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キャロル・マーカス 06 未知の迷宮へ!

 いよいよ迷宮へ出発よ!

しかも最初はまだほとんど誰も入った事の無い未知の迷宮!

心が躍るわ!

ホウジョウ先輩の同級生の皆さんはスカイインに乗ったけど、私は少々わがままを言って、御姉様と同じリンドバーグに乗せていただいたわ。

ちょうど4人部屋で御姉様とミルキィさんとポリーナさんと一緒になれて楽しかった!


大アンジュの迷宮へ着くと早速作業開始!

でも私も昇降機を作る作業なんて初めてだわ。

皆さんの足手まといにならないように頑張らなくては・・・

そう思っていたけど、アンジュ御姉様も含めて、ほとんどの人たちが初めてだったのでホッとしたわ。

でも経験者のホウジョウ先輩やノートン先輩たちは流石ね。

テキパキと作業を進めていくわ。


たったの1日で昇降機設置作業が終わってしまったわ!

もっとも先行してジャベックやタロスたちが作業をしておいたおかげだけど。

私たちは最終的な点検や、確認だけだったから大した事はしていないしね。

それにしても作業の後の御風呂は気持ちよかったわ~!

それにあの「フルーツ牛乳」って言うの?

あれ最高ね!

マジェストンでも普通に売ってくれないかしら?

家でも是非風呂上りに飲みたいわ!

それに何だか男子組はシュウガク旅行とか言う物の話で盛り上がっていたみたい。

何かしら、それ?


翌日からはいよいよ迷宮の探索よ!

私はもちろんアンジュ御姉様の班に入れていただいて一緒に魔物退治よ。

でもこの迷宮にいる間にロウデーモンを倒せるようになれなんて、相変わらずグリーンリーフ先生は厳しいわね。

私のレベルは110だから、何とかなったけど、やっぱり悪魔相手は難しいわ。

それにしても私たちは20階層辺りでウロウロしていたのに、ホウジョウ先輩とグリーンリーフ先生は30階層近くまで行ったらしいわね。

やっぱりあの二人は普通じゃないわ!


 そして今度はあのマジェストン迷宮への挑戦!

あのアースフィア最大の迷宮と言われる大迷宮への挑戦よ!

しかも最下層までの予定だ何て、もう気分は完全に未踏の地への冒険者か、極地探検家の気分よ!

まさかこの年であそこの最下層へ行くなんて想像もしていなかったけど、気合が入るわ!

本当に御父様を説得した甲斐があったわ!

そして17時近くになり、全員が25階層に集まったのを確認すると、グリーンリーフ先生が話し始めたわ。


「皆さん、お疲れ様でした。

しかし皆さんも御存知の通り、これからが本番です。

まずはこの部屋の向こうにはこの階層の主である「ダークキマイラ」が待っています。

これを皆さんで倒していただきます。

但し、私たち教師と、特待生とアイザックたち、ミルキィ、ポリーナ、ライラは抜きで戦っていただきます」


途端に生徒たちが悲鳴を上げる!


「え~っ!」

「私たちだけですか?」

「それでダークキマイラを相手に?」

「そんな殺生な!」

「特待生組がいないんじゃ、誰が一番レベルが上だ?」

「ベルンシュタインか、モーゼスさんじゃないのか?」


みんなが騒ぐのも当然といえる。

レベルが300を超える魔物を相手にするなんて、普通に考えたらレベルが250以上でないと無謀としか言いようがない。

大抵はレベルが250前後5,6人で相手をする物だ。

私だって先生やホウジョウ先輩がいるので安心をしていたのだ。

それが自分たちだけで相手をするとなれば話が違う。

騒ぎ立てる生徒たちを前にグリーンリーフ先生がパン!パン!と手を打つと皆も静かになり、再び先生が話し始める。


「皆さん、今まで教わった事を思い出してください!

特に相手は単体です。

グレイモン戦法などを駆使すれば必ず勝てます。

但し、くれぐれも油断はしないように!」


グリーンリーフ先生の言葉に生徒たちがうなずくと、先生が扉の前をスッと指差す。


「ではお行きなさい!」


先生に言われるがままに、ベルンシュタイン先輩たちが扉を開ける。

そしてその奥にはレベル300を超えるダークキマイラが待ち構えていた。


「行くぞ!みんな!」

「「「「「 おお~っ!! 」」」」」


ベルンシュタイン先輩の合図と共に私たちは中へ雪崩れ込む!

当然の事ながら守備を重視し、無謀な攻撃は避け、必ず相手の死角から攻撃をしている。

さらに無数の戦闘タロスによる容赦ない攻撃だ!

何しろ各自が最低でも100体のタロスが出せる魔法使いが50人もいるのだ。

そのタロスの数は半端ない!

それこそ巨象に群がる蟻のようにダークキマイラに群がり、ブスブスと短剣を刺していく。

それでもダークキマイラは倒れない!

あ~全くどれだけこいつ体力あるのかしら?


「え~い!もういい加減に倒れてよ!

グランダ・フルモバート!」


バリバリバリ!


