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序章 ~転生2~

一番最初に言い忘れていましたが、慣れるまで不定期で投稿していこうと思っています。


では、今回もお楽しみ下さい!


夢を見た


――その夢は、毎日が楽しくて、自分の将来について本気で考えたり友達と笑いあった日々の夢―――


…でも何故だろうか。夢のはずなのに。楽しかったはずなのに。

もうあの日々には戻れない、思い出すなと。

思い出してしまったら、辛くなるから、悲しくなるから、苦しくなるから。

そう言って自分に言い聞かせている俺がいる。

そして、どこかで納得して悲しそうな顔をしたもう一人の『俺』がいた。

もう一人の『俺』は俺に問いかけてくる。


『どうした?そんな悲しそうな顔をしてさ?』


「なんか、懐かしいなって、楽しかったなって、もっとあそこに居たかったなって思ってさ。 夢なのにおかしいよな。」


『そうだね。ほんとにおかしい話だ』


そこから、少し沈黙が続き、唐突に『俺』が聞いてきた。


『どうしたい?』


「それは…どういう意味?」


『そのままの意味だよ。これから君がどうしたいのかなって気になったんだよ』


どうしたい…?  …そんなこと決まっているじゃないか

本当ならあの夢を見続けたい…でも無理なんだ。何故だか知らないけど分かってしまう。

だから、夢の続きなんてわがままは言わない。けど俺はまたあの夢みたいな温かい場所に行きたいと思うんだ。

それだけだ。それ以上望むものが今の俺にはない。でも、諦められないこともある。

そこで、万が一戻れるならという淡い期待を抱きながら答える。


「俺は…あの続きを見たい。…でも、無理なんだろ?」


『あぁ…無理だ。あの世界に君は戻れない』


「そうなんだな。ダメもとで聞いてはみたけど、こうも真っすぐ言われるとやっぱり来るものがあるね…」


『ごめんよ。でも、こうやってハッキリ言わないと諦められないでしょ?あと、よくもう戻れないって分かったね?』


「なんとなくそう思っただけだよ。本当になんとなく…ね。それと…前にもこんなことがあって悲しくなった気がするんだ。」


本当になんとなく思った。でも、何故かそれが間違っているとは全く思わない。

それと、この状況が初めてじゃない気がするのも確かだ。

もう少しで何かを思い出せそうなんだ…とても大切で残酷で幸せな記憶が…

そして、それを断ち切るように声がかけられた。


『おっと、話がそれたね、本題に戻そうか。じゃあ、もう一回聞くよ。』



____君はこれからどうしたい?__



その声はさっきとは違う。本気の問いかけ。

何故か、冷や汗が出る。この問いには絶対に間違えてはいけないと思わせるような声。

その問いの答えによって何かが変わる、これからなにか起こしてくれるような期待感が高まる。

しかし、その期待は自分の胸の中にしまい俺は『俺』にどうしたいかを答える。



  俺は… 



俺は精一杯答えた。その答えを『俺』は真剣に聞いてくれた

しかし、その表情はまるで俺がそう答えることを知っているかのようだった


『そうか…』 __また、その道を選ぶんだね__


「ん?なんか言ったか?」


『ううん、何も言ってないよ』


なんだか『俺』が心なしか悲しそうに俺の目には映った

なんでそんな顔をするんだろうと疑問に思ったが聞かないことにした

聞いてしまったら後悔するような気がしたから

聞いてしまったら、知ってしまったら、もう戻れなくなりそうと思ったから

と、そこで『俺』が言った


『よし!じゃあ、始めようか』


「始めるって…なにを?」


『あ… 言ってなかったね。ごめんごめん。これからやるのは…』


___”転生の儀だよ”___


「……え?」


誤字脱字またはおかしい部分がありましたらご指摘いただけるとありがたいです。

次回もお楽しみに!

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