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星の軌跡、久遠の果てに - Stellar Trails, Beyond Eternity  作者: Noir (北見 湊斗)
序章:寓話の前奏曲

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プロローグ

設定資料の一部です。

挿絵(By みてみん)

『強き光天に満つれば、必ずや濃き影地に垂る――これぞ万象の理なり。

大いなる善この世に顕るるとき、等しき悪また、世界の裏にて密かに産声をあぐる……』


 これぞ、この世に広く根を張る「アシャ教」において、古より語り継がれし創世神話の一節なり。


 遥か太古、虚無より出でて天と地を分かち、海を湛え、この広き世界と数多の命を創り成したと伝わる光と叡智の「善神(アフラニール)」と、これに従う「七従神」。

 その対に、かの大光の落とす影より生まれ、争いの種を世に蒔き、幾多の災厄を呼び寄す「悪神(アンラマユ)」と、善神の過ちより生じし魔族の群「アエテルニタス」。


 この二柱の神、久遠の昔より果てなき闘争を続け、世界の神々の頂に座すとされることは、定命の者にとりて周知の理であった。


 アフラニールは「久遠の悪」に抗する術として、人の中より己が神力を分かち与えし「覚醒者」を生み、その不可思議なる力をもって世を正しき道へ導かんとした。

 されど、覚醒者を生むたび分かたれし神力は確かに失われ、やがてその力の喪失は自然の回復をも凌ぐに至るのであった。


 一方、アシャ教に抗する「邪教」は、「悪こそ万象の均衡を保ち、世界を形作る」との理を掲げたり。

 これは悪神アンラマユそのものを崇むるにあらねど、その教え自体、アンラマユの災いより生まれしものなりという皮肉なり。


✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦


Ⅰ. 覚醒者の誕生と現在


 遥か昔、この世界には魔力を宿した魔法使いが存在していた。

 彼女たちはその不可思議な力を用いて人々を救い、時に導く存在であった。


 しかし、ある日を境に状況は一変する。

 人々は彼女たちを「魔女」と呼び、恐れ、忌み嫌うようになったのである。


 そして約三千年前――大記暦二〇六五年。

 世界各地の共通認識として「魔女は排除すべき存在」とされ、ついには魔法使いはこの世界から姿を消した。


 それから三百年後。

 約二千七百年前の大記暦二三三九年、新たな力を持つ者たちが現れ始める。

 その力は「天授霊法」と呼ばれ、天零国をはじめ世界各地に現れた。


 この力はかつての魔法とは異なり、主に攻撃のためにしか用いることができなかった。

 だがその威力は凄まじく、古い記録には次のように語り継がれている。


『草は天地を揺るがし、雷は空を操り、火は大地を灰燼と化す』


 この力を授かった者たちは「覚醒者」と呼ばれ、人々から崇拝される存在となった。


 だが、最も不可解な点があった。

 この力は誰にでも宿るわけではない。

 善神アフラニールに選ばれた、ごく一部の人間にしか与えられないのである。


 人々は問い続けた。

 ――なぜ善なる神が、戦のための魔術を人間に授けるのか。


 しかし人々が知ることを許されたのは、神話の形で語られる断片的な物語だけであった。しかも、その背後にある真実を追求することは、神への冒涜として禁忌とされていたのである。

 そこに隠された重要な真実は、ただひとつ。

 この力は、神からの祝福や褒美ではない……

 善神が自らの力を削り、己の手駒となる陣営を増やしている――ただそれだけのことである。


 長きにわたり、覚醒者は神聖なる存在として扱われてきた。

 彼らは各国の精鋭部隊として戦場に立ち、あるいは個人として活動し、魔族と戦い続けてきた。


 しかし、約一五〇年前――開拓暦六六二年頃から状況が変わり始める。

 覚醒者の数が急増し始めたのである。

 その結果、「覚醒者」という言葉が持っていた特別性は徐々に薄れていった。


 現在、覚醒者は大きく三つの立場に分かれている。

 ひとつは各国の軍や組織に属する精鋭部隊。

 ひとつは国家に属さず、自由に活動する者。

 そしてもうひとつは、その力を悪用する者である。


 もっとも、覚醒者の力は「誠実で強い願い」を持つ者に授けられる。

 ゆえに悪に堕ちる者は決して多くはない。

 それでもなお、そのような者が存在する事実は、人々にとって非常に嘆かわしい事実であった。


 また、覚醒者に力を与える善神の加護は、表面上「単なる魔法使い」のように見える形でこの世に顕現している。



Ⅱ. 覚醒者の力


 覚醒者は目覚めた瞬間から、ひとつの「運命」を背負う。

 それは二つの要素によって定められる。

 ひとつは「七つの天性」。

 もうひとつは「五つの神命」である。


【七天性】

 ・原性

 神々に匹敵するほどの力を持つ、極めて希少な天性。

 他の天性の力をわずかに扱うことも可能とされる。

 ・焔性

 火に関連する力を扱う天性。

 ・泉性

 水に関連する力を扱う天性。

 ・嵐性

 風に関連する力を扱う天性。

 ・霆性

 天候を操り、主に雷や電気を扱う天性。

 ・草性

 植物や地盤など、自然の生命力に関わる力を扱う天性。

 ・毒性

 毒に関する力を操る天性。


【五神命】

 ・屠伐

 最前線で敵と戦う主戦力。

 ・恩寵

 味方を支援する能力を多く持つ役割。

 ・衰滅

 敵に不利な状態を与える能力を持つ役割。

 ・豊穣

 回復や状態異常の除去などを担う役割。

 ・鎮守

 防御や耐久を高める守護の役割。


 覚醒者の運命は、力を授かった瞬間に決定する。

 そしてその内容は、本人の性格や趣味、得意分野などと深く結びついたものとなる。


 覚醒者は体内に流れる魔力を消費することで、魔術を発動する。

 しかし、強力な魔術は決して一朝一夕に身につくものではない。

 習得には、血を吐くような長い研究と試行錯誤が必要となる。


 魔導書や魔術学校で教えられる内容は、あくまで基礎のみである。

 真の技は、覚醒者自身が生み出さなければならない。


 この仕組みは、英語に例えると理解しやすい。

 学校や魔導書で学べるのは、アルファベット――つまり「AからZ」までの文字だけである。

 そこから文法を研究し、文章を作り出すように、覚醒者は自分自身の魔術を編み出していく。


 世の中に技を記した魔導書が少ない理由もここにある。

 理由は二つ。

 ひとつは、手の内を明かしたくないという事情。

 もうひとつは、個人差があまりにも大きいという問題である。


 覚醒者には体力、知性、体格、そして魔力の質など、人によって超えられない壁が存在する。

 そのため、他人の技を魔導書からそっくりそのまま真似したところで、発動に成功するとは限らないのだ。


 結果として、覚醒者たちは皆、自分だけの魔術を生み出し使用している。

 その戦い方は、一人として同じものが存在しない。

 覚醒者とは、それほどまでに個性に満ちた存在なのである。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!!


ここでは「最低限これだけは知っといて!」という設定資料の一部を紹介しました。


次回からいよいよ物語が幕を開けます!!

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