「グェ~~~ッ!!」


私の放った魔法に対して不気味な吼え声を立てると、そのままダークキマイラは倒れた。

そして体全体が魔屑となって散っていく。

それを確認したみんなは大喜びで叫ぶ!


「やった!」

「やったぞ!」

「俺たちでダークキマイラを倒したぞ!」


多少怪我をしている者はいるが、致命傷を負った者はいない。

グリーンリーフ先生がみんなを労う。


「皆さん、お疲れ様でした!

それでは先へ進みますよ!」


グリーンリーフ先生の言葉に従って先へ進むと、そこには広い下り階段がある。

そのまま階段を下りると、そこからは広い通路が続いている。

その先に広い案内所のような物があり、そこの入り口には「魔法協会・アースフィア広域総合組合 マジェストン迷宮26階層共同駐在所」と書かれてある。

そこまで来るとグリーンリーフ先生が合宿参加者たちに説明をする。


「ここから先は皆さんも承知の通り、「領域型迷宮」となります。

そして出てくる魔物たちも桁違いに強くなります。

その前に今日はここで宿泊します」


中に入ると、係員の女性がいて、私たちに挨拶をして無事に中へ入れたわ。

高等学校の先輩たちが通過した後で、私とモーゼスさん、トムさんが残ったわ。

ホウジョウ先輩が私たちの説明をする。


「ああ、この人たちはまだ全員魔道士ではないんですが、御覧の通り、中等魔法学校の生徒で、全員レベルは120を超えているので、許可をしていただけませんか?

私とグリーンリーフ先生が保証しますので」

「承知しました、帝国貴族であるホウジョウ子爵とグリーンリーフ先生に保証していただけるならば、特例として認めましょう」

「ありがとうございます」

「でも一応レベルの確認はさせていただきますね」

「はい、お願いします」


そう言うとその係りの人は私を鑑定する。


「キャロル・マーカスさん

レベル121で魔法士ですね?

はい、どうぞ」


無事に私も通過する事が出来てホッと一安心だ。

受付のあちら側にはすでに通過したミルキィさんとポリーナさんがいて、私を迎えてくれる。


「良かったですね。

無事に通過できて」

「ええ、ちょっとハラハラしました」


同じ中等学校の生徒でも、この二人は組合の黄金等級ゴールドクラス白銀等級シルバークラスなので、問題なく通過している。

まあ、レベルも私とは段違いだしね?


 初めての領域迷宮には驚いたわ!

御父様に話は聞いていたけど、本当に迷宮の中なのか信じられないくらいだわ!

目の前には草原が広がっているし、空にはブリル・ピリコとかいうラディそっくりな物はあるし、ここは本当に迷宮の中なのかしら?

でもここで未知の魔物と戦えるかと思うとワクワクして来たわ!

ミルキィさんやアンジュ御姉様も私と気持ちは一緒みたい。


「いよいよですね?アンジュ!」

「ええ、ミルキィさん、これから未知の魔物と戦えるかと思うとわくわくしますよ!」

「ふぇふぇふぇ・・・ミルキィ殿も御嬢もやる気満々じゃのう」

「私もアンジュ御姉様と一緒にここまで来たかと思うと興奮します!」

「はっはぁ!私もここなら思い切り暴れられそうだ!

迷宮の中ってのは、どうも狭くて性に合わないね!」


天竜のライラさんもやる気は十分見たい。

でも何だかそんな私たちを見て、ホウジョウ先輩は少々呆れ顔だわ。

なんでかしら?


 途中で魔物に襲われている人を助けながらついに29階層へ辿り着いたわ!

驚いたのはここからよ!

何とホウジョウ先輩はここに休憩所を作り始めたわ!

もちろん、その話は聞いていたけど、本当にこんな場所で休憩所を作り始めるとはねえ・・・

確かに27階層でも休憩所を造ったけど、ここはマジェストン迷宮の最下層一歩手前よ?

こんな場所に休憩小屋を造るなんて本当に信じられないわ・・・

魔物に襲われながらもその休憩所は本当に完成したわ。

信じられないけど、実際に私たちはそこで宿泊して30階層へ向かったわ。


 ついにダークネスドラゴンを倒したわ!

信じられないわ!

もちろん、私が倒した訳ではないけれど、その場にいたというだけでも感動よ!

私たちはそのままダークネスドラゴンの体を持ち帰って、魔法協会へ持って行ったわ。

地上に出た時は大騒ぎだったわ。

何しろ最下層制覇をしたのは10数年ぶりだったみたいだし、しかもそのほとんどが学生で構成されている集団がダークネスドラゴンを倒したのなんて史上初らしいから当然ね。

私もこんな大冒険に参加出来て大満足だわ!

しかも聞いた所によると、マジェストン迷宮最下層へ行って、ダークネスドラゴン退治に参加した者の中では私が過去最年少らしいわ。

私、知らない間に信じられない記録を立てていたのね?

これはもう一生の思い出だわ!

御父様と御母様に話したら当然驚いたわ。

もちろん話は事前に聞いていたからわかるけど、実際にそれを実行したとなると、また別物ですものね?

しかも私がダークネスドラゴン退治の最年少記録を作ったと言ったらさらに驚いていたわ。

まあ、無理はないわね?



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