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サクラチルハレルヤ

 「気味が悪い」

 蔑んだ眼差しで父さんに言い捨てられた時に俺の少年時代は終わりを告げた。

 昔から、目聡いと口々で揶揄されていた。

 親は子を愛するのは其れが自らより矮小で愚劣だから。

 そして全てを真っ直ぐにあるがまま感じ見つめられる。

 他人からするとそう映るらしい、だが自分としてはただ普通に前を向いているだけの俺の瞳はどうやら彼らには持ち合わせが無い物であったらしい。

 俺は家族に疎まれた。

 実の祖父ちゃんを除いて。

 その祖父ちゃんが永遠に眠りに付いてからは、俺の居場所はこの手が届く範囲だけに失われた。

 「おはよう」

 学園長かのじょとの出会いが全ての始まり。

 「こんにちわ。こんばんわ」

 ファーストインプレッションが一番大事と後に答えるその唇で、全てが混沌に沈んだ暗黒の只中で彼女は夜空に輝く星のように忽然と俺の前に姿を表した。

 「メルシーアポカリプス。それともボンジュールの方がいいかしら」

 女は黙示録に語られる終焉おれを前にして平然とそこらの手頃な岩肌に腰掛ける。

 それは大地から隆起した太平洋プレートの一角。

 終焉おれの周囲はそんな地球が滅びるその時に行われるであろう破壊活動の全てが軒並みつれて展開されている。謂わば世界の終わりの見本市。

 「消えろ」

 「貴方が私の話を聞いて頷いてくれたらいいわよ」

 彼女は臆することなくむしろ親しげにそれから俺と七日七晩を共に過ごした。

 主に彼女の一方的に俺に話しかけてきたのだが。

 「どうして俺に付き纏う。何もメリットが無いじゃないか」

 あえて利点を挙げるとすれば世界が救われる程度。

 それもこんな終焉おれを産み落とした世の末に似つかわしいことこの上ない。

 客観的に見ても滅ぼした方が全宇宙規模からすれば健全ですらある。

 「あるわよメリット」

 だが目の前の女は真理の見解を否と答える。

 面白い。ならば教えて貰おうじゃないか。

 「こんな腐った世界を救うことがか」

 「世界なんてどうでもいい。人類の命運なんて二の次」

 「だったらお前は何が目的なんだ」

 「そんなの貴方が一人で消えていくのが私に耐えられないだけだよ」

 世界が壊れるより、俺の死を恐れる。

 そんな人間は初めて出会った。

 親にも、家族にも、友人にも、そんな奴はいなかったのに。

 「こんな終わり私が認めない」

 そんな彼女と行動を共にして数年。

 集合無意識の総意が産み落とした終焉おれの孤独を癒すついでに世界が滅びから救われたある日のこと。

 「町?」

 「そう、町、それで国、人も神様も悪魔も天使も妖怪でも誰でも自由に学べる暮らせるそんな大きな独立国家を私は作りたい」

 「わざわざそんなものを作って何をしたいんだ」

 「だって楽しそうでしょう? それにね」

 泣いてる誰かに手を差し伸べたいと彼女は物憂げに答えた。

 「神様や悪魔だって時々は悩んだり悔んだりしちゃうだろうから、私は、そんなみんなが笑って過ごせる場所を作りたい」

 そうか、頑張れよ。

 「ほら次は君の番だよ! 私ばっかり夢を語ったら不公平じゃない!!」

 どんな差別だ。

 「ねえ、だから、教えてよ。君の望み。君の願い。君の幻想ゆめ

 彼女が求める。

 求めて離さない。

 「君は将来何になりたい?」

 俺は、自分の、なりたい姿。

 こんな終焉おれがそれでも叶えたい幻想ゆめの形。

 「……先生、かな」

 ふと思考水面に浮き上がった泡沫の答え。

