神の花嫁ー運命の時ー
行方不明になった神様の痕跡をどうやって調べるか議論した。
そして、太陽神の光陽神と月神の月凰神の二人が力を合わせて
その力に美巫の祈りの力を注ぐ事で、その神の痕跡を突き止めて
助けると言う事に決まった。
「では始めよう。太陽の力よ、太陽の光の力よ、我が声に応えて
その力を示せ」
「我が声に応えて月の力よ、月の光の力よ、今ここに太陽の力と
太陽の光の力と繋がり、その力を示し、探せし神を見つけたまえ」
「どうか、行方不明の神様の居場所を示して下さい」
三人の祈りの声が終わると、三人それぞれの体から光の柱が現れ
一つの光に交わると、ある一定の方向にその光は伸びて行った。
「さあ、道は示された。この光を辿って行こう。きっと探している
神が居るはずだ」
「では出発だ。龍神の背に乗って急ごう」
「あの、私・・・人間ですけど、一緒に乗れるのですか?」
「そうであったな・・・。しかし心配は要らぬぞ」
「華夜月の尊にしがみついておれば良い。さすれば龍に乗ったまま
一緒に行ける」
「えっしがみついてって・・・。うう・・・恥ずかしい」
美巫は顔がすぐに真っ赤になった。
「華夜月の尊は大歓迎だと思うぞ。なぁ?」
「それは、そうだが・・・。美巫が恥ずかしいなら無理には・・・」
「美巫、どうするのだ?後はそなた次第だぞ」
「あの、お願いします・・・。すみません、時間をとらせました」
「よし、では出発!」
そして守護龍の背に乗って出発した。
「あっあの、華夜月の尊様、重たかったらすぐに言って下さいね」
「大丈夫だ、それより美巫、もっとしっかりしがみついていないと
振り落とされたら大変だ」
「もっもっとって・・・」
美巫はもう、恥ずかしさのバロメーターが振り切ってしまった。
顔だけでなく、もう全身が羞恥できっと赤くなっていると思う程に
身体が熱くなった。
龍の背に乗って出発してから、時間にしてどれくらい経ったのか
ずっと空へと上昇していたが、ある雲を抜けた時、急に目の前に
光の輪が現れた。
「光の輪?・・・」
「美巫、あれはこの現界と私達が居る神界を繋いでいる道だ」
「えっこんな空の上にもあったなんて・・・」
「いつもあるわけでは無いのだ。いつも移動しているからな」
「移動?」
「そうだ。神の世界への入り口は特殊だから外界からの穢れや
悪しきものからの影響を防ぐ目的と、本来の理の為もあるから
一定の場所では無いのだ」
「それ程までに神聖な空間なのですね。華夜月の尊様がいらした
あの空間も、今思えば凄く魂から清められる様な聖なる場所だった
と思いました」
「そんな場所に鬼がどうして?」
「分からぬが、このまま見過ごせ無い事態ということは変わらない」
「さあ、皆行くぞ!」