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神の花嫁ー運命の時ー  作者: 和路(わんじ)
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神の花嫁ー運命の時ー

第二章  ー新たなる目醒めー

仙の出来事以降、しばらくは穏やかな日々が続いた。

美巫の側にいる華夜月の尊のおかげもあり、以前の様に理不尽な事で

苦しむ事もなく、降りかかる厄災を跳ね返し全身全霊で守られていた。

今まではどんなに助けたり守りたいと思っても、制約が枷となり、ただ

はがゆく見守る事しか出来なかったので、華夜月の尊自身は今の現状に

満足していた。

そんなある日、美巫が眠りに着いた後、華夜月の尊は神界へと呼ばれた。

「華夜月の尊よ、そなたが守っている娘に覚醒の時が近付いておる」

そう伝えて来たのは、幽玄の現世と神の世界との狭間を司る白楼神(はくろうしん)であった。

「白楼神ですか、お久しぶりです」

「覚醒の時とはどういう事ですか?呼ばれた事と関係があると?」

「いかにもじゃ・・・。彼女の巫女としての力の覚醒が引き金になり、これまで

隠されていた守護の者達が目醒め、これから先、沢山の縁を引き寄せ持つ事になる」

「そなたにとっては気を揉むかも知れぬが、これは覆せぬ運命、いや・・・宿命じゃ」

「そなたも感じていたはず。何故普通はあるはずの守護の者達の存在が無い上に

感じられないのか・・・」

「確かに・・・。今までの前世ではこんな事は一度も無かった」

「今世で、彼女の転生を確認して、見守るしか出来ない中で気にはなったが自分の

ツイン・レイとしての制約ゆえに、何も出来ずにいた」

「華夜月の尊よ、それも仕方の無い事だったのだよ・・・。全ては今から

明らかになる」

そう言い終わった時、天から声が響いて来た。

天の意志の声であった。

「華夜月の尊よ、久しいの。美巫との絆も契りも変わらぬ様でなりよりだな」

「しかし、今聞いた通り時が来たゆえ、そなたをここへと呼んだのだ」

「それは一体どの様な事なのでしょうか?」

「彼女は今世に転生をする際に、人に一つあるべき環状時計を置いて転生したのだ」

「それ故に守護の者達の存在が隠れ、辛い日々を送る事となったが、その環状時計が

自らの意思を持った様に、彼女を確認して戻ろうとしておる」

「ここにその環状時計がある。そなたから戻してやるが良い」

「天の意志よ、これを戻すという事は・・・」

「察した通りだ。彼女を元々守るべき守護の者達が姿を見せて、それがきっかけ

となり、新たな者達との縁を引き寄せていくだろう」

「それは定められた事。そなたは彼女と契りを交わし、将来を誓い合ったがそれも

定めの一つに過ぎない」

「彼女の転生の流れは今世が最後で、今世が終われば彼女は神々の、我々の世界の

者となる事も決まっておる。だからそなたを復活させたのだ」

「彼女自身の魂は元々特別なのだ。霊血の月の血を持っており、月読の(つくよみのみこと)と繋がりがあり、神の神核の魂を持ち、癒しの力を持つライトワーカーとしての役目を

持つ者で、色々な者と縁を繋ぐ事ができる者なのだ」

「そして、龍使いの君でもある。これから覚醒すれば沢山の龍達が彼女の元に

訪れて、集まるだろう」

「そなたのなすべき事は、まずはその環状時計を彼女に戻して、彼女の元に集まる者達と

共に彼女を導き守り、力を貸してやりなさい」

「彼女が今世を終えれば、この神界でそなた達二人を夫婦としてそして彼女の神としての

神上がりを祝福しよう」

「良いな・・・。それでは頼んだぞ」

そう言うと、天の意志の声は消え去った。

「わしからも頼む。どうかあの子を守り、幸せにしてやって欲しい」

「やっと努力が報われ、転生の輪を終わらせる事が出来る今世なのだ」

「分かりました。力の限りを尽くしましょう」

「うむ、頼んだぞ」

「はい!」

華夜月の尊は力強く答えると、現世で眠る美巫の元へと戻った。

戻って来てすぐに、華夜月の尊は預かって来た環状時計を彼女の胸元へとそっと

乗せ置いた。

すると、環状時計は光り出すとそのまま吸い込まれる様に彼女の中へと消え去った。

「無事に戻った様だな・・・」

華夜月の尊が呟いた後、急に彼女の体が光り出すと、次々に守護の者達が目醒めて

姿を現した。

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