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神の花嫁ー運命の時ー  作者: 和路(わんじ)
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神の花嫁ー運命の時ー

「美巫、もう苦しまないでくれ・・・」

「ごめんなさい、でも私の犠牲になってしまった事が辛いの・・・」

「私なんかに出会わなければ、彼は苦しむ事も、死ぬ事も無かった」

「だからと言って、彼を助ける為に彼の想いに応えてあげる事も出来なかった」

「私には華夜月の尊様だけだから、自分の想いは偽れない・・・」

「結局私は・・・何もしてあげられず、彼の命を奪う事に・・・」

そう言って、また涙が溢れ出して来た。

そんな美巫の事を華夜月の尊は抱きしめて、その悲しみが落ち着くまで側にいた。

どれくらいの時間が経ったか分からない中、華夜月の尊から声を掛けた。

「美巫、落ち着いたか?気持ちは分かったが、もう自分を責めるな・・・」

「美巫は否定するかも知れないが、神を本当に魅了する魂の持ち主なのだ」

「出会わなければと言ったが、出会いは全て必然なのだ・・・」

「辛い気持ちも分かるが、彼のエネルギーは美巫の中にあるのだから、彼の為にも

彼が願った様に、笑顔で幸せにならなくてはいけない」

「分かるな?だからもう泣かないでくれ、私が側にいるから」

「はい・・・。分かりました・・・」

そう言うと美巫は、華夜月の尊に再び強く抱きついた。

そんな二人の元に春を告げる神が現れた。

華夜月の尊は美巫を庇う様に、前に立ちはだかった。

「何の用ですか?」

「そう、敵視しなくても危害を与えに来たのでは無い」

「仙の為に涙を流して、自分の事を責める美しい魂の者よ」

「仙の事を許して欲しい。仙は覚悟していた。ツイン・レイの華夜月の尊と彼女は

運命で繋がり、絆は誰よりも強く、決して揺るがないのだと」

「だから、初めから勝ち目は無いのだと・・・。それでも魅了された想いは、もう

止められない」

「彼女の魂に引き込まれたのも、自分が魅了され、油断したからだと・・・」

「彼女の側に安心していられて、彼女を幸せにする力を貸して欲しいと頼まれた」

「仙の為にも、もう苦しまないで彼と幸せになって欲しい」

「神と人の子の恋。これから色々あるだろう、しかし彼女は普通の人の子では無い

様だな。巫女の力に月の霊血に月の力、そして我が春を思わせる癒しの力」

「天の意志が動く訳だな・・・」

「これからの二人が楽しみだな・・・」

「それでは我はもう行く。仙の気持ちも伝えた。もう役目は果たした、さらばだ」

そう言って、春を告げる神は去って行った。

神が去った後、風に吹かれ桜の花吹雪が部屋の中を舞った。

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