鳥籠の中で
君を僕の世界に閉じ込めてから数日。
嫌だと泣き叫んでいた君は何も話さなくなった。
…受け入れてくれたのかな?
僕の愛情。
「…ここから出してください。」
一日に君が喋るのはこの一言だけ。
それ以外は何も話さない。
籠の中の君を一日中見つめて、君の隣で眠りにつく。
…それが僕の幸せ。
君がいけないんだよ。
僕がいるのに他のオトコと仲良くして。
僕がいるのに他のオトコの名前を呼んだりして。
どうしてそんなことするの?
僕がいるでしょ?
僕じゃだめなんて…言わせないよ?
…僕が君を一番愛してるんだから。
何でも知ってる。
生まれた日も、学校の出席番号も、宝物も、部屋のものの位置も、…好きな人も。
好きな人は僕、でしょう?
それに間違いはないよね?
だってそうじゃなきゃおかしいんだ。
僕らはお互いに想い合っているんだから。
嫌いだなんて
出たいだなんて
僕なんて消えちゃえなんて
イワナイデ。
…もしそんなことを言うなら
言えないようにしてあげるね?
何も言えないよう口を塞いで
拒絶出来ないよう手足を縛って。
僕だけを「好き」だというよう
閉じ込めてあげる。
優しいでしょう?
感謝してよ。
僕らは結ばれる運命なんだからね。
ふふ、愛してるよ?
(暗闇の中、何かがキラリと光り
黒の中に赤が舞った。)