 無意識で本能が算出した来るべき未来の一篇。

 「先生って、学校の?」

 特に強いて求めた訳ではない。

 ただほんの僅か憧れを抱く。

 他者を教え導くそんな存在に。

 彼女のような人間に今更なってみたい微かな欲求。

 「素適ね」

 俺の問い返しに、彼女は何時だって笑顔で答えてくれた。

 「ならそうね、学校の街なんてどうかしら、街一つが大きな学校になっているそんな場所。そこなら君の願いも一緒に叶っちゃう。うん、一石二鳥グッドアイディア」

 「勝手に決めるなよ……お前がそう言うなら構わねえけどよ」

 「何よ、含んだような言い方して」

 「前々から言おうとは思ってたけど」

 「?」

 「年甲斐もなくそんなコスプレ巫女服着込むなよ。もう結構な年なんだからいい加減年齢に見合った服を」

 平然と右ストレートで顔面をぶち抜いてくる彼女の隣に居る間は俺は何一つ滅びに直面することはなかった。

 同じ夢を語り合う歳月は日進月歩の速度で過ぎ去り、彼女の夢は着実に一歩ずつ前に進んでいった。

 常命の者である彼女から限りある時間を削り取りながら。

 彼女の念願が叶えられた頃には彼女は最早自分の足で立つことすら困難に陥っていた。

 「貴方はあの頃から何も変わらないわ」

 それはこっちの台詞だ。

 彼女の節くれだった両の指は。

 深いしわの刻まれたはにかむ笑顔は。

 出会ったあの頃と何一つ変わらない。

 必定の死に瀕したこの瞬間ですら命に輝いている。

 「ほら泣かないで、今の貴方は立派な先生なんだから、これから一杯沢山の子供たちを教え導く大切なお父さんになるんだから、でも、もし、一つ我がままを言っていいなら」

 最後の目蓋を閉じながら、彼女は満足な表情で悔恨を告げる。

 「そんな貴方の隣にずっと居たかったよ」

 それから俺にお鉢が回ってきた学園長の肩書きを突っぱねた。

 あまりにしつこいので仕方なく代理に甘んじた。

 「俺はあくまで代理だ」

 あいつの。

 学園長かのじょの代わりにしか俺は慣れない。

 それから数十年を全力で走り抜けた。

 あるがままに生きた。

 望むままに前へ突き進んだ。

 彼女が生きていたら必ずそうしていたように。

 彼女がかつて俺の隣に寄り添ってくれたように。

 正直、ここまでの記憶が霞が掛かっておぼろげ。

 ーー今の俺は君の瞳にどう映るだろうか?

 俺は上手く教師をやれただろうか。

 君から貰ったこの宝物のような時間の中で何か残せただろうか。

 「俺に生きる意味はあったのかなーー?」

 この自問自答が最後。

 自分が憎んだ全てが。

 自分が愛した全てが。

 自分自身が何者であるかその全てが忘却の彼方へ置き去られていく。

 --それでいい。

 囁く声が聞こえる。

 ーー生に意味などない。

 ーー答えなどどこにもない。

 叫びが耳元へつんざく。

 ーーであればこそ微かな救いが生まれよう。せめて優しき幻想ゆめに抱かれ永久に眠れ……我が空蝉よ。

 長い永遠に終止符が打たれる。

 「そんな採点せず勝手に逝かないで下さいよ」



 桜散る季節。

 出会いと別れが交差するこの日、私は学び舎を旅立つ。

 誰より一番にこの瞬間を分かち合いたかった彼はこの世のどこにも存在しない。

 「行きましょうラムレイ」

 私は愛馬の鞍に跨がり校門から出立した。

 愛馬に跨がり校門の外へ。

 この世ならざら世界の外側へ。

 そこは深い海の底。

 あるいは宇宙の最果て。

 時間と次元の狭間で上下左右の概念が成立しない虚数空間を銀翼の騎士が白馬を瞬かせて駆け下りる。

 見つけた……!!

