夜半小説を書く・夜半小説を読む
夜半小説を書く
今日、僕は2年間付き合った彼女と別れた。
もっとすぐに別れるものだと思っていた。
彼女との記憶を回顧すると心が壊れそうになったから、早く大人になって、そんなこともあったなと笑いたくなった。
時刻は午前1時を回っていたのに、ブルーライトをたっぷりと浴びた僕の脳は休もうとしなかったから、布団に潜って、暗闇の中で、今日書いた小説の続きを脳内で創造する。
龍と人間の女が恋に落ちるという、よくある異種婚姻譚だったが、今日はどうしてもそれが書きたくてたまらなかった。
そうして創造しているうちに、僕は段々と深い眠りに落ちていく。
深い、深い、そして心地よい。
夜半小説を読む
一昨日、私は2年間付き合った彼と別れた。
もっと長く続くものだと思っていた。
彼との記憶を回顧すると心が壊れそうになったけど、どうしても忘れたくはなかった。
時刻は午前1時を回っていたのに、必死に堰き止めていた嗚咽が口から漏れ始めたから、布団に潜って、暗闇の中で、昨日読んだ小説の続きを想像する。
龍と人間の女が恋に落ちるというよくある異種婚姻譚だったが、そのありふれた幸せな物語の続きに浸っていたかった。
そうして想像しているうちに、私は段々と深い眠りに落ちていく。
深い、深い、そして心地よい。