第一話 地下を這いずる者
随分遅くなったけど、内容は酷いです。
勘弁な!
北暦149年 4月23日 カザル帝国首都ロイホ 第二下水道
薄暗く、悪臭が漂う下水道を一人の人物が歩いていた。
顔にはガスマスクを着け、カーキ色のフードを
深く被っており、どのような容姿をしているのか知ることは出来ない。
辛うじて胸の膨らみによって、女性であることが分かるだけだった。
なにも言葉を発することなく彼女は下水道を歩き続け、
突然姿勢を低くする。
彼女の視線の先……そこには武装した二人の男が居た。
その内の一人が、女性の居る方向を覗き込むように見ていた。
「どうした?」
「あ……いや、今あそこに人影が--」
「なに?本当か?」
同僚の言葉を聞いて、もう一人の男が慌てて
同僚と同じ方向を見る。
「……いや、やっぱり俺の気のせいだ。
考えてみれば、こんなところに人が来るはずないよな」
「お前、疲れてるんじゃないか?
見張りは俺がやるから、少し休んでこいよ」
「良いのか?」
「良いから言ってるんだよ。ほら、早く行っちまえ!」
まるで追い払うようにそう言ってくる同僚に
男は苦笑いして、休憩のために奥に歩いていった。
「ったく!あの野郎は誰かに言われないと
休むことすらしねぇのかよ」
男が文句を言いながら女性から背を向ける。
それを見た女性はナイフホルダーから
サバイバルナイフを抜き、足音を消しながら
男に接近し始めた。
「なにがそんなに楽しいのか分からんが、
休まなけりゃ倒れちまうぜ」
男は煙草を取り出し口にくわえる。
そして煙草に火を点けようとした瞬間、
背後から女性が襲いかかり、手で口を塞いで
喉笛にナイフを突き立て、引き裂いた。
「!?」
大量の血が辺りに飛び散り、男は何も出来ぬまま息絶えた。
女性は息絶えた男を人目につかない物陰まで引きずっていき、
床に寝かせて男の衣服でナイフの血を拭き取り、
見つからないようにカモフラージュを施す。
そしてカモフラージュに問題がないことを確認し、
辺りに飛び散った血を処理して再び奥へと歩みを進めた。
復讐の刃~その瞳に宿るのは憎しみかそれとも悲しみか~
第一話 下水を這いずる者
「……やはり警備が手薄だな。これならば……」
私はそう呟きながら歩みを進める。
私はあの男の情報を得るため、下水道に隠されている
ある組織の支部に潜入していた。
警備は私の想像よりも遥かに手薄であり、
潜入は容易だった。
この八年間、私は自らを鍛えながらも、
あの男の行方を追い続けていた。
だが、あの男の情報を得ることは困難を極めた。
何故なら私はあの男の情報を何一つ持っていなかった。
名はなんと言うのか?
どのような組織に所属しているのか?
その他にもあの男を探す上で必要な情報が不足していた。
私は八年かけて情報を集めたが、得ることが出来た
情報はあまりに少なく、
あの男の行方を掴むことは出来ていなかった。
私はもう時間がない。
投薬の副作用によって後三ヶ月も生きることが出来ないのだ。
だからこそ、ここで確実に情報を手に入れなければ……
「……ここか」
目的の部屋の前で立ち止まり、ホルスターから
ベレッタM92を引き抜き、扉を蹴破った。
部屋の中は広くかったが、部屋に存在する物が
デスク一つと壁に飾られている鞘に納まった刀だけと、
極端に少なかった。
私は部屋の真ん中まで歩き、デスクに座っている
男にベレッタ向け、問いかけた。
「ここの支部長だな?」
「如何にも、私がロイホ支部支部長のロックビルだ。
君が、最近我が組織に攻撃を仕掛けている女性だね?」
「私のことを知っているなら話は早い。
死にたくなければ--」
「知っている情報を全て吐け……か?残念だが、
それは出来ない相談だな。
私にも立場と言うものがある。そう易々と組織の機密を
漏らすわけにはいかない。
どうしてもというのなら--」
ロックビルはそこで言葉を切って立ち上がり、
壁に飾ってあった刀を手に取る。
そして、鞘から刀を引き抜き、切っ先をこちらに向け--
「力ずくで情報を聞き出してみろ!!」
ロックビルはそう吼えた。
私はその言葉を聞いて僅かに笑みを浮かべ、
「上等だ」
そう呟やいてベレッタの引き金を引いた。
次はどんな話になるか?
いつ投稿できるか?
それは、チル兄にも分からない……