 そしてその視線の先。

 あの日、バレンタインの騒動からずっと一年間、この世に存在しなかった大切な人へ繋がる一本の因果の糸を手繰り寄せるように一陣の閃光が無明の闇を貫いた。

 今度こそは逃がさない。

 今度こそは手放さない。

 カナン先生……ッツツツ!!!

 「あの日の答えを返して貰います」

 現世では今こうしている間も虚無の奈落へ消滅しようとする一教師を引き上げようと八百万と魑魅魍魎が叡智と霊力の限りを尽くしている。

 みんながカナン先生の帰りを帰還を再会を強く願っている。

 渡そう。

 この想いと全てをーーっ…………!!!

 彷徨う熱き想いが不可能と嘯く現実を溶かす。

 会いたい気持ちに理由は要らない。

 ーー脆く儚くそして強く美しきものよ。

 識っているようで聞いたことのある知らない声。

 先生への路を阻むように私へ降り掛かった。

 ーー人は何時しか朽ち果てる。故にその瞳に映る色彩が語り継がれていく。

 実直に回りくどく。

 大仰で真諦に。

 ーーせめての安らかな眠りこそ安寧と心得よ。

 見当違いも甚だしい。

 「そんな最もらしい理屈はいらない。私はこの人以外、何もいらない」

 この人の進む道を私が照らす。

 前に小石が落ちていたら私が払う。

 私は私として、全身全霊を賭してこの人の盾になる。

 「それが私がこの世に存在する意味」

 私の全て。

 「私、どこまでも付いていきます」

 ーー君の瞳に映る私は何色だろうか?

 先生に似た声が耳元で囁いたような気がした。

 それは簡単に答えられる。

 だってこんな暗い暗い海の底よりずっと深い超重力の渦だろうとそれがどんな辛い世界の闇の底でもきっと先生の背中は輝いて見えるから。

 「そんな真っ赤な太陽みたいな背中で、暗がりへ逃げられると思ったら大間違いです」

 過去わたし未来わたしを裏切らない。

 この想いが手探りで探した不確かなものだとしても永遠に燃え盛る灯火であると知っているから。

 識っていますか?

 星の光はずっと昔に輝いているんですよ。

 遙かな古から今もこうして私たちへ降り注いでいる。

 だから先生が雲隠れしても、どこへだって探しに行ける。

 「先生、私、まだ伝え切れてない言葉があります。問題があります。出したい解答用紙があるんです」

 先生のお仕事は先生なんです。

 それが生徒が手作りした問題用紙でも頼めば採点してくれますよね。

 「答えて先生、私の、この気持ちは何点満天ですかーー?」

 答えを頂く為なら例え那由多の果て。

 死すら死せる永劫の彼方であろうとこの身は三千世界を討ち払い駆ける。

 するとーー空間全域に変化が生じた。

 この物質の境界面があやふやな異次元領域に置いて確かな存在はそれを認識する自我に限定される。

 よって世界は当事者が見るがままに、そして感じたままに如何様にでも変化を遂げる。

 目指す桃源郷が果てしなければ手の届かぬ高みへ。

 迫る無間地獄を肌身に感じればすぐ隣の傍らへ。

 ここは想いが趨勢を決する場。

 故に、世界は私の想いを汲み取り成就させる。

 必ず届く触れられる抱き締められると信じる心が道無き暗黒の道標となる。


 来るな。

 来ないでくれッ。


 白銀の嘶きが暗黒を突き抜ける穂先を阻む絶叫が木霊した。


 日の光から逃げ惑う吸血鬼のように、存在希釈された意識が土壇場の急事に火鉢を当てられた反射反応で私の呼び掛けを拒絶していた。


 生きたい。

 死にたくない。

 けれど生きていたくない。

 だから生きながら消えていきたい。

 これで良いんだペンドラゴン。

 だから、俺なんて放っておいて、


 「黙りなさい下郎」

 泣きすがる囁きを切って捨てる。

 「先生がそんな弱音を吐く筈がない」

 何時だって彼の背中を見つめていた。

 どんな時でも、彼は、先生は、カナン・ハーロットは暗い夜道を照らす笑顔で教壇に立っていた。時々、面倒臭そうで気怠げにはしていたけど、何時も笑顔を絶やさない先生の嘆く姿なんてどんなにそっくりに似せても想像が付かない。

 

 偉そうに、お前に俺の何が分かるんだ。


 「じゃあ貴方に先生の何が分かるんですか?

 私に分かる。

 ずっと見てきたから。

 「誰かの為にあるがままのこの一瞬を生きる。そんな先生の背中を他において証明するもがこの世にありまして?」


 「貴方が例え千の言葉を連ねたところで、先生が私達に伝えてくれた万の教えには到底及ばない」

 まだるっこしい真似は為政だけで十分。

 だってだって、私はここへ一人の女として来たのだから。

 この身を突き動かすのに王として責務なんて必要ない

 先生を想うこの心が全て。

 このアーサー・ペンドラゴンを阻みたければ言の刃ではなくその手に剣を持って前に出でよ下郎。

 さすれば立ち篭める暗雲と共に切り捨てようぞ。

 「闇よ消えなさい。あの人の隣にお前のような輩の出番はない」

 

 ーーーーッ!!!


 無音の絶叫を弾けさせて、私と先生の間を阻んでいた最後の集合無意識の総意が蹴散らされた。

 人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られて消えてしまう。

 「ーー先生!」

 等々、漸く、瞬く間に、一瞬で、私とカナン先生の間に広がる三千世界は互いの心の距離まで縮まった。

 あと一歩。

 あるいは半歩。

 手を伸ばせば触れられる断崖が口を開けて待っていた。

 まるで闇の底の見通せぬ亀裂。

 しかし、光からは逃れられない。

 認識が左右する領域で僅かでも可能性を抱いた時点でそれは具現化する。

 騎士王であることを束の間忘却した少女は自ら一条の光と化して暗黒の断崖を貫く速度で飛翔した。



 季節は巡る。

 目覚めは次なる眠りへの礎。

 始まりの鐘は輪転する。

 いずれ訪れる終わりを目指す。

 誰がために。

 「70点」

 此処に独りの教師と一人の生徒の終焉が詳らかに開幕の時を迎える。

 「卒業生代表の答辞、よく出来てたじゃないか。よくやったなペンドラゴン」

 「そう言う割りには70点なんですね」

 「俺は採点は厳しくする主義だからそこはそこ」

 卒業しようが満点目指して勉学に励めるとポジティブに考えなさい。

 「ところで先生。私、アーサー・ペンドラゴンはこの度本校を卒業して巣立ちます」

 「そうだな」

 「晴れ学生の身分から卒業する訳ですけど」

 温もりが重なった。

 「今の私はーー何点ですか?」

 抱き締めたのか、抱き締められたのか、あるいはその両方。

 若干ふくよかな胸の感触を押し付けられながら、

 「スカート履いたのか」

 上は相変わらず学ランのままだが、ひらひらと絶対領域が風を切り棚引く。

 何ともちぐはぐな。

 そんな生徒の変化に、本当に外では1年も時間が経過していたのかと実感する。

 「ふふっ、似合いますか先生」

 生徒の成長もまた。

 以前なら赤面していた少女は少し誇らしげに微笑み返す。

 俺も素直に感嘆する。

 「可愛いぞペンドラゴン」

 「しょ、しょんなこひょ、あ、ありまへんったらぁ!!!」

 ふ、この程度で目を逸らしてまだまだ子供。

 そこが可愛い。

 うん、そそる。

 1年でまあ俺好みに育っちゃったよ。

 再会を果たした少女と魂を壊さぬように重なり合う。

 労るように優しく。

 「そうだな、点数を付けるなら」

 教師は生徒の問いに答える。

 「65点、とりあえずはーー及第点だ」

 「厳しいですよ」

 「そんな簡単に満点取れると思ってるうちはまだまだ。でもな」

