神の花嫁ー運命の時ー
まずは彼女を守る守護神である太陽神の一人である、光陽神。
そして同じく守護神の月神の一人である、月凰神。
次は守護龍達が何匹も現れ、彼女の上を嬉しそうに旋回して回っていて
続いては、守護人である風花に碧伯が姿を見せた。
「皆、変わりないな・・・」
そう、華夜月の尊が呟いた。
その呟きの声に反応するかの様に、各々話し出した。
「おお、やっとあるべき形に戻れたな」
「今回ばかりは本当にどうなるかと、我ながら焦ってしまった」
「これからは思う存分に力を発揮できるな」
「本当だな・・・」
「ところで華夜月の尊よ、そなたはそなたでこれまでずっと歯痒い思いを
して来たが、今世でやっと報われたな」
「ええ、おかげさまで彼女と契りを交わし、こうして姿を現して
思う存分に彼女を守る事が出来ています」
「聞いたぞ、寿命で彼女の元を離れてそのまま消えゆくはずが奇跡の元
天の意志の計らいで、復活してツインレイの制約も無くなり彼女の側に
いる事を認めてもらい、夫婦の契りも交わしたとか・・・」
「そうです。今でも夢ではないかと不安になります」
「しかし、主である彼女が望んだ事なのだから、皆、喜んでいるのだ」
「本当にめでたくも、喜ばしい事だ」
「華夜月の尊の、これまでの苦しみや我慢の思いは皆、痛いほど知っていたからな」
「めでたい、めでたい事だ」
「皆、ありがとう。これからも宜しく頼みます」
「しかし、今世の主はどうして環状時計を置いて転生したのだ」
「そうだな、そうで無ければこんなにも我々が守護につく事が遅くなる事は
無かったはずだからな」
「こればかりは主の魂に聞くしかないが・・・」
「皆、どうする?魂に聞くか?」
「そうだな、確認したい」
「異議なしだ」
「華夜月の尊はどうだ?」
「そうですね、これからの事を考えると知っておきたい思いは一緒です」
「では、魂に聞くぞ」
そうして、みんなの意見が揃い、魂に聞く為彼女の周りを囲み
一斉に小声で、呪文を唱え出した。
すると、彼女の胸の辺りが光り輝き出し、周りにいた守護の者全てと
華夜月の尊と共に光が吸い込み、光と共に魂の中へと引き込まれた。
魂の中、先程と変わらず輪の連携を取ったまま、声を揃えて直接語りかけた。
「何故、転生前に環状時計を置いて転生したのか?それも上位の環状時計なのに・・・」
すると、みんなの頭の中に直接声が響いて来た。
「上位の環状時計を頂くほどの自分では無い。だから、申し訳なく思い、本当は
環状時計が無いと、数倍とても厳しく危うい人生になる可能性の危険を知りながらも
手放さずにはいられず、わざと手放して転生した為、守護の者達と離れる事となり
守護の者達には、心配と迷惑をかけてしまう事になり、今は反省している」
「だが、運命・・・いや、宿命と言うべきか結果、華夜月の尊と私を結び付けてくれる
事となってくれた。それだけが救いとなった」
「上位の環状時計を戻してくれる流れにもなり、今は安堵しています」
「前世で、村を救った功績で、上位の環状時計になった事をもっと普通に誇らしく思い
自分を認めているべきだったと今は思っています」
「みんな、ごめんなさい・・・」
その言葉が終わると、又光に包み込まれ今度は外へと、皆弾き出された。
「なる程、これで謎は解けて皆、理解出来たな・・・」
「やはり、主らしい思いが理由だったな・・・」




