、龍之介に着いてきている。
「大統領、問題なくできておりますね。」
「はい、西海岸線は最終的に、べ-リング海峡まで伸ばす予定で、工事を進めております。」
「まさに、大陸横断ですな。」
「東海岸も南北に横断する鉄道を引いております。
最終的には、サンフランシスコからニュ-ヨ-クまでの東西横断鉄道を計画しております。」
「壮大ですが、必要な鉄道ですな、しかし、物資の移動には必要かと思います。」
「はい、これからの時代は輸送が大事ですからね。」
「物資・食料の輸送は国を支え繁栄をもたらしますからね。」
ゆっくり進む蒸気機関車はロサンゼルスからシアトルまで一泊で到着した。
蒸気機関車は、寝台列車であり、龍之介の乗る列車は一両専用列車である。
壮大な景色を楽しみながら、進む列車
春・エリリは異国の風景に慣れていたが、歩美は目を輝かせながら、外を眺め
車窓から見えるバッファローの群れなどを見て喜んでいたのであった。
蒸気機関車は、たまに停車し農地の視察をしたのであった。
北アメリカ大陸では、麦と米の生産が盛んであった。
そして、牧畜も行われていた。
シアトルに到着すると、大統領主催の個人的主催の歓迎会が開かれたのである。
シアトルには、大統領の邸宅がありその庭先でバ-べキュウであった。
その場には、異臭を放つアザラシの死体が庭に置かれていた。
「これが、キビヤックですか?」
「はい、とても発酵が進んでおり食べごろに御座います。
殿下の配下の方々は、食べたがらないようですな、
私が、毒見役として食べ方をお見せいたしましょう。」
大統領はニヤニヤして言うのであった。
そう言うと、コックらしき人物が腐敗しているアザラシの腹に
入っている海鳥を取り出し、尾羽をもぎり更に盛られたのであった。
大統領は、それを受け取ると液状になった海鳥の内臓を、むしり取った
尾羽の部分からチュウチュウと吸ったのであった。
漂う臭い・・・・・・
歩美や春・エリリは鼻を抑えるのを我慢していた。
せっかく、準備してくれた料理に失礼であったからだ。
「さあ、どうぞ、関白殿下も」
龍之介は、大統領に習ってもぎりとった尾羽の部分から、すすってみた。
「ぬぉ~・・・・・・凄まじい!この鼻に突き抜ける臭いは凄まじい」
「美味しいでしょ、関白殿下」
「いや~何と答えていいやら、ただ単に凄まじい料理ですな
しかし、臭いさえなければ美味!病みつきになりそうですな
皆も食べてみてはどうか?」
「殿下、それだけはご勘弁ください。」
「他国の食文化に触れてみるのも勉強ぞ」
「・・・・・・」
沈黙する側室と家臣たち
誰も食するとなく歓迎会の宴は終わったのであった。
次の日にはシアトルからロサンゼルスに帰るのは、飛行船艦艦隊で
帰ったのであった。
上皇と合流した、龍之介は北アメリカ大陸視察を終え、飛行船艦艦隊に
乗船し離陸し寄りたかったイエローストーンを上空から眺めた後、
マヤメキシコ州立国に向かったのであった。