 強く強く何処までも強く抱き締め合う抱擁。

 「俺にとっては世界で一つだけの65点だ」

 「ーー先生」

 これまで見守ってきた少女が微笑む。

 異性として。

 「ずっと私の先生で居てくれませんか……?」

 喜んでその申し出を受け入れよう。



 「心配無用。私は天才である」

 「だーかーらー心配なんだと言ってるのが分からないかなぁ、この突発性怪奇雷電魔人は」


 そして卒業式がつつがなく終了してから後のこと。

 俺はペンドラゴンに連れられてとある場所に訪れていた。

 自分がこれまで受け持ってきた教室である。

 「ほら先生、入って入って」

 そんな押すなよ。

 普通に自分の足で入れるから。

 まったく、何をせかして俺を無人の教室へ。

 ーーパンパンっ!!!

 紙吹雪を放ったクラッカーの存在を理解したのは無人である筈の教室へ身を乗り出して数瞬だけ間を挟んでのこと。

 驚くのは無理がない、今日卒業した筈の生徒たちが放課後の教室を華やかに彩っていたのだから。

 そして、

 --ッ!!?

 鋭い身を裂く激痛が胸元に生じた。

 初めての経験だ。

 嬉しすぎて身体が持たなくなる体験。

 けど、同時にとても恐ろしい。

 自分がどのような刹那の幸福に身を寄せているのか理解できてしまうから。

 儚いからこそ何より尊い。

 「それより安珍さま安珍さま安珍さま逃げないで下さいまし」

 焦るな清姫。

 追いかけると逆に逃げるのが世の常だぞ。

 「いいえ!! 自分はまったくもっと冷静そのものです!! はい!! はいはいおりゃあ!!!」

 あの日、消えようとしていた男の残滓を引き止めたのは少女の想いだけではなかった。

 「畜生ッあんな先生のどこがいいんだ!! よーしお前らしく何がなんでも生徒会長を先生から引き戻すぞ野郎共!! あと女子一同も!!」

 「えーやだよ人のラブコメなんて」

 「俺はまだ先生に貸して貰った観劇の原作本を返してねえんだから」

 「僕から借りた500円借り逃げ赦しませんよ!!」

 「私も私も」

 「僕も」

 「俺だって」

 「けどとりあえずは」

 いっせーのっせ、で俺の名を呼んだ。

 俺がこの世に存在する証が桜吹雪く校舎に木霊した。

 「お帰りなさいせんせぇ~~~~~~~~い!!!!!!」

 俺が今ここに居られる理由の全てが、これまで出会った全ての因果がこの場に集結する。

 生徒たち全員に祝福されてのカーテンコール。

 これで満足?

 もう思い残すことはない?

 勿論、当然、

 「そんな訳あるか」

 やり残したことは沢山ある。

 寺分の頬がにやけるのなハッキリと分かる。

 無間の命尽き果て死に抱かれ眠るその最後まで。

 俺は教師としての自分を全うする。

 無責任に投げ出したりしない。

 俺はこの教師の仕事を誇りに思う限り。

 そして俺が答えられなかった問いを、俺の生徒が超えていく。

 なあーー終焉おれ

 終わらない未来おれも中々悪くはないだろう?

 今度はどんな出会いが待っているのか。

 そして今度はどんな別れを果たすのか。

 俺はちょっぴり胸が踊った。

 「先生大好き」

 「俺もアーサーが一番大好きだ」

 滅びを迎えようと人の紡いだ幻想ゆめは育まれる。

 永劫普遍の日常の狭間で。

 俺たちは互いに歩み寄りながら生きていく。

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