68kgの魚を捌く方法
微グロ注意
掌編小説4
お題:メロン、夫婦、魚屋
ついに手に入れてしまった。
とても大きく新鮮でまだ生きているみたいだ。
これをどう捌こうか。捌いた後にどう食べようか。期待で胸が震えてしまう。
捌き方をググろうかとも思ったが、せっかくの大物だ。何も見ずに捌いてみよう。
苦労した後の飯は格別だぞ!
幸いにも、私は捌き方を教えてもらったことがあるから何とか捌けるはずだ。中学生の時、職業体験で地元の魚屋に行ったのだ。そこのおしどり夫婦に教えてもらったのである。
えーと、先ずは血抜きからだっけ。
私は軍手をはめカマに包丁を突き立てた。ブスという鈍い音がした。
ブシッ、ドクドクドク。
想像以上の勢いで流れ出る血に内心焦りながらも、新鮮さの証だと前向きに受け止める。
バケツに血を移しかえること一時間、ようやく血の勢いが弱まってきた。
ふー、やっとだ。次はカマを落として腹を開くんだよな。カマを落とすのは包丁では難しいだろう。
よし、牛刀の出番だ。
カマに入れた切り込みに牛刀を入れ、ドズンと一刀両断する。
流石は牛刀だ。牛じゃなくてもよく切れる。
さて、腹を捌こう。内臓を傷つけないように包丁をゆっくりと腹に刺す。
プス、プシリと軽い音をたてて内蔵が開帳される。
スーッと、下に包丁をすべらす。
私は白子を見つけた。
そういえばこれはオスだったな。捌くのに集中しすぎて忘れていた。思わぬ副産物に心が踊る。
私は内臓と白子を取り出し、横にのけて一息ついた。
その達成感からか、ヒレが銀色の輪で締め付けられているのを見つけた。どこかでハマってしまったのだろう。私は優しくリングを取りゴミ箱に捨てる。
さて、後は三枚に下ろせば完了か。こっからも大変だぞ。私は今一度自分を奮い立たせ、新たな作業に向かう。
これが終われば1度休憩しよう。刺身にして食べるのもいいかもしれない。
メロンのダンボール箱に詰められたメスをしりめに、私は再び作業に向かった。
そういえば、メスのヒレにもリングがあったっけ。
これお題の要素薄すぎますね笑