18. ある罪人の記憶
title: a certain sinner’s memory
from:I
2016/7/5
本当に、俺じゃなかったんだ。
「記憶が無いんですよね?」
確かに混乱はしたが、銃を手にしたはずがなかった。
「責任能力はなかったと思われます」
殺していない。俺じゃない。
「お前は悪くねぇよ」
俺じゃないと、言ってるじゃないですか。
「じゃあ、あの場に他に誰がいたんですか?最初に駆けつけた警官以外は死んでいたんですよ?」
そんなはずがない。俺が殺したわけがない。
……俺じゃないんだ。本当に。
いつからか、俺が殺した気がしてきても、否定し続けた。
周りは信じなかった。名前が、外見が目立つからか、ただ単に呼びやすいからか、噂はすぐ広まった。
そして、あの日、俺は
「何があったの?」あの辛苦を、
……俺を、殺したのは誰だ?
「……どうかした?」あの屈辱を、あの無念を、
俺は、確か何度も奴らを殺して……殺される度に……待て、今日は何年の何月だ?
「え、2016年の7月……」あの孤独を、
あの悔恨を、
……7月?8月すらまだなのか?
「混乱してきたのかな、落ち着いて」
あの絶望を、
忘れるな
違う、そうじゃない。……そうじゃない!
俺は、あの日……
──忘れるな
誰に、殺された?
この憎しみを、忘れるな
【HN:Rod】 投稿日時9/21 20:42
また、これ系統のメールが来ました。
えーと、確か2016年の夏ってまだですよね……?