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神の花嫁ー運命の時ー  作者: 和路(わんじ)
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神の花嫁ー運命の時ー

同じ夢を何日も続けて見た美巫は流石に戸惑ったし、何かあると思った。

そう思ったもののどうしていいか分からず、ただ悩んだ。

そんな時、ふと家の近くの神社に急に行きたくなったので美巫は何かから

呼ばれる様に向かった。

神社に着いた美巫は、何故かいつもと感じが違う様に思ったが、回数では

誰にも負けない程に、通った所なので気にするのはやめにした。

「何だろう?いつもより凄く静かな感じで・・・それにいつもならもっと

参拝客の人がいるのに、一人もいないなんて・・・」

そう呟いた時だった。

急に白い霧が立ち込め、前が見えない程になった。

「なっ何?霧?どうして急に・・・それに前が見えないわ・・・」

どんどんと、霧が濃くなる中、霧の中から神楽鈴の心地良い鈴の音が鳴り

響き、その音を合図とするが如く立ち込めていた霧がすーと引き始めた。

霧が無くなると、先程までいた神社の境内ではなく、全然知らない場所に

立っていた。

深緑の森の様な木々が生い茂り、少し先には泉の湧き出る綺麗な池があり

美巫は流石に思考が追い付かず、自分が何故神社に来ただけのはずなのに

急にこんな知らない場所にいるのかと言う事が信じられず、自分はきっと

夢でも見ているんだと、思い込もうとした。

そうでなければ、こんな非現実的な事が起こる訳が無いと思ったからだ。

そんな彼女に背後から声が掛かった。

「美巫、やっと君の前に姿を見せる事が出来た・・・。この時をこの日を

どんなに待ちわびただろう・・・」

「急に驚かす事になってしまい、すまない・・・」

「もう、時間が無いから許して欲しい・・・」

「えっ時間が無いって・・・。もしかして私の夢に出て来た人なの?」

「そうだよ・・・。最後の力を使ったからね・・・」

そう、悲しげに呟いた人物を美巫はしっかりと自身の目に捉えて驚いた。

綺麗な長い銀色の髪に、端正な顔立ちの男性で、目は闇夜の様な、美しい

藍色と紫色を足した様な色をしていた。

いかにも、空想の世界から、もしくは異界から現れたとしか思えない様な

姿で、着ている物も平安時代の男性が着ていたような服装を着ていた。

その姿を見て、美巫は驚くよりも、何故か胸が締め付けられる様な思いで

切なくて仕方がなかった。

「貴方は誰?どうしてこんなに胸が締め付けられる程切なくなるの?」

「これは夢?夢を見ているの?」

「貴方に会った事がありそうなのに、思い出せない・・・」

「我の名前は楓月の(ふうげつのみこと)と言う」

「月の力を持ち、風を従え操る者だ」

「それじゃあ神様なんですか?」

「そうだ・・・。神であり、美巫、君の守護者でもある」

「えっ私の守護者?私、こんな夢を見るなんて相当疲れてるのね」

「美巫、これは夢では無い。我がここへ呼んだからだ」

「呼んだって・・・、じゃあこれは現実だと言うの?」

「そうだ・・・。我の最後の願いに天の意志が許可と力を貸してくれた」

「てっ天の意志?でも、貴方は神様なのでしょう?」

「そうだよ・・・。しかし神の世界も人の世界と同じ様に理がある」

「だから、永遠はない。中には特別もあるが、ほぼ稀だ」

そう言った楓月の尊が、先程より深く感じる悲しみと言うか哀しみを強く

感じる美巫であった。

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