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ギルバートと仲間たち 17 キャサリンとの再会

 キャサリンの顔を見るなり、相手とは逆にギルバートたちの顔は曇り、きつい表情となる。

キャサリンが嬉しそうに再び話しかけてくる。


「あなたたち!久しぶりね!」


そのキャサリンにギルバートが警戒して叫ぶ。


「お前!何の用だ!

俺たちはお前に二度と近づくなと言ったはずだが!」

「え?そんな事ないでしょう?

せっかくこうして久しぶりにあったんですもの!

また一緒に迷宮へ行きましょう!」

「冗談じゃない!誰がお前なんかと一緒に迷宮へ行くものか!

二度とごめんだ!」


断固キャサリンを拒絶するギルバートに横にいたウォルターが話しかける。


「おい、ギルバート、こいつ奴隷になっているぞ?」

「ああ、そのようだな?

だがその方がこんなクズにはお似合いだろう」


デボラとヨハンも同調する。


「ああ、全くだな!」

「その通りだ!」


そして状況が呑み込めないアンナとハンナがギルバートたちに尋ねる。


「何?この人は誰なの?」

「知っている人なの?」


その質問にギルバートが憎々しげに答える。


「こいつが俺たちが以前話していたキャサリンさ!」


ギルバートの返事に二人が驚いて返事をする。


「え?この人が?」

「ウォルター兄さんが腕を切られた原因になった人?」


二人は村からロナバールへ来る途中でそれまでの事を聞いていた。

もちろんキャサリンの事も聞いていたし、好意的になる理由はどこにもなかった。

その後も事ある毎に「あの人」との引き合いにキャサリンの事は聞いていたので、その存在はよく知っていた。

ギルバートたちにとっては「あの人」とは逆に、二度と会いたくない人物だった。


「ああ、そうだ」


しかしそんな会話も気にせず、キャサリンは話し続ける。


「何を話しているの?

でも懐かしいわ!さあ、また一緒に迷宮へ行きましょう!

あの時みたいに私が鍛えてあげるわ!」


そのキャサリンの言葉にギルバートはイライラとして答える。


「お前は馬鹿か!

もう前の時の事を忘れたのか?」

「え?何かあったかしら?

でも安心して!私は気にしないから大丈夫!昔の事よ!

そんな事は水に流して、また一緒に魔物を倒しましょう!」


その会話を聞いてギルバートもあきれていた。

他の面々もキャサリンにあきれ返ったようだ。


「お前には記憶ってもんがないのか?」


ウォルターも皮肉たっぷりにキャサリンに話す。


「ああ、全くだよ、まあ確かにある意味、こいつには感謝しているがね?」


しかしその皮肉がキャサリンには全く通じず、本人は笑顔で話し続ける。


「感謝?そうよね?

レベルの低いあなたたちを私が鍛えてあげたんですものね?

そう思うなら、また私と仲間になって迷宮へ行きなさい!」

「ふざけるな!確かにある意味、我々はお前には感謝しているかも知れない。

だから今この場でも何もせずに見逃してやろう!

それがお前に対する我々の最大の礼だと思え!

そもそも我々が本当に感謝する人は他にいる!

これ以上ガタガタ言うならお前を簀巻すまきにしてブリーコ河へ叩き込むぞ!」


そのギルバートの言葉に、ウォルターがうなずいて答える。


「ああ、今の俺たちなら、それ位出来るな」


デボラもうなずいて答える。


「そうだね?レベルはまだ俺たちの方が低いかも知れないが、魔法も使えないこんな馬鹿が相手なら十分だ!」


キャサリンはあの時から全くレベルは上がっていなかったために、実際にはすでにレベルも実力もギルバートたちの方が上だったのだが、まだ彼らはその事を知らなかった。


「とにかく今の俺たちはお前と関わる気など欠片もない!

これ以上付きまとうなら本当にブリーコ河へ叩き込むからな!

以前にも言った通り、お前は誰にも迷惑をかけるんじゃない!

勝手に一人で迷宮へ行っていろ!」


そのギルバートたちの剣幕に、キャサリンは流石にたじろいで後ろへ引く。


「なっ・・・」

「行けっ!とっとと俺たちの前から消え失せろ!」


今にも剣を抜いてキャサリンに襲い掛かりそうな勢いでギルバートが叫ぶ。

すると、キャサリンは腹立ちまぎれに捨て台詞を残して迷宮へと逃げていく。


「ふんっ!何よ!私を仲間にしなかった事を後で後悔しますからね!」


そう悪態をつくと、ついに仕方なくキャサリンは一人で迷宮の中へと向かう。


「ふう・・・全くあんな奴とまた会うとはな?」

「ああ、しかもあいつ、俺たちに何をしたか全く覚えてないみたいだぜ?」

「覚えてないっていうよりも、なんか自分に都合よく記憶を作り変えていたみたいだな?」

「ああ、俺もそう思った」

「全くめでたい奴だな?」

「まあ、とにかく二度と会うのはゴメンだな」

「しかし、あいつまた誰かに迷惑をかけているんじゃないだろうか?」

「いや、今は奴隷になっているみたいだし、そうそう昔の俺たちみたいに騙される連中もいないだろう?」

「そうだな?俺たちだってあいつがあんな格好でなけりゃ騙されなかっただろうしな」

「ああ、そうだ」


久しぶりに会いたくもない相手に会った一行だったが、気を取り直して魔物を倒しに迷宮へと入っていった。


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