とある子の決意まで
天使化シリーズと言うべき本篇の主人公とはまた別の物語
本篇はまだ書いてすらいないけどね♪(*´ 艸`)
春の陽だまりが気持ちいい朝
俺は昨日は初大規模ダンジョンの攻略を果たしたというのに、無慈悲にも毎朝律儀に目覚まし時計は起床の時間を教えてくる。
少しぐらいサボる日があっていいと思うんだが、残念ながら俺の願いが聞き届けられたことは未だ無い。
まぁこれ以上ゆっくりしてると、あいつが不法侵入してきた挙句プロレス技で見るようなダイブをかましてくるので早く起きなくてはならないが。
あの柔らかい体でやられると気持ち良さと喜びのあまり俺が天の階段を登ってしてしまう事をいい加減理解して欲しいものだ……言わないけど、ん? なんでかってやって欲しい時もあるんだ、わかるだろ? 言わせるなよと誰に言ってるのか分からんことを思いつつ
そんな訳で目覚ましを止め、制服にささっと着替え階段を下りていく。
「あ、お兄ちゃんおはよーご飯できてるから、さっさと顔洗って歯磨きしてきてね」
「ほーい、それにしても瑞葉は、いつも早起きだな〜しかも、いつもご飯作ってくれているなんてお兄ちゃんは嬉しいぞ!」
「はいはーいありがとう、わかったから洗ってくる!」
別に親がいない訳じゃないが、二人とも基本家にいないし正直なにをしてるのかは知らないけどそれで困ったことは無い、お金はちゃんと振り込まれるし月に一回帰ってくるためそれほど寂しいと思ったことも無い、それが俺たち兄妹にとっていつもの日常、それに……隣の幼なじみが居たのも大きいかもしれない。
「「いただきます」」
「それで、ゆき姉との進展はどうなったの? もうやった? ……さすがにキスはしたよね? どうなのお兄ちゃん」
なぜそんな目をする、妹にジト目で見られなくてはならん理由がわからんのだが、兄はそのような目で見られて興奮する性癖はもちあわせておらぬぞ
「そもそも幸と恋人の関係じゃないんだが……」
そもそもあいつが俺とじゃ嫌だと思うんだが……この溜息を聞く限り聞く耳はなさそうだなー
「はぁぁぁぁーーそっっっんなんだと他の人に取られっちゃうよ? 」
「俺は幸が幸せならそれでいいよ」
「そこは、お兄ちゃんが幸姉を幸せにするって言ってほしいな〜……と、ごちそうさま──それじゃあもう行くから食洗機よろしく〜」
食洗機をかけカバンを持って外へ出ると瑞葉と幸が話していた……おお〜妹様よー当番はいいのか? まぁ大丈夫ならいいがなんて思ってると鍵を閉める音で気づいたらしい妹が腕を胸の辺りまで持ってくるとファイトのポーズをとる。
何を頑張れと……? ん、なんだもしかして……さっきのまだ言ってるのかと思っている間に走り去っていく。
何度見ても幸って本当小さいな……中学2年生の妹の方が数cm程だが高いんだよなー……見てわかる程には
「春優! おはよう」
「おはよう幸」
やっぱり綺麗だよなー目なんか男だった時と変わんないんだけどちょっとツリ目気味だったんだけど……そこに色気が追加されてる気がするんだよな本当マジで!
それに今どき別に珍しい訳じゃないが、この美少女が元男なわけで……本人に言ったらなんて言うかわかんねえけど天使化症候群グッジョブ──
──私は幸いつもの道を春優と一緒に歩いてま〜す☆……てっ……ねえ……春優は私のことどう思ってるの? 私は春優のことが好きだよ友達としても、もちろんだけど一人の男の人として梓澤春優という一人として貴方が好きです。
……なんて言葉にして言えたらいいんだけど……それが
「はぁ〜」
「どうした、なんかあったか?」
「彼氏が欲しいなーって」
そう言った瞬間春優の顔から感情が一瞬抜け落ちた気がした
ぁ……えっもしかして期待していい……の?
今誰にも聞かせられないぐらいドキドキしてるのがわかる……大丈夫? 変な汗かいてない? ななななななんか暑くない!!?
「なあ」
何も音のない世界にゴクリ……と音が鳴った気がした。
「幸お前……」
春優の手が私の頬に触れると、ん……と甘い声が漏れた。
春優の顔が近づいてくる……春優と両想いに
「お前暑いぞ! 何我慢してんだよ! あーここからなら学校の方が近いか……幸保健室まで歩けるか?」
「ぇ、え?」
「よし」
春優は私を抱き上げると重さを感じさせない軽やかな足取りで疾走していく!!
「春優!! は、速っ速いって〰〰」
その後私は春優に連れられ保健室にやって来ました。
正直春優は朴念神だと思う……小二の中間ぐらいには天使化を発症して、それからは女の子として生きてきた。
天使化の特徴としては背中に小さな白く優しく光る小さな羽根が現れること、体の性別が男なら女の子に、女なら男の子の体になることになる──けど中学生までは可愛かったり綺麗かったり格好よかったりする美少年美少女に、高校生以上の女性が天使化で男になる場合美形の男性になることも──そして私も例に漏れなかった。
な・の・に!! ある事がきっかけで助けてもらって……そしていつの間にか好きになることに気づいて……全力で直接言うのは……なんだか恥ずかしいから頑張って頑張って色々アピールしてきた見て貰えるように……裁縫に料理と言った鉄板から服とかも色々考えた……可愛さ綺麗さ王道色々やってきた……瑞葉ちゃんにも協力して貰った。
私に心が向いてくれるなら……その時は私から……
春優はチャイムが鳴るギリギリまでいてくれた。
ねえ春優の心は誰を見てるの? 私を見てくれてるのかな…… そっそれとも……他の人?
やるしかない、もうなりふり構わない!……絶対春優に私のここ事をすす好きになって貰う!
そうしてこの後わずか十分後には、暴走気味の私と強力な助っ人の瑞葉ちゃんの協力の元、春優くんをベタ惚れにする会が結成されたのだった。




