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レオニー・メディシナー 02

 今日あの二人が私と話し合いたいと言っているとドロシーが言って来た。

珍しい事がある物だと私は思った。

なぜならば、あの二人、特にオフィーリアの方は、理由はわからないが、何となく私の事を避けている節があったからだ。

しかし、私は元々あの二人には興味もあったし、今回は一体何の話だろうと思って、少々心待ちにしていたのだ。



・・・驚いた。

いや、驚いたなどという言葉では表現しきれない。

あまりの衝撃に、私もドロシーも涙を流してしまったほどだ。

しかし、それも仕方がない事だろう。

まさか、自分の配下にいつの間にか、「あの御方」がいようとは、誰が想像できようか?

そう、ガレノス三高弟の一人にして最後の生き残り、そしてメディシナーの母でもあり、独立戦争の英雄、80年以上も行方知れずだった「あの御方」が、こんな御側にいらしたとは・・・一時期、マジェストンにいたらしい事は知っていたけど、まさかここに帰っていらしていたとは・・・

私もドロシーも危うく気を失いかけたほどだ。

しかもメディシナーを正すために、私達に協力して欲しいと言う。

こんな名誉な御誘いを受けるとは!

お受けしない訳ないでしょう!

御協力させていただかない訳ないでしょう!!

まさに千歳一遇!!!

これであの女の件は、解決したも同然です!

しかもPTMの修行までつけてくださる事になるなんて、まるで夢のようです!

早速レオンも呼んで、一緒に修行をつけていただかなくては!

それにしてもこの二人の関係を知ったら、レオンはきっと嫉妬で、修行どころではなくなってしまうでしょうね。

修行が終わるまでは、レオンとマギーにはエレノア様とシノブさんの事は伏せておかなくては・・・



・・・地獄だった。

エレノア様に修行をつけていただけるのは嬉しいけど、ここまで厳しい修行だったとは・・・

よく曾御爺様は、この訓練に耐えられたわね?

レオンやシノブさんいるから一番の年長者として平気なふりをしているけど、一人だったら泣きが入って挫折していたかも知れないわ。

もっとも、あの大呪文を1ヶ月で身につけるには、この程度でくじけていちゃダメ!

それにしてもシノブさん、あの年齢でよくこの修行に耐えられるわね?

さすがエレノア様の内弟子の事だけはあるわ。

でも、まるで訓練された犬のように見えるのは私の気のせいかしら?

時々嬉しそうに尻尾を振っているように見えなくもないのだけど・・・気のせいよね?

単にお二人の仲が良いだけの事よね?

それよりも私も頑張らなくては!



無事、PTMを会得して、それを曾御爺様に報告した時の顔は見物だったわ!

それにしても曾御爺様もエレノア先生に80年ぶりにあったので、さぞかし感慨深かったでしょうね・・・

レオンの顔に至っては、そのまま絵にして取っておきたい位だったわ!

まあ、でもこれであの子も憧れの人に修行をつけてもらえたのだから満足でしょう。

そしていよいよあの女との対決だわ!

私の弟まで暗殺しようとするとは予想以上にとんでもない女だったわ!

まったくエレノア様がいらっしゃらなかったらどうなっていた事か・・・

メディシナー一族をここまでコケにしておいて、安穏無事でいられるとは思わない事ね!



 あの女を無事処分できた事は良かったけれど、これほど色々な事が一片に起こるとは思わなかったわ・・・

ましてや、まさかこの私が最高評議会議長に指名されるとは思いもよらなかったわ・・・

果たして私に曾御爺様の後釜などが務まるのかしら?

それにしてもこれでエレノア様やシノブさんとお別れとは本当に寂しい限りだわ。

でも修行中の御二人を無理にお引止めする訳にも行かないし、仕方がないわね?

それにしてもあのエレノア様が奴隷にまでなってお仕えしてお育てしているシノブさんとは一体何者なのかしら?

確かに恐ろしいまでの才能と知識は感じ取れるのだけど・・・

・・・まあ、いいわ。

もし御二人に何かあれば、全メディシナーがお助けする事を秘かに自分の心に誓っておきましょう。

もっともそれは私以上にレオンが率先してやりそうね?

では、また会える時を楽しみにして・・・


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