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第4話 未観測領域

 帰宅してすぐ、裕翔は机にスマホを置いた。


 制服のまま椅子に座る。


 落ち着かない。


 走ったあとから、ずっと頭の中がざわついている。


(……偶然じゃない)


 そう思い始めている自分がいた。


 スマホを手に取る。


 REALITÉを開く。


 黒い画面。


 いつもの表示。


 STATUS。


 STR:E

 AGI:E+

 INT:?

 SOC:?


「……?」


 昼に見たときと同じはずなのに、違和感があった。


 画面の右下。


 小さな点が点灯している。


 今まで気づかなかった灰色の表示。


 裕翔は指で触れた。


 画面が静かに切り替わる。


 新しいページ。


 説明はない。


 中央に、ただ一行。


 未観測領域があります。


 その下に、いくつかの項目が並んでいた。


 認知活動 ―― 未観測

 対人応答 ―― 未観測

 持続行動 ―― 未観測


「……なにこれ」


 思わず声が出る。


 ゲームのスキルツリーにも似ている。


 けれど解放条件は書かれていない。


 ヒントもない。


 ただ、“存在”だけが示されている。


 画面下部に小さな文字が追加された。


 行動を検出すると観測が開始されます。


 裕翔はしばらく動けなかった。


(やれってこと……?)


 何を。


 どうやって。


 考えても分からない。


 REALITÉは相変わらず何も説明しない。


 戻るボタンを押す。


 ステータス画面へ戻る。


 INTとSOCの横の「?」が、さっきより意味を持って見えた。


 未知だから表示されない。


 能力がないわけじゃない。


 まだ観測されていないだけ。


 その瞬間。


 胸の奥が少しだけ熱くなる。


(……じゃあ)


 もし行動したら。


 もし試したら。


 何かが変わるのか。


 スマホを握る手に力が入る。


 怖さはなかった。


 代わりに、ほんの少しだけ。


 期待に似た感覚があった。